
藤井2冠 VS 豊島竜王(第41回将棋JT杯2回戦第3局)
仕事から帰宅してTVでこの将棋を鑑賞しだした。解説は松尾八段がやっておられる。塚田九段一家の塚田恵梨花女流とお母さん(上流棋士だった高群佐知子さん?)がダブル出演とか…これはまた華やかな布陣で鑑賞のし甲斐がある。
さて、藤井2冠の封じ手は?
―封じ手は7七桂です。
松尾八段の解説によるとこの手は6六角打ちを準備した手とのこと。後手番豊島竜王はすぐ6五に歩を伸ばす。この後、藤井2冠は2筋に歩を連打。2三に空間を作る。豊島竜王の3三桂は先手の攻め味を意に介さない強気の応手。
空腹のためしばし退座。食事中、妹からメールが来てやりとり。BTSの映画を見に行くとのこと。見に来てるファン層について連絡がほしいとメールして居間に戻る。
これは…!? 両者、我が道を行く激しい戦いになっている。
藤井2冠は駒損ながら敵玉に迫っている。だが、馬で3一の玉を直下に睨みつけているものの、銀と桂の持ち駒では後手玉に4一からスルスル逃げられてしまいそう。
果たしてその流れとなった。藤井2冠は2六歩と打って飛車に伺いを立てる。後手2四飛車と引く。先手5五桂馬と打って4三成りを見せる。後手4二銀打ちと受ける。先手逃げながら1一の香子を取る。狙いは2五香打ちだ。
後手はその狙いを放置、3七桂と打って金の両取りをかける。先手、玉に接近する金を4八に逃げる。2九の桂成りは遠いと見たか。後手、予定通り、桂で2九の金を取る。先手6三銀と6二の離れ金を狙っていく。
この辺、両者とも攻めの遅れは許されない。後手6一に歩を打って金に紐をつける。一進一退の攻防だ。それならばと先手2五香と飛車に必死をかける。
先手の2五香打ちが緩いと見て、後手3九飛車打ち。下段ががら空きで角と金を持たれている。先手ピンチか?
しかし、先手は6二銀成りと金をせしめる。
後手6九角打ちの王手。先手6八玉。後手6二同歩。先手2五香と進む。
クライマックスが近づいた。藤井2冠はとっかかりがない。6五銀とした後手の進撃は、希少価値の桂馬を手中にしながら、先手玉の上部脱出を阻んでいる。次の角切りで決着か!?
ここで先手は6一飛車打ちの王手。間駒するか逃げるかの打診をする。後手5二玉で逆に飛車取りをかける。
局後の感想で藤井2冠は間駒(金で)されるのを本線と見ていたらしい。5二玉で飛車取りをかけられ、さらに忙しくされたので、7一飛車と打った方が(間駒されて)よかったかもしれない、と話していた。桂を6三に成り捨てて玉を引っ張り出したのは、どうも本意でなく、流れ的にその手順を踏むしかなかったらしい。
ところが豊島竜王は6一に飛車を打たれた時、間駒した方が(途中、頓死筋の順も生じたし?)よかったかもしれない、と話していた。
あの局面、後手番だったなら藤井2冠も(省エネで)その順を選んだと思うが、全体的な将棋スタイルは、両者まるで違って感じられるから不思議である。
豊島竜王が押しながら両者は一歩も引かない強気の応酬を続けた。
そのため後手の豊島竜王がAIの評価値でリードしながら、合間合間の指し手でその針は藤井2冠にドーンと寄って上がったりもした。すなわち、藤井2冠にも十分の勝機のある応酬が続いたのだ。
先手が飛車の横筋を消す4九金打ち。後手6七桂成りと進んだ時、さすがにこれで先手負けか、と思ったが、そこは持ち時間の短い将棋。どっちに転ぶかまだまだ分からない将棋だったらしい。
玉をニュートラルのポジションに押し戻し、後手が先手の4九金を狙い、3七桂と打ち据えた場面が先手が逆転勝ちをする最後のチャンスだったらしい。
ここで後手が3七の桂を銀で取り、馬も引き戻して清算すれば、8五角打ちから7四間駒7五桂打ちと進み、以下、後手玉は即詰みとなったらしい。
大盤解説のステージでこの手順を解説したのは豊島竜王だった。藤井2冠は黙って豊島竜王の話を聞いていたが、当然、彼も気づいていた話なのだろう。
藤井2冠が豊島竜王の牙城を崩すのはいつの日なのか? 王将戦決勝リーグでの両者の対決がますます楽しみとなってきた。
仕事から帰宅してTVでこの将棋を鑑賞しだした。解説は松尾八段がやっておられる。塚田九段一家の塚田恵梨花女流とお母さん(上流棋士だった高群佐知子さん?)がダブル出演とか…これはまた華やかな布陣で鑑賞のし甲斐がある。
さて、藤井2冠の封じ手は?
