デジモンワールド 第三話

「マーチングフィッシーズ！」
ゴマモンは小魚を呼び出し、ゴブリモンへ向かわせた。
いや、ゴブリモンだけではない、もう周りが見えていない。
もちろん俺にも来てるさ・・・
「ゴブリストライク！！」
ゴブリモンは魚に火の玉を投げる。
野球か？おい・・・って・・・
きずいた時には俺の前に魚が牙をむき出しに迫っていた。
「おい！ゴマモン！・・・おい！！！」
あ～・・・駄目だ・・・完全に周りが見えてねえ・・・
そんな事を考えていると・・・痛っ！
右手に先ほどの魚がかぶりついていた。
あれ・・・？そこまで痛くはないようだが・・・
俺は油断していた。これが間違いだったんだ。
次々と魚が襲ってくる。あちこち痛いぞ！！
俺はふらつきながらゴブリモンの方へを歩いてしまった。
それをみたゴブリモンはぎょっとし、こちらへ攻撃態勢をとった。
「ゴブリボム！！」
目の前は真っ暗だったが、風は感じられる。
風を感じた次の瞬間、周りの魚が全て吹き飛んだ。
しかし喜びもつかの間。
今度は俺が吹き飛ばされるばんだ。
後ろには・・・岩！？
なんてついてないんだろうか・・・ゴマモンはまだ魚を暴走させている・・・
「ッガ・・・」
ついつい声が出てしまった。息が出来ない。
倒れるのか・・・俺・・・
俺は運良くゴマモンの近くに倒れた。
ここだったら安全だろう・・・
ゴマモンはどんな顔するかな？泣くかな？
「・・・・」
俺は何とか目を開けるとそこには魚がいなかった。
俺の目の前には絶句するゴマモンの姿があった。
「貴様・・・貴様ぁ！！」
ゴマモンは大声上げてゴブリモンに突っ込む。
いやいや・・・やったの貴方なんですが・・・
まあ俺のこと思ってくれているんだろうな・・・
「シャープエッジ！」
ゴマモンはゴブリモンを何回も切り裂く。
ゴブリモンは声にならない悲鳴を上げた。
「・・・ゴブリラッシュ！」
ゴブリモンも黙ってはいない。
むちゃくちゃに棍棒を振り回し始めた。
ゴマモンは棍棒にあたり吹き飛ぶ。
あ・・・俺の方に飛ばされている。受け止めてあげよう。
それが俺が出来る唯一の事だ。
「・・・・」
俺は無言のまま立ち上がる。イタタタ・・・体弱いな・・・俺。
運動しなきゃ・・・
そんなこんなで立ち上がるとゴマモンが目の前に来ていた。
「・・・ッカ・・・」
俺は何とかゴマモンを受け止める。
ゴマモン・・・お前こんなに重かったか？
俺は倒れる。結局また倒れちまった。
ゴマモンが立ち上がり、戦闘態勢に入る。
「いけえ！！」
俺は思わず叫んでしまった。
こんなに熱くなったのは何年ぶりか・・・
ゴマモンはそれに答えるように魚を呼び出した。
「マーチングフィッシーズ！」
魚がゴブリモンを襲う。
「ゴブリストライク！」
ゴブリモンも火の玉を投げ、襲い掛かってくる魚を打ち落とす。
「シャープエッジ！」
その隙を突いてゴマモンがゴブリモンの体を切り裂く。
ゴブリモンも二度目は耐えられずにデータへと帰った。
・・・勝ったのか？俺たちは・・・