「28km」
卓上カレンダーに緑色のインクで書き込まれた数字はこれたった一つである。
ボクは備忘録として卓上カレンダーに自転車の走行距離を書き残している。
それが今月は4日に「漕ぎ初め」と称して出掛けてきて書き込んで以降、まっさらなのである。
その28kmにしたって、湘南海岸自転車道は年末年始に吹いた強い西寄りの風の影響で随所に堆砂が出来ていて、行く手を拒まれ撤退せざるを得なかった挫折の数字なのだ。
以来ご無沙汰になっているので、のどに小骨でも刺さって気になるのと同様、誠に気分がすっきりしないまま日々を過ごしている。
漕ぎに行かない理由は複合的なもので、晴れていても風が強ければためらうし、寒くたって足かせになる。
それに雪まで積もったし、どうせ堆砂の山は除去されずに放置されたままになっていることだろうと思うと、別のコースを行けばいいとは思うが何となく気勢がそがれる。
風速1mごとに体感温度は1度下がると教えられた。
ブロ友さんに教えてもらったのだが「ミスナールの計算式」というものがあって、それに気温、湿度、風速の数字を入れて計算すると、より正確に体感温度が分かるんだそうだ。
早速気温8℃、湿度30%、風速5mと仮定して計算してみると体感温度は実に「-1.2℃」と示された。
これじゃ凍える訳だと思いつつ、風速だけ4mに落としても体感温度は「-0.3℃」で相変わらず氷点下の寒さである。
この4~5mという風速は湘南を含めた相模湾沿いの地域でしばしばお目にかかる数値なのである。
ここで肝心なのは、以上の数値は止まっている場合のもので、自転車は空気を切り裂いて走るから実際の体感温度を知ろうとすれば自然の風速に加えて自転車の速度分を加算する必要がある。
ということで、仮に4mの風速の倍の8mの風を受けるのと同じだと仮定すると体感温度は「-2.9℃」、もう少しスピードを上げて10mの風相当にしてみると「-3.7℃」にもなった。
何をかいわんやではないか。
情けないけど‶♪ ジジイはコタツで丸くなる〟で何が悪い、と開き直るのである。
とは言え、例年ここまで炬燵にしがみつくようなことはなかったように思う。
例えば去年の1月がどうだったかと言えば、コロナ禍の下で寒いせいもあったろう、1回当たりの走行距離も10km台~30km台と短いながら、それでも8回漕ぎに出かけ計182km走っている。
2月はさらに縮んで7回147kmだが、現金なもので3月になると3日に1度の10回に増えるとともに1回当たりの走行距離もぐんと伸び、30km台から60km走る日が出てくる。
3月ひと月だけで1、2月の合計とほぼ同じ326kmを漕いでいるわけで、何はともあれ「春は偉大なり」…の感を強くする。
春を待ち焦がれる所以である。
今日22日のネット天気予報に寄れば湘南海岸地域の午前10時の気温は5℃、風速は2mとそよ風程度である。
日中は晴れマークが並んでいるから降り注ぐ陽光に不足はないだろう。
例の計算式で湿度30%と仮定して計算すると「-0.3℃」になった。
ただし、風を切る速度を3倍と仮定して6mの風を浴びると仮定して計算すると、これが何と「-5.1℃」と出た。
円覚寺佛日庵のハクモクレンの梢にはこれでもか…というくらい、つぼみがたくさんついて時を待っている
「阿Q正伝」「狂人日記」で知られる中国の作家魯迅から昭和8年に贈られたハクモクレン