1回の表、並み居る大リーグの強打者たちに先んじて先頭打者として打席に入ったオータニさ～んにはホームランを期待したが、力んでしまったか惜しくも2塁ゴロアウト。
その裏の1回のマウンドにも剛腕犇めく各チームのエースたちを尻目に先発のマウンドに登ったオータニさ～んは、ナショナルリーグの強打者を先頭から3人できれいに片づけ、揚々とマウンドを降りてきた。
投球はこの初回のみだったが、3回に回ってきた第2打席こそホームランをかっ飛ばすところを思い描いたが、やっぱり肩に力が入ったか、打球は高く上がらず1塁へのゴロに終わり、初めての球宴はジエンドとなった。
今やショーヘイ・オータニの打って投げての２WAYは全米が注目する社会現象だそうで、この日のテレビ中継を通して球状の熱気は伝わって来るし、何せ、大リーグ野球機構が二刀流のためにルールまで変更してファン期待に沿ったのだというから、大したものである。
この大舞台に選ばれるだけでも大変なことなのに、最初に打って最初に投げて…はアッパレというほかない。
全米と日本中のファンを楽しませたのだからプロ選手としても大合格だろう。
それにつけても球場に満員の観客が入り、オータニさ～んの一挙手一投足に歓声を上げるからこそ、観客も選手も盛り上がるのであって、「無観客」の競技場でどんなに選手の躍動を期待したからって、肝心の選手に力が入るとは思えないし、テレビ中継を通して見る側だって画面に映るスタンドに誰もいなければシラケるに違いない。
スポーツの感動や興奮というのは一流選手の最高のパフォーマンスとそれを目の当たりにして声援を送る観客双方で醸し出すもので、そのどちらか一つでも欠けてしまったら成り立たないものなのだ。
23日に開幕する五輪の開会式には関係者以外には誰も観客がいないスタンドに今上天皇がたった1人で出かけて行って開会を宣言をするんだそうな。
何ともお気の毒なことじゃありませんか。これがドッチラケでなくて何なのさ。
入場行進もやるらしいけど、選手たちは空っぽのスタンドにポツンと座るジャパニーズエンペラーに向かって手を振るんだろうか。
折しも、昨日の東京の感染者数は1000人を超えた。
これからさらに増え続けるだろう。
これは何も霹靂でこうなったわけではない。専門家たちが口を酸っぱくして随分前から指摘し続けて来たことだ。
そして「こういう状況下では（五輪のような世界中から選手や観客が集まって来るような競技大会やイベントは）普通は開かない」とまで言われていたのに聞く耳を持たなかった。
「完全な形で五輪を開催する」って言い続けたのはどこの誰なのさ。
それが無観客開催の事？
遅すぎる感じがしないわけじゃないが、まだ始まっていないのだから中止することだって可能だろう。
土壇場中止となればガースはもちろんハラキリ切腹、自分の任期の掉尾を飾ろうという自己中心な考えを優先させて「2年延期」の進言を退けた結果、今回の事態を招いた前首相のアベなんちゃらはせめて議員辞職でもして世界にお詫びすれば何とか許してもらえるだろうさ。
ニッポンは笑いものにはなるだろうけど…
このまま突っ込んだんじゃ選手たちだって力は出せないだろうに。
まっ、ガースにゃ「中止」のこの期に及んでの決断は到底出来っこないだろうな、無理だろうな。
かくして史上最悪最低の五輪開催がズルズルと開かれることになる。
（見出し写真は近所の池と森の公園に咲いたオニユリ）
