ドイツで子育てできるかな

2014年1月よりドイツ・フランクフルトにて海外生活がスタートしました。当地で生まれた娘・点子の記録を中心に。

出産病院見学会

2014-03-22 03:14:50 | 妊娠生活
ドイツでは検診を受ける産婦人科と出産をする病院は完全に別もの。
かかりつけ医と手術を受ける病院の違いといったところでしょうか。
なので、一般的に出産する病院を複数見学して、自分がどこで産むかを決定します。
言葉ができれば選択肢もあるんですが、残念ながら日本語通訳さんが入れる病院は「ビュルガーホスピタル(Buergerhospital)」一択。
なので、見学といっても選択のための見学ではなく、自分が実際に産む際のシミュレーションのための見学という感じでした。
それはそれで重要なんですけどね。何せ初めての経験、全くイメージが湧かないものですから。

今回の見学会参加者は計5名。内、夫同伴が2名(我が家含む)。全員日本人です。
集合した後、セミナールームのような場所で医師+助産師さんからビュルガーホスピタルの概要及びお産の進行についての説明を受けました(通訳さん付き)。
その後、「分娩室」「分娩待機室」「入院室」「食堂」「授乳室」を見学。
分娩室とはそのままでいざ分娩という時にいきむためのお部屋。個室です。
分娩待機室は、子宮口が開いて来ているけどまだまだかかりそうという時に、横になるためのベッドがあるお部屋。夫も一緒に寝られるようダブルベッドになっています。
入院室は二人部屋と個室があり、出産後に入院するためのお部屋。ちなみにこちらでは入院日数は大体3日程度。完全母子同室です。未熟児とかでない限り、新生児室は利用しません。
授乳室は、赤ちゃんを授乳させる際に色々アドバイスを受けられるよう助産師さんが待機しているお部屋。他の方の授乳の様子なども分かります。
外観は古いビュルガーホスピタルですが、内装は改装したてで至ってキレイ。見学会に参加して、「よし、ここで産むんだな!」とどちらかといえば前向きな気持ちになれました。
人間全く分からない状態に置かれるのが一番不安ですからね。「その日」の形がはっきりしてきたってのが何よりの収穫。


36週 臨月突入!

2014-03-22 02:46:32 | 妊娠生活
とうとう日本式で36週(ドイツ式で37週)に突入。臨月となりました。
赤ちゃんは順調に育っており、今現在2730gとのこと(妙に細かい数値)。
これからいつ生まれてもおかしくない・・・という割には何か変化が起きている訳ではなく、非妊娠時と比べて何が違うかといえばお腹が重くて腰がちょっと痛いぐらい。
私自身の体重は妊娠前+3kgと「あれ?」っていうぐらいに増えていないんですが、赤ちゃんがすくすく大きく育ってるなら多分問題はないのでしょう。
定期検診では「赤ちゃんが下がって来て子宮口に赤ちゃんの頭がすっぽりはまってる状態」と言われてはいるものの、胃への圧迫はまだ感じていて、食欲は少なめ。
これはまだまだ生まれないよってことなんでしょうか。

懸念事項は、ヘモグロビン値が10を切ってしまったっていう点。
次の検診では鉄剤の処方貰って来よう・・・。
聞いてはいたけど、ドイツでは基本自分から愁訴をアピールしていかないと薬が処方されません(日本もか?)。
ただ他の妊婦さんは、何かちょっと訴えるとすぐに「じゃ薬出します」ってなるって、不満を言っていました。
何を言っても薬が出ないのと何を言っても薬が出るのと、どっちに不満を感じるのかは妊婦次第だろうから単純にいい悪いの問題ではありませんが。
保健で薬代も全額カバーなので薬が出ても私個人は別にいいじゃんという気もしますけどね。

ドイツ出産事情覚書

2014-03-06 22:53:57 | 妊娠生活
※※医療についてはなんら専門的知識を有しない人間が狭い見識で調べた範囲での覚書※※

■まずは数字的な話
日本の周産期医療は壊滅寸前であると叫ばれて久しいですが、関係者の驚異的な努力の結果か?妊産婦死亡率(妊娠・出産で妊婦が死亡する確率)や新生児・乳児の死亡率は世界で最も低い水準に抑えられているようです。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1120-11n_0002.pdf(妊産婦死亡率)
http://memorva.jp/ranking/unfpa/who_2012_neonatal_infant_mortality_rate.php(新生児・乳児死亡率及び死産率)

