雨の記号(rain symbol)

少年と大人の境目の性

性体験、男女差なくなる 「青少年の性行動」調査 「キス経験あり」 中高は女子が上 感染症など拡大懸念
2006年12月22日(金)17:10
 日本性教育協会が1974年から行っている「青少年の性行動」調査で、性体験に関する男女差がなくなっていることが分かった。女性の社会進出などに伴い、伝統的な男女観が揺らぐ一方で、性に関する知識不足もあらためて浮き彫りになり、妊娠や性感染症の拡大が懸念されている。・・・・・・ 


 セックス経験の調査では、大学生の場合、女子が十人に六人強でとうとう男子と並んだ。中高生では十人に三人強となって女子が男子を追い抜いたようである。
 この傾向は今後どうなるのであろう。この辺の数値を維持していくのか。それとも性の開放化が進むに伴い女子が男子に水を開けていく格好となるのか。
 性体験はどんどん低年齢化していく傾向にあるようだ。これは社会が豊かになり子供らの成長が早くなってきたこと、女性の社会進出が著しいものとなったことと密接に結びついている。男女の知り合う場や交際の場が圧倒的に広くなったことや性の開放化を受けて、性に関する情報(女子がコミック・雑誌、男子は雑誌やアダルトビデオ、インターネットに依存していることも判明)がごく日常的に溢れ出しているからである。
 自身の性が目覚めてくる以前に性の情報をいちはやく目や耳に収める時世を迎え、近頃の青少年たちは大変であろうと思われる。僕らが子供の頃はキスシーンの写真を見ただけで胸がどきどきしたものだが、今ちまたに氾濫しているものはそんなレベルのものじゃないからである。コミック、雑誌、アダルトビデオなどの中に収まっている情報は、男女の性について、人の脳内でイメージされた、虚、実、幻想、妄想、といった正確さを欠いた記述や映像なのである。しかしそれらは無知の者たちにとっては大いなる魅惑や刺激であり、やがて、肉体の自発的官能の目覚めに甘美な共鳴をもたらしていってしまうことになる。
 青少年たちのセックス観にいろいろの混乱が生じているらしいことは想像に難くない。
 今も「性行動の男性主導型は変わらない」という。しかし、だとしてもその中身はいろいろの要素で詰まっていよう。
 性行動の主導をなす男性だが、行動のベースとなっているのは雑誌やアダルトビデオである。その中身たるや凄いものである。それら雑誌やアダルトビデオの中では、美貌の女たちが一糸まとわぬ姿で煽情のポーズをとっている。ばかりか、男女の激しい絡みシーンまであっけらかんと演じている。 
 男たちが個人的な場所や時間でこれらをシャワーのごとく脳内に浴び、外へ出ると短いスカートや肌を精一杯むき出しにした女たちが街を闊歩し、ギュウギュウ詰めの電車の中では甘いコロンの匂いをふりまいているのである。
 性愛行動というのは決して片側の行動だけで成り立つものではない。性行動の主導は男でも、発火装置的な役割は女が果たすのかもしれない。
 今はその派手さによって、小さな枠内の世界(価値観)がより大きな世界に引きずられ、呑みこまれだしている。小さな世界が持ついいものも悪いものも一緒くたにである。もう少したてばそれらも篩にかかり、戻るべきものは元に戻り、より健全な姿をそこで見せてくれるのかもしれない。青少年の性もそうである。今は圧倒的に大人たちの猥雑な世界に巻き込まれているが、彼らとして本来あるべき姿はもう少し違ったところにあるのかもしれない。その道筋が見えてくれば、少年と大人の境目としての男女の性愛の形が作られてくるかもしれない。
 今はそこのところがトップスピードの濁流となってしまっている。性感染症や避妊対策の不十分さ、特に性に関する認識不足はそういう忙しさの中で抜け落ちてしまっているのだろう。
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