

豊島将之叡王 vs 藤井聡太二冠
叡王戦第3局から
叡王戦第1局で勝利した時、これで藤井二冠は豊島叡王への苦手意識を克服したのでは(?)、と思った。
しかし、第2局では藤井2冠の巧みな攻めに劣勢を強いられた豊島叡王が、思いもよらない勝負手(歩の前に銀を打つ)を放って逆転勝利を収めた。素人目には藤井ワールドの収束を見るだけに思えたから衝撃的だった。
こんな負け方をすると豊島叡王に対する藤井二冠の苦手意識はまたぶり返すのでは(?)と考えたほどである。

だが、先日の竜王戦で八代七段と準決勝を戦った藤井二冠は、完璧な差し回しを見せて後手玉を寄せ切ってしまった。先手番藤井二冠の鋭い攻めに後手の穴熊はまたたくうちに崩壊して玉を追い出され、後手の八代七段は飛車を使っての形作りさえ間に合わない将棋となった。敗れた八代七段にも疑問手はほとんどなかったという。
藤井二冠はいつも我々に思わぬ局面を作り出して見せてくれる。相手が強ければ強いほどそれは不思議さを漂わせてくる。
叡王戦の第3局もこれまでに見たこともない局面が現れるに至った。
豊島叡王の8六歩、8五歩の突き捨てを逆用し、藤井二冠は中空要塞を作って敵陣とにらみ合い戦いを続けたからである。
飛車の活躍を封じられた豊島叡王は手持ちの角を使って敵陣深くに切り込むしか手がなかった。
実際、それは実現するのだが、藤井二冠が前線に作った空中要塞に阻まれ飛車との共闘は実現しない。結局、豊島叡王は絶えず持ち駒不足に泣く戦いを強いられ、せっかく取った駒も受けで使わされ、最後は攻めも切れて力尽きた。
藤井二冠は自分のほしい駒は上手く手に入れるし、不要な駒は与えても自分の追い込まれる駒は与えない。
相手の勝ちパターンを巧みに避ける藤井二冠の強さはじつに奥が深い。
<script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?cb=googleTranslateElementInit"></script>
google-site-verification: google3493cdb2db9