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雨の記号(rain symbol)

藤井聡太二冠 vs 豊島将之叡王

 


藤井聡太二冠 vs 豊島将之叡王



叡王戦 第五局(最終局)から



 叡王戦は先手番がすべて勝って2勝2敗で最終の第五局に持ち込まれた。
 どちらが先手番を握るか注目されたが、振りごまの結果、先手番は藤井二冠となった。


 藤井二冠の先手番に決まった瞬間、藤井時代の幕開けになった気がしたのは自分だけだったろうか…?
 藤井二冠が第五局を制してから口にするのも何だが、後手番で勝って藤井時代に力強く踏み出してほしかったようにも思う。


 藤井二冠の将棋を”ジェット機”になぞらえた棋士もおられた。どういうことか(?)と最初は分からなかった。だが、最短距離の勝利を目指す藤井二冠のスピーディーな将棋スタイルを追ううち、相手棋士にとってそれが物凄く脅威なのが理解できるようになった。


 藤井二冠は勝った時に毎回凄い手を見せてくれる。負けた時はそれが裏目に出た時もたまにはあったけれど…。
 この日は終盤の大詰めで藤井二冠は思いもかけない勝負手を放った。
 9七桂だ。8九にいた桂馬など自分には視野に入ってても意識に動こうとする駒ではなかった。
 ABEMATVで対局を見ていたのだが、この手が指された瞬間、解説の高見七段と深浦九段はこんな手があったのか、と驚いていた。


 この後、ABEMATVの採用してるAIは藤井二冠の持っていた数値を急激に下げた。62%辺りでいったん止まった。
 まだ下がるかも知れないと見ていたら、藤井二冠の9七桂に意表をつかれた豊島叡王は受けて粘るより攻め合いに命運を託した。
 それは3六歩打ちだった。
 すると62%まで後退した藤井二冠の評価値は反転して上昇し一気に90%台に達してしまった。
 3六歩打ちは9七桂に焦らされてやむなく打った手だったのか? 受けていてももっと見込みがなくなるとばかり…。


 9七桂と打った局面、藤井二冠は”9七桂”と”5五角”のどっちにするかで迷ったという。
 藤井二冠にはまさに指運となるが、他の棋士にそれはない。高見七段も深浦九段も話の端に引っかけることもなかったから、他の多くのプロ棋士もアマチュア有段者も同様だった、と思われる。AIも有力な手にできなかったのだから、引っ張り出す引き出しは藤井二冠以外にはないのだから致し方ない。
 ”9七桂”と”5五角”を比較し、藤井二冠は指運で”9七桂”を選択したのだろうか…?
 そうではないと思う。
 ”5五角”が先に見え、この手は先が長い、もどかしい、他にないか、と考えているうち、8九の桂馬が見えた。
 この桂馬は動かずして受けには縁の下で働いてくれた…。9七に飛んで受けに働いてきそうなあの銀を何とかできれば…この手、”5五角”に見合う働きをしてくれるだろうか…。
 それを読む時間はない。
 ままよ、と藤井二冠は打った。傍目には指運かもしれないが、感性(センス)に信念をまつわらせた手が9七桂だったと僕は思う。


 藤井二冠が9七桂を指した直後、AIソフトを起動させて対局を見守っていた人たちのほとんど(8割以上)は”悪手認定”をしていたという。
 AIソフトに依存したこういう狂騒曲はなくなってほしいものである。


 自分は高見七段と深浦九段のやり取りを聞きながら、腕組みして(う〜ん)と感心しきりだった。
 藤井二冠に呼応した高見七段の読みの鋭さにも唸らされた。今後、高見七段も伸して来るのでは(?)との予感を覚えた次第だ。




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