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Waterfalls Blog

The Blog of "Waterfalls: Taka's Hemisphere"

ブライアン・ウィルソン / スマイル

2005-02-27 | Disc Review
1967年、ビーチ・ボーイズの歴史的傑作『ペット・サウンズ』リリース後に、この『スマイル』は発表が予定されていた。しかし、未完成のままお蔵入りとなり、以降、ポップ・ミュージック史上、最高最後の未完成作品として伝説となっていました。しかし、この度、37年の歳月を経て、遂に奇跡的に幻の名盤『スマイル』は完成した。その事実だけでも、興味を惹くには十分ですが、ビーチ・ボーイズ関連はベスト盤程度の興味しかない自分にとっては、正直、このアルバムに対して、ファンやマニア程の深い思い入れはありませんでした。しかし、99年以降、ずっとブライアン・ウィルソンをバックアップし続けているバンドの一員でもある、ワンダーミンツの大ファンである自分にとっては、当時はお世辞と思っていたワンダーミンツの97年のデビュー作に寄せたブライアン・ウィルソンの「もし67年にワンダーミンツがいたなら、僕は『スマイル』を発表したのにな」というコメントの通り、今回、ワンダーミンツのダリアン・サハナジャを中心としたサポートの元、遂に『スマイル』が発表された、という点で、非常に感動的で感慨深いものがあります。

さて、その『スマイル』完成版ですが、1967年にビートルズが発表したロック・ミュージックの金字塔と称されるアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に匹敵する傑作アルバムに仕上がっており、しかも60年代という時代の雰囲気を残しつつも全く古臭くないというか、 むしろ今聴いても斬新なアレンジと、その言いようのない美しさに、本当に感銘を受けました。ポップ・ミュージックのファンは、是非とも聴いて欲しい一枚です。
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ブルース・ホーンズビー / ハルシオン・デイズ

2004-11-22 | Disc Review
この度、デビュー以来ずっと所属していたRCAレコードからアメリカ・コロンビア・レコード(ソニー・レコード)に移籍し、その第一弾アルバムとして、ブルース・ホーンズビーは、この新作『ハルシオン・デイズ』を発表しました。1986年に全米No.1を獲得した「The Way It Is」をリアルタイムで聴いて以来、ずっとブルース・ホーンズビーの音楽に魅了されてきた私にとって、この移籍は、一抹の寂しさを感じさせるものではありましたが、この新作『ハルシオン・デイズ』は、そんな気分も吹き飛ばすような、軽快なピアノの調べが印象的な作品に仕上がっており、正に心機一転、再出発の作品となっています。しかも、その新たな門出を祝うかのように、スティング、エルトン・ジョン、エリック・クラプトンといった豪華ゲストも参加、作品に花を添えていますし、収録曲のクオリティも高く、とても素晴らしい作品となっています。

とにかく話題性だけでなく、作品のクオリティの高さからも、このアルバム『ハルシオン・デイズ』は、往年のファンは勿論のこと、ピアノ・ロックが好きな方にも是非是非聴いていただきたいです。

ということで、まだ聴いたことがないという方が居られましたら、まずは下記オトフレームより、是非とも試聴してみてください。


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リチャード・マークス / マイ・オウン・ベスト・エネミー

2004-11-14 | Disc Review
2004年8月4日、リチャード・マークスは、待望の新作『マイ・オウン・ベスト・エネミー』を日本先行で発売しました。しかも、今回は、最初の2枚のアルバムをリリースした古巣のEMIマンハッタン・レコードからの発売ということで、デビュー時からのファンとしては、感慨深いものがあります。実際、リチャード・マークスも、今度のアルバムはR&Bやカントリーの影響が反映されていたここ何年かのアルバムとは異なり、デビュー当時のようなギター・ロック路線に回帰した作品となると、昨年辺りから公式サイト等で仄めかしていたので、期待は否応なしに高まっていました。そして、先行シングル「ホエン・ユー・アー・ゴーン」を公式サイト上で先行試聴した時、バラードではなくギター・ロック・ソングだったことから、期待は更に高まりました。

そんな期待を胸に聴いたこの新作『マイ・オウン・ベスト・エネミー』ですが、確かに1曲目から期待通りのギター・ロックな展開で、とても聴き応えのあるアルバムに仕上がっていました。しかし、今までのアルバムと異なり、ヒット・ポテンシャルの高いキラー・バラードが「レディ・トゥ・フライ」くらいしか見当たらないので、ファン以外には受けは良くないかもしれません。でも、総じてミディアム・テンポなギターサウンド中心と言う感じで、非常に聴き易く味わい深いアルバムに仕上がっているので、何度もリピートしたくなるアルバムだと思います。