つまり、日本国外で出産するということは多くの場合において自動的にリスクが上がることを意味します。
私が今いるドイツでは、前出の図表においての妊産婦死亡率は「5.2」。一方日本は「4.9」・日本よりもドイツで出産する方がリスクが上がります。といってもこれぐらいの低水準となると誤差の範囲という気はしますが、「ドイツの方が医療水準が高い」ということはないことだけは確かです。

■ドイツの出産前
ドイツにおける出産事情は日本とは大きく異なり、
・妊娠の可能性あり … 街の産婦人科へ
・定期健診 … 街の産婦人科へ
・分娩 … 総合病院へ
と、健診と分娩は別の場所でとり行われます。日本では上記は全部同じ場所です(里帰り出産となると別ですが)。
MFICUやNICUの設備を持っていない病院では、いざ緊急事態となれば受け入れ先を探して搬送、でも搬送先が見つからない場合も…という日本の現状を考えると、設備が整った病院でしか分娩は行わないとした方が、合理的な気はしますね。
といっても、先ほどの数字に表れる母子死亡率から行くと、日本の方が良い結果が出ています。日本式の方が合理的なんじゃ?と一瞬首を捻ってしまいますが、産婦人科医のなり手が少なくMFICU・NICUの閉鎖が相次いでいる(例えば私が以前住んでいた人口34万人の地方都市では市内からそれらがある病院がなくなりました。https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/kenko/kosodate/shussan/boshi19/index.html)現状を考えると、今後これ以上数字はよくなる可能性は低いのかなと思うのですが、どうなのでしょう。

さて、当地のように健診と出産が異なる場合、データの引き継ぎはどうしてるのかと思いますが、これが意外。母子手帳一冊で完結しています。ちなみに日本でいう所の「母子手帳」はドイツ語で「Mutter Pass」。「母親手帳」です。子供が生まれると、また別の手帳が発行されます。

産婦人科における健診の流れは日本と大差なく、妊娠後期ですと尿検査、採血、体重測定、赤ちゃんの心拍及び母親のお腹の張り、内診、エコー(2D/3D)が行われます。
いざ陣痛という時まで、街のかかりつけ産婦人科へ通います。この産婦人科は、日本同様自分に合う所を自由に選びます。私の場合は、日本語通訳さんがいるところに限定されるので一択でしたが。

■ドイツの分娩
分娩を行う病院はどうやって決めるのか。通常は、分娩を行う病院が開催している見学会に参加し、臨月になってからその中で気に入った病院に予約を入れます。現居住地のフランクフルトは大都市ですので、分娩を扱う病院が7~8か所はあるのかな? 結構選択肢があります。ただ、私の場合はこれまた日本語通訳さんがいるところに限定されるので、選択の余地はないのですが。うう。
しかし、見学・予約は行わなず無予約でも分娩は受け付けて貰えます。
分娩時の平均的な入院日数は、普通分娩の場合ドイツにおいては3日程度です。日本では一般的に5日ぐらいと言われているそうで、ドイツの方が短いのは間違いないよう。これについては、ドイツで出産を経験した人いわく「3日しかいちゃいけないんじゃなくて、3日もしたら出たくてたまらなくなるのが真相」。食事不味い! 居心地良くない! 出たい!ということらしい。
ちなみに、「自然っぽいもの=良いもの」的なドイツでは、カンガルーケア(新生児を母親に抱かせる)や母子同室が一般的です。希望すれば無痛分娩を行う設備は整っていますが、利用率はあまり高くないとか。

■ドイツの出産後
出産後について特筆すべきは、助産師訪問制度についてでしょう。
ドイツでは保険の範囲内で、退院した翌日から助産師さんが毎日家に来てくれます。母体の様子をチェックしたり、赤ちゃんの体重を測ったり、赤ちゃんについて気になることの相談に乗ってもらったりするようです。母親が孤立しないという意味でも良い制度なんじゃないでしょうか。タダだし。
ただドイツの助産師さんは、医療否定とまではいきませんが代替医療的なものへの親和性が高いようで、私が参加した助産師さんによる両親学級では、ホメオパシーの説明を受けました(ホメオパシーの説明はwikiに詳しいのでこちらで→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC)。
なお、日本では産褥期の妊婦は寝ていることが推奨されるようですし、新生児は外に出さないように言われるようですが、ドイツでは歩けるようになったら新生児を連れて積極的に外に出るように推奨されるようです。
ところ変われば常識も変わるんだなーと、出産一つとっても実感する毎日です。