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平方録

ボルシチの味わいが深い訳

昨夜の夕食のメーンディッシュはボルシチだった。

きな臭さを増しているウクライナの野菜たっぷりの郷土料理である。

いきなり余談だが、ウクライナ情勢を巡って難航気味と伝えられる米ロ交渉もこの手の込んだ滋味豊かな料理をつつきつつ話し合えば、案外すんなりと解決の糸口が見つかるんじゃないかと考えるのは、少し暢気すぎるだろうか。

こういう暖かな食事と暖かな団欒をもたらすのが政治だとすれば、ボルシチをつつき合って知恵を出し合えば、少なくとも武力衝突なんてことは回避できるんじゃないのかね。

上手く行けばボルシチ会談として後世語り継がれるだろうに。

そういう効果をもたらすに十分な力を秘めた料理がボルシチだと思うんだけど…

 

話を戻そう。

ボルシチは少し酸味があって、根菜類を含めて十数種類の野菜を肉とともに煮込んだ真っ赤なスープで、わが家の食卓に上るのは12日の水曜日に続いて2度目の事である。

つまり、昨晩のボルシチは12日の残りを元に新たに材料を足して作り直したもので、おでんやカレーなどの煮込み料理と同様、味が染みた残り物がさらにおいしくなる部類の料理でもある。

実はボクはこれまでボルシチを口にする機会がなく、12日に我が家に登場した料理が記念すべき初体験だったのだ。つまり生まれて初めて食べたのだ。
主材料であるビーツの赤が色濃く出た料理は目にも鮮やかで、食卓を一気に豪華かつ絢爛に彩るばかりではなく、とても食欲をそそる。
赤ワインを飲みつつ、この煮込み料理を口に運べば、心は広くなるし、豊かにもなっていく♪
色の持つ力というのもまた偉大な要素なのだということが良く分かるのである。
 
山の神をして手の込んだボルシチを作ろうと思い立たせたのは、元をただせば友人が自家栽培したビーツを送ってくれたのