ストックホルム国際平和研究所の発表によると、2009年度世界の軍事支出は、
前年比実質6%増の約1兆5310億ドル(約140兆円)に達するということです。
2000年比で49%も増えています。最大の支出国はアメリカで、6610億ドル。
11年度予算ではアフガニスタン戦費の増大で7000億ドルを突破しています。
しかし、金融危機、財政悪化の中で、軍事費の削減が進められようとしていま
す。イギリスが2014年までに25%、フランスは今年度15%、イタリアは10%、スペ
インが9%などの削減計画を示し、ドイツは今後5年間で日本円にして1兆円以上
の削減を検討しています。さらにフランスは今後3年間で5万人、ドイツは4万人
の兵力削減を発表しています。世界の軍事費の43%を占めるアメリカでさえ、今
後5年間で1000億ドル(9兆円弱)の「節約」を表明しています。さらに米議会
は政府に対し、今後10年間で1兆ドル規模の削減を目指すよう提言しています。
一方日本では、軍事費の具体的な削減方針は出されてはいないようです。毎年
5兆円近い防衛省予算を計上していますが、10年度の支出内訳は、人件・食料費
が2兆850億円(43.5%)歳出化経費(兵器費用)が1兆5750億円(35%)、一般
物件費(自衛隊の活動費)が1兆305億円(21.5%)となっています。
政府内でも、半分近くを占める人件費の削減が「隊員の階級・年齢構成のあり方」
「部隊等の効率化・合理化」等の中で進められているようです。
歳出化経費は、兵器のハイテク化や大型化の中で、増大傾向にあり、軍事費の硬
直化の原因ともなっています。最近では「ヘリ空母」や海外派兵型装備の調達も
増えており、財務省でも「もっぱら海外活動を目的とした装備品や部隊の更なる
拡充は非効率」と、海外派兵のための高額兵器購入の抑制を示唆しています。
自衛隊の活動費の約4割(4000億円)が在日米軍関係費(思いやり予算、米軍再編
経費、等)に使われています。これは世界中に展開している米軍に対し各国が負
担する費用の半分にもなる、異常な状態です。もともと払う必要のない米兵住宅
の水道光熱費や、米軍で働く日本人従業員の給料や、米兵の遊びで走る高速道路
代や、ゴルフ場等の娯楽施設等々の費用を、なぜ税金で払わなければならないのか、
日本は独立国?
中国や北朝鮮の脅威に対し、日米安保は必要で、軍事費が膨らむのは当然、との意
見もあります。防衛省の資料で、中国の軍事費は21年連続(1988~2009年)10%以
上の伸びを示しており、この期間22倍に膨れあがったとしていますが、一方で「国
家財政支出の伸びに比べれば国防費の増大は抑制されたもの」とも述べています。
中国と日本は「戦略的互恵関係」をうたい、両政府間の意思疎通と連携、経済・貿
易協力などの強化を進めています。米中も同様な関係を結んでおり、こうした国同
士が戦争を起こすことは現実的には不可能です。世界は軍事一辺倒から外交努力で
平和を維持する方向に進んでいます。北朝鮮との関係も原則的には同じ立場で臨む
べきで、軍備強化で相手を威圧することで屈服させる、というやり方では、何も進
まなかったという歴史を学ぶべきでしょう。
前年比実質6%増の約1兆5310億ドル(約140兆円)に達するということです。
2000年比で49%も増えています。最大の支出国はアメリカで、6610億ドル。
11年度予算ではアフガニスタン戦費の増大で7000億ドルを突破しています。
しかし、金融危機、財政悪化の中で、軍事費の削減が進められようとしていま
す。イギリスが2014年までに25%、フランスは今年度15%、イタリアは10%、スペ
インが9%などの削減計画を示し、ドイツは今後5年間で日本円にして1兆円以上
の削減を検討しています。さらにフランスは今後3年間で5万人、ドイツは4万人
の兵力削減を発表しています。世界の軍事費の43%を占めるアメリカでさえ、今
後5年間で1000億ドル(9兆円弱)の「節約」を表明しています。さらに米議会
は政府に対し、今後10年間で1兆ドル規模の削減を目指すよう提言しています。
一方日本では、軍事費の具体的な削減方針は出されてはいないようです。毎年
5兆円近い防衛省予算を計上していますが、10年度の支出内訳は、人件・食料費
が2兆850億円(43.5%)歳出化経費(兵器費用)が1兆5750億円(35%)、一般
物件費(自衛隊の活動費)が1兆305億円(21.5%)となっています。
政府内でも、半分近くを占める人件費の削減が「隊員の階級・年齢構成のあり方」
「部隊等の効率化・合理化」等の中で進められているようです。
歳出化経費は、兵器のハイテク化や大型化の中で、増大傾向にあり、軍事費の硬
直化の原因ともなっています。最近では「ヘリ空母」や海外派兵型装備の調達も
増えており、財務省でも「もっぱら海外活動を目的とした装備品や部隊の更なる
拡充は非効率」と、海外派兵のための高額兵器購入の抑制を示唆しています。
自衛隊の活動費の約4割(4000億円)が在日米軍関係費(思いやり予算、米軍再編
経費、等)に使われています。これは世界中に展開している米軍に対し各国が負
担する費用の半分にもなる、異常な状態です。もともと払う必要のない米兵住宅
の水道光熱費や、米軍で働く日本人従業員の給料や、米兵の遊びで走る高速道路
代や、ゴルフ場等の娯楽施設等々の費用を、なぜ税金で払わなければならないのか、
日本は独立国?
中国や北朝鮮の脅威に対し、日米安保は必要で、軍事費が膨らむのは当然、との意
見もあります。防衛省の資料で、中国の軍事費は21年連続(1988~2009年)10%以
上の伸びを示しており、この期間22倍に膨れあがったとしていますが、一方で「国
家財政支出の伸びに比べれば国防費の増大は抑制されたもの」とも述べています。
中国と日本は「戦略的互恵関係」をうたい、両政府間の意思疎通と連携、経済・貿
易協力などの強化を進めています。米中も同様な関係を結んでおり、こうした国同
士が戦争を起こすことは現実的には不可能です。世界は軍事一辺倒から外交努力で
平和を維持する方向に進んでいます。北朝鮮との関係も原則的には同じ立場で臨む
べきで、軍備強化で相手を威圧することで屈服させる、というやり方では、何も進
まなかったという歴史を学ぶべきでしょう。