―封じ手は7七桂です。
松尾八段の解説によるとこの手は6六角打ちを準備した手とのこと。後手番豊島竜王はすぐ6五に歩を伸ばす。この後、藤井2冠は2筋に歩を連打。2三に空間を作る。豊島竜王の3三桂は先手の攻め味を意に介さない強気の応手。
空腹のためしばし退座。食事中、妹からメールが来てやりとり。BTSの映画を見に行くとのこと。見に来てるファン層について連絡がほしいとメールして居間に戻る。
これは…!? 両者、我が道を行く激しい戦いになっている。
藤井2冠は駒損ながら敵玉に迫っている。だが、馬で3一の玉を直下に睨みつけているものの、銀と桂の持ち駒では後手玉に4一からスルスル逃げられてしまいそう。
果たしてその流れとなった。藤井2冠は2六歩と打って飛車に伺いを立てる。後手2四飛車と引く。先手5五桂馬と打って4三成りを見せる。後手4二銀打ちと受ける。先手逃げながら1一の香子を取る。狙いは2五香打ちだ。
後手はその狙いを放置、3七桂と打って金の両取りをかける。先手、玉に接近する金を4八に逃げる。2九の桂成りは遠いと見たか。後手、予定通り、桂で2九の金を取る。先手6三銀と6二の離れ金を狙っていく。
この辺、両者とも攻めの遅れは許されない。後手6一に歩を打って金に紐をつける。一進一退の攻防だ。それならばと先手2五香と飛車に必死をかける。
先手の2五香打ちが緩いと見て、後手3九飛車打ち。下段ががら空きで角と金を持たれている。先手ピンチか?
しかし、先手は6二銀成りと金をせしめる。
後手6九角打ちの王手。先手6八玉。後手6二同歩。先手2五香と進む。
クライマックスが近づいた。藤井2冠はとっかかりがない。6五銀とした後手の進撃は、希少価値の桂馬を手中にしながら、先手玉の上部脱出を阻んでいる。次の角切りで決着か!?
ここで先手は6一飛車打ちの王手。間駒するか逃げるかの打診をする。後手5二玉で逆に飛車取りをかける。
局後の感想で藤井2冠は間駒(金で)されるのを本線と見ていたらしい。5二玉で飛車取りをかけられ、さらに忙しくされたので、7一飛車と打った方が(間駒されて)よかったかもしれない、と話していた。桂を6三に成り捨てて玉を引っ張り出したのは、どうも本意でなく、流れ的にその手順を踏むしかなかったらしい。
ところが豊島竜王は6一に飛車を打たれた時、間駒した方が(途中、頓死筋の順も生じたし?)よかったかもしれない、と話していた。
あの局面、後手番だったなら藤井2冠も(省エネで)その順を選んだと思うが、全体的な将棋スタイルは、両者まるで違って感じられるから不思議である。
豊島竜王が押しながら両者は一歩も引かない強気の応酬を続けた。
そのため後手の豊島竜王がAIの評価値でリードしながら、合間合間の指し手でその針は藤井2冠にドーンと寄って上がったりもした。すなわち、藤井2冠にも十分の勝機のある応酬が続いたのだ。
先手が飛車の横筋を消す4九金打ち。後手6七桂成りと進んだ時、さすがにこれで先手負けか、と思ったが、そこは持ち時間の短い将棋。どっちに転ぶかまだまだ分からない将棋だったらしい。
玉をニュートラルのポジションに押し戻し、後手が先手の4九金を狙い、3七桂と打ち据えた場面が先手が逆転勝ちをする最後のチャンスだったらしい。
ここで後手が3七の桂を銀で取り、馬も引き戻して清算すれば、8五角打ちから7四間駒7五桂打ちと進み、以下、後手玉は即詰みとなったらしい。
大盤解説のステージでこの手順を解説したのは豊島竜王だった。藤井2冠は黙って豊島竜王の話を聞いていたが、当然、彼も気づいていた話なのだろう。
藤井2冠が豊島竜王の牙城を崩すのはいつの日なのか? 王将戦決勝リーグでの両者の対決がますます楽しみとなってきた。