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摂津国老朗おじさんのスローな日々

関西の四季を楽しむ老朗おじさんがゆるゆると瞑想しながら、植物観察と徘徊のスローな日々を楽しんでいます。

秋篠寺の伎芸天を見た

2018年09月12日 | 関西の四季

台風21号が暴れまわった後やったけど…近鉄とバスを乗り継いで秋篠寺に行った。
行ってはじめて、ここが苔と伎芸天で知られた秋篠寺だったと思い出した。

 

国宝たる本堂の中には、有難い仏さまが大勢いらっしゃった。
ちなみに諸仏のおわす本堂の中は撮影禁止。
どの仏さまも間近に接すると有難さが感じられた。中でも、伎芸天はたいしたものやった。
 ← Google画像ライセンスではこれがネット上で再使用を許された唯一の画像!
伎芸天(リンクしているのは仏像ネットの伎芸天。)絵葉書も買ったし、ネットでもいろんな画像を見たけれど実際に見て、脳裏に焼き付けるのが一番やね。ちなみに弁天様と伎芸天が同じものだという説もあるらしい。仏像ネットによると違うんだけど。私の「記憶」では弁天様は才能豊かな大阪の姉ちゃんといった感じで、もっと近・現代に近く、人間臭い。
伎芸天の場合は少し違う。古代のミューズには目だけでなく心まで吸い寄せられるような若々しい魅力。これが1000年以上も前の天平時代の作だとは、ちょっと信じがたい思い。
古代は…現代には干からびてしまったものがみずみずしく躍動していたということなんかな。
さすが、堀辰雄が東洋のミューズと言っただけのことはある。
タンホイザーに出てくる清純な乙女エリザーベト(近寄りがたい)とも違うし、美と快楽の女神ヴェーヌス(ただれ爛れて溺れそう)とも違う。
我々、アジアの民草のもとへ降りてきて、美の世界へといざなう天女。
歌碑もあったらしいけど…早々と足が痛くなった骨折後の身の私は、次回来た時に歌碑を拝ませていただくことにして、先人の短歌や俳句を見ながら秋篠寺を後にした次第。
また、行って御目にかかりたい。



以下はお寺でもらったパンフレットに載っていたもの
伎芸天に宿るミューズが当時一流の歌人や俳人の感性を刺激して作った詩歌
良いものに接するとも良い詩歌ができる
どの唄にも感動してしまった。

一枚の障子明かりに伎芸天   汀子
行春の女身ゆたかに伎芸天  美穂女
東門は少し小さく萩も咲き   素十

諸々のみ佛の中の伎芸天何のえにしぞわれを見たまふ  (歌碑)川田順
あまりじしなきししおきのたをやかに みももみこしもただうつつなし (歌碑)吉野英雄






2018年9月12日第1稿 ➡ 9月13日一部追加修正