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二人で酒を飲んだ時、同僚の中村が田中に訊ねた。
「お前は痩せた女がタイプなのか?」
「どうして?」
「この間、庶務の鈴橋をデートに誘って断られてたろう? その前に追いかけてた滝野も痩せぎすだった。」
「あのな」田中は同僚に言った。「俺がどんなタイプを好きになろうと、いくら振られようと、お前には関係ない。だろ? ほっといてくれ」
「ほっといてね――確かに俺はただの外野だ。しかし、お前しか眼中にない太目の女もいる」
「太目の女? 営業一課の藤井か?」
「ああ。彼女をどうするつもりだ。席は離れてるっていうのに、お前の机にコーヒー淹れてきたり、おやつ置いたりしてるのはみんな彼女だ。他にはいない。タイプとして受け付けないなら、はっきり(ノー)を突きつけてやったらどうだ。それが彼女のためだし、ひいてはお前のためだろ」
田中は中村を見た。
「ひょっとして俺に焼きもち妬いてる?」
「俺が」中村は笑った。「冗談だろ」
「冗談? 真剣だよ。お前と違って内野の話だからな。この際だから言っておくが、俺は彼女に(ノー)を突きつけるつもりなんてまるでない。彼女のことを別に嫌いじゃないんだ。嫁さんにするなら今のところ彼女だと思ってるくらいさ。俺が最初に抱いたのはあの女だし、俺が好きだと行動で示してくれてるのは今のところ彼女だけだしね。しかし、結婚するかどうかは分からんよ。俺は気に入った女はどんどん誘うし、口説き落としていく主義だからね。俺が他のいい女をどんどん手に入れて、情勢が変われば彼女は俺を見向きも・・・いや、去ることになるかもしれない。実際、俺は男女に関係なく、来る者は拒まず去る者は追わない主義だ。今までそうしてきたし、これからもそのつもりでいる。その意味からいうと、俺のハーレムにはまだあいつ一人しかいないってことにもなるな。お前が彼女を好きなら別に奪い取ってもかまわんよ。出来るならの話だけどね。彼女の気持ちを縛り付けるつもりなんてさらさらないんだ。もっとも俺のハーレムったって、ここに入ってくるのは最終的に一人なんだけど、ともかく最後まで手を抜かないで頑張らないといい女は手に入らない――はっははは」

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