ということで、往年のファンは勿論のこと、ギター・ロックが好きな方にもお薦めしたい1枚です。
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キーン / ホープス・アンド・フィアーズ

2004-09-12 | Disc Review
UKアルバム・チャートで初登場1位&2週連続1位、通算では4週1位を獲得しているイギリス、サセックス出身の新人バンド、キーンの衝撃のデビュー・アルバム『ホープス・アンド・フィアーズ』を、今回、定期的に更新している英語版のみのコーナー「Album of the Month」だけでなく、この「Waterfalls Blog」でも取り上げたいと思います。

キーンは、トム・チャップリン(ヴォーカル)、ティム・ライス・オクスリー(ピアノ)、リチャード・ヒューズ(ドラム)から成るギターレス・バンドで、BBCが選ぶ2004年ベスト・ニュー・カマーで1位になった、イギリス中が今年最も期待しているバンド、と謳われていますが、実際、私も初めてアルバム収録曲を全て試聴する機会を得た時、その宣伝文句の通りの‘心臓が止まるほどに美しいメロディ’に、一瞬で耳を奪われました。因みに、キーンのサウンドは、英国らしい叙情派のサウンドだけに、英国叙情派ギターロックの最高峰であるコールドプレイと比較されることも多いようですが、私個人的には、キーンのサウンドは、コールドプレイとエア・サプライをバランスよく混ぜたような感じに思えます。

とにかく、王道のメロディを堂々とヴォーカル、ピアノ、ドラムというシンプルな構成で、しかもギターレスで奏でるキーンは、昨今の音楽シーンでは希有な存在と言えますし、その美旋律は、まさに聴く者の耳に優しく、そしてダイナミックに響きますので、一度は是非とも彼等の音楽に触れてみて下さい。
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マルーン5 / ソングス・アバウト・ジェーン

2004-08-05 | Disc Review
LA出身の5人組、マルーン5が本国アメリカで新興レーベルOctone Recordsからこのアルバム『ソングス・アバウト・ジェーン』でデビューしたのは2002年6月とのことなのですが、私もその存在を知ったのは今年に入ってからでした。きっかけは彼らの大ヒット曲「ディス・ラヴ」をテレビの音楽番組で聴いたことだったのですが、その後、レコード店頭の試聴コーナーにて他のアルバム収録曲も試聴する機会を得て、他の曲のクオリティも非常に高いことを知り、即購入に至りました。実際、「ディス・ラヴ」に似た楽曲が並んでる訳ではなく、他の曲はまたそれぞれタイプが異なるのですが、そのいずれも古き良きロックと濃厚なグルーヴを持ち合わせた、どこかレトロで非常に心地良いメロディアスな楽曲となっているので、『ソングス・アバウト・ジェーン』はまさに名盤と呼ぶに相応しいアルバムと言えると思います。そして、このアルバムが、徐々にチャートを上昇し、リリースから2年近く経た今年の3月に遂にトップ10入りし、最高位7位を記録、現在も全米トップ40内にランキングされているという事実と、米では既に200万枚、全世界では300万枚、そして日本でも既に8万5千枚のセールスを記録しているという事実からも、いかにこのアルバムが聴く者を惹きつけて止まないかわかりますし、実際、その驚異的なロングセラーは、近年稀にみる出来事だと思います。

因みに、定期的に更新している英語版のみのコーナー「Album of the Month」では、存在を知ったのが遅かったこともあり、取り上げられなかったのですが、この「Waterfalls Blog」の新規開設を機会に、この度、取り上げさせていただきました。もしまだマルーン5を聴いたことがないという方が居られましたら、是非ともチェックしてみてください。丁度、7月21日には『ソングス・アバウト・ジェーン Special Edition』というリパッケージ盤も新たにリリースされてますので、そちらもお薦めです。また、彼らのライブの実力がわかるライブEP『1.22.03.ACOUSTIC』も、輸入盤では既に発売中ですが、日本盤も9月22日に発売予定とのことですし、実際に初の来日公演も9月29日東京、9月30日名古屋、10月1日大阪で行われますので、興味のある方は、是非ともライブもチェックしてみてください。

注)第47回グラミー賞授賞式が2005年2月13日、ロサンゼルスで行われ、主要5部門の1つであるBEST NEW ARTIST(最優秀新人賞)にマルーン5が選ばれました。彼らのデビューは正式には、2002年なので、グラミー賞史上、この新人賞の受賞は、かなり珍しい例といえるとのことです。

■第47回グラミー賞の受賞結果は、こちらを参照ください。
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