季節の代わり目と言うものは燃え盛っていたものが衰えを見せ始め、それまで鳴りを潜めていたものが「自分の季節到来」とばかりに、頭をもたげ始める。
人も自然の一部として似たような状況に身を置くことになるが、異なる部分も又多い。
人の場合、身体の中で燃え盛っていたものが衰えを見せ始めるのは同じだが、かと言って次の何かが勢い良く頭をもたげて来るにはまだ少し時間がかかるような時期に差し掛かると、何となく気持ちが上向かず、身体の調子さえ低下してくるようで、誠に宙ぶらりんの居心地の悪いものとなる。
ボクのような夏大好き人間にとっては「大好きな夏が去りかけている」という一事だけで、これはもう大事件なわけであって、四季の移ろいの中でも特に影響は大きい。
そういう時期に差し掛かっていることを強く自覚させられるこの頃なのである。
現役時代のように、次から次に取り組まねばならない問題が起き、気持ちだけでなく体力的にもそれに耐えられるか危ぶまれるような状況でも、とにかく目の前に起きた問題に嫌も応もなく立ち向かわねばならなかった時代は引退とともに終了したとはいえ、気持ちの変化は変わらずにやって来るから、それと何とか折り合いをつけなければいけない。
今の状況で言えば、ほんの一例だが、来春の庭を彩るために種苗会社のカタログから見繕って注文した何種類かのタネを蒔かなければいけないのだが、今年の夏の暑さはさすがに蒔いても発芽しないだろうという危惧が先に立ち、気温が落ち着くのを待つことにした。
そして夜の気温が25℃を下回るようになってきて、しかも、日中の気温が30℃ソコソコまでしか上がらなくなってきて、これならなんとかなりそうだと、数日前から思うようになってきたのだが、今度は気持ちの方がその気になってくれない。
バラの夏せん定にしても然り。ブログを拝見していると何人かのバラ愛好家の方が「やっと夏せん定を終えた♪」などと書いている。
こちらはと言えば、元々夏せん定には積極的ではない方で、秋バラに関しては"放ったらかし"派だが、今年は夏の間中、ツボミを付けて「咲こう咲こう」と入れ込んだ株がいくつもあって、そのツボミを見つけるたびにピンチ(つぼみを摘み取ること)を繰り返したので、更に短くせん定してしまうのは如何なものか…という気持ちもある。
その背景にも「そんなのめんどい」という怠け心があるのもまた事実なのであり、それはこの季節の変わり目のわが心のありようとも無縁ではないのである。
ついでに言えば、自転車でのパトロールにしたって今年の夏の暑さの中でやって来たことを思えば、今の気温はぐっと楽なはずだが、まったくその気が起きない。
ならば少したまった本でも集中して読むか…という気にもサラサラならない。
今月下旬には句会やら数カ月ぶりのゴルフ、その他行事が目白押しで入っていて、そのための準備もしておかなければいけないはずなのだが…
葉っぱを落として冬眠する木々や一部の動物とは違って、年がら年中活動を続けなければいけないニンゲンにも大宇宙は何がしかの"休眠時間"的なものを用意してくれていて、それがこうした季節外れの調子っぱずれとなって表れるのだろうか。
ならば、このなんとなくけだるい、やる気のない気持ち、身の置き所のないような宙ぶらりん感は大自然・大宇宙の摂理というほかない。
大自然・大宇宙の摂理に沿ったものならば抗うことはできない。素直に身を任せることにしよう♪
大事にしているバラの「空蝉」のこんなツボミを今さらせん定しちゃうなんて…
ツボミは一つ二つじゃないんだから…
もう中から茶系の花びらがのぞいているっていうのに…
「ノリコ」はすでに咲いてしまっている
次のツボミもほころびて…