いつも魅力的な風景写真をアップしている鎌倉在住のブロガーさんのページで教えてもらったのだ。
そのご仁は逗子マリーナからだという、富士山の頂上の左端をかすめて沈んでいく前日4日の写真を投稿し、「残念だけど今日(5日)は用事があって見に行けない」と記していた。
実は「ダイヤモンド富士」とやらを、ボクは一度も見たことがない。
晴れた日の夕方、シルエットになった富士山を背景に夕日が沈む光景はちょくちょく見てきているのだが、まさにお山のてっぺんにちょこんと乗っかるように一瞬の光を発するところを一度くらい見てもいいなぁと思ってはいたのだ。
午後3時過ぎに近所の散歩に出て、強い南西の風が春霞を吹き飛ばした空に富士山がくっきりと見えているのを目の当たりにして、その気持ちは固まった。
よし、日没の時間にもう一度来てみよう!
暦を見ると5日の日没は18:06。
水平線の高さから3776mも高いところの位置に来た時が「その時」だから、18:06よりもっと前からスタンバイしていなければいけない。
で、17:30には富士山を見渡せる場所に立ってその時を待ったのだ。
昼間は気温が20度近くまで上がり、暖かかったのだが、さすがに日が傾くとそうはいかない。
おまけに相変わらず南西の強い風が吹き付けているから、風の通り道に立っているとさすがに冷えて来る。
あと10分だ、あと7分……
ボクの立っている場所は小高い丘の上の見通しの良い場所だが、近くの運動公園と住宅地を結ぶ笹薮に沿った細道が三差路になっているところで、普段人が立っているような場所ではない。
それと分かるようなカメラと三脚でも傍らにあれば、あぁ富士山と夕日を撮っているんだなと分かるだろうが、ボクが手にしているというか携行しているのはスマホである。
通りかかる人には、立っている意味が伝わらない。
ポツンと1人、しかも日暮れである。
不審者と思われないか……
まぁよく顔を覗き込んでしげしげと見てくれれば、人品骨柄卑しからずってことがすぐに分かるはずだが、こわごわ警戒しつつ通るようなことではそれは期待できない。
で、幸いにして一度きりだったが、犬の散歩の母娘が通りかかった時は、撮りもしないのにスマホをかざして、写真を撮っているようなポーズを作ってデモンストレーションをしなければならなかった。
こういう時は嘘でもいいから古い一眼レフでも持ち出して小道具として使ったほうがよさそうである。
でも三脚なんて持ってないなぁ。
そんなことに気を遣いながら、その場を離れたり戻ったりしていると……エッ ! 富士山が消えた ?!
あと4、5分で太陽が頂上に差し掛かるってところで地上付近から立ち上ってきたとしか言いようのない雲がベールのように……
薄かったけれど見えてはいたんだ、大きく裾を広げた二等辺三角形の富士山が。
日没時にはシルエットになって浮かび上がるだろうと思っていたんだ。
何だよ、土壇場で急に……
17:46 あぁ雲が…
17:47 かすかに富士山の右側の稜線が見える。太陽に位置はその稜線よりさらに右にあるように見えるから、もしかしたらダイヤモンド富士は前日あたりだったのかもしれない
こういう具合に富士山が見える場所なのだ
悔しいから昼間の散歩で見た雲の写真を添えておく 風が強かったから…
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