ひさらのきまぐれ。

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三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」(三菱一号館美術館)

2009年09月20日 | 展覧会(美術館・博物館)
東京駅前丸の内に、三菱一号館が復元再建されました。
明治初期、日本における西洋風ビル建築技術の最先端を行く建物でした。
建築家の名前はジョサイア・コンドル。知らぬものとてない、日本における西洋建築の父です。
彼の建築物を中心として丸の内には次々と赤レンガを使用した西洋風建物が林立。その光景はまるで金融、経済の中心地ロンドンのよう。(実際ロンドンの街並みを意識して作られた)いつしか「一丁倫敦」と称されるようになっていきました。

そんな近代日本の出発地ともいうべき「三菱一号館」。これを、当時の建材、当時の技法、当時の造形にこだわって復元したのが今回の建物、なのだそうです。
リフォームではなく、そこに既に失われてしまっていたものを完全再建。事前の図面の調査、当時の建築技術の再現、そして原材料の選定。当時作られたレンガの製法から研究をスタートさせて、実際に焼き(於中国)、それらを現代的基準に合致した耐震構造体として積み上げる。その一連の工程を展示したのが今回の展覧会の中心です。



→「一丁倫敦と丸の内スタイル展」

建築家ジョサイア・コンドルと赤煉瓦街、一丁倫敦の誕生した歴史的背景、三菱一号館再建の意義、となかなか(私個人的には)興味深い内容がぎっしり。

展示自体はとてもスタイリッシュで、おしゃれです。
ところが、これ一つ一つキャプションを読み始めると、とっても専門的で細かい!
いわゆる展示品というのはほとんどないわけです。写真か、図面くらいしか。写真パネルに引き伸ばすにしろ、なんにせよ、まぁ「文字だらけ」なわけで。「立体的な本」を読んでいる感じです。

ふと、今回のキャプションはどういう人を対象に書かれてるのかと、考えてしまいました。とても詳細な報告になっていましたが、逆に一般のふらりと立ち寄った(一応有料ですが)観光客だと、全部は見てられないんじゃないかなぁ、疲れちゃって。
何せ、一つもルビ(漢字の振り仮名)がないのです。
私自身は「極力ルビなし」を推奨してる方ですが、それでもここまでルビがない展示も最近珍しいかも。
内容からして、それだけ平易な言葉づかいをしている、というのでもないでしょうに。
うむ。
私は決して嫌いじゃないですが、まぁ、一般受けはしない展示の典型かもしれません。
ぱっと見はおしゃれなのに…。

後半の展示、「丸の内スタイル」についてはこれこそイメージ展示なので、バランスが取れているのかもしれません。

今後、ここまで専門的に深くせず、でもしっかりその技術的なところなんかは紹介していくちょっとした展示スペースを設けていけば、何かしらの発信になるのかもしれません。

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