ひさらのきまぐれ。

多趣味だけどどこかぼんやりな私(ひさら)の気まぐれブログ。
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「写楽 幻の肉筆画」(江戸東京博物館)

2009年09月13日 | 展覧会(美術館・博物館)
ギリシャで見つかった写楽の肉筆画が初めて里帰りするというので、江戸東京博で見てきました。展示期間滑り込みセーフって感じですか((^^;;
→「写楽 幻の肉筆画」公式HP


今でこそ写楽や北斎など版画原画家たちは超一流の美術家だと評価されていますが、それこそ彼らが生きていた時代にはとんでもない話だったわけで。
版画原画家ではなく、肉筆画家に「ステップアップしたい」というのが彼らの共通の希望だったようです。
今回調査が行われた結果判明した写楽の肉筆画も、版画絵師としての活躍期より後の作品ということで、より一層その作風と筆致などが研究者たちにとって格好のネタになっているというわけですね。

いや、ほんと。珍しいものを見ました。
今回は扇絵ということでしたが、この先どこかまだまだ未探査のところから掛け軸だの屏風だのも出てきたりするんでしょうかね。
扇子や団扇はあっても、軸や屏風となるとさらにランク上だろうしなぁ。
肉筆画には肉筆画のランキングがあるようですから。

こういうのは実際に歌舞伎の家には残ってないんですかねぇ。
役者絵の描かれる背景がよくわかってないんですが。
御用絵師の作品なんかはお抱えの家、および関係の人々に伝播して残されてきている(勿論売り買いされているけれども)わけですよね。
団十郎家で使われていた二曲一双の屏風が実は写楽、なんていうことにはならないんだろうかなあ…。

などなど。
素人なりに興味を掻き立てられた作品でした。

個人的には摺物や絵本に興味が(どうしても本という形態、文字情報があるものに注意が向くらしい…)あったのでそちらも色々と楽しみました。
絵本類を切り離して保存しているのが多いという話は、当時のいわゆる”外国人たち”の「美術品としての楽しみ方」のまさに実例。大変おもしろく聞きました。

後日江戸博で開催予定の近代版画も気になっている私でした。
川瀬巴水の風景版画が好きなので♪

そして。
東京国立博で開催されていた「染付」の展示を見損ねたことに気づき、なんだかびっくりするほど忙しかった8月を思い出したのでした。
気がついたら8月終わってたし。うううむ。

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2 コメント

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ギリシャに写楽の絵がねえ (八倉治療院)
2009-09-15 07:44:52
 終戦後、海外に浮世絵なのど日本の文化財が流出されたことは、昔から話題になっていましたが、具体的にギリシャに写楽の肉筆がある。なんて知ると、何かとても不思議な気がします。それにしても、写楽や北斎などが、、異文化の人たちの手によって大切に後世に残ったというのは、それはそれで素晴らしいことだと思います。僕は前に熱海のMOA美術館で東海道五十三次を観たことがありますが、やっぱりすごいなあという印象が残っています。それにしてもひさらさんの趣味は広いですね。
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東海道 (ひさら)
2009-09-18 01:33:30
八倉治療院さん、コメントありがとうございます。
「東海道五十三次」は、とても人気ですよね。
以前、作品を見ていた男性(小学生の子供を連れたお父さん風)が、「あ!永谷園だ!」と言っていたのを覚えています。当時は意味が分からず随分悩みました(笑 
永谷園の影響かどうかはわかりませんが、ある程度の年齢の人にはとても親しみのある作品群のようでした。
興味を持つ入口ってどこにあるかわからないものですね(笑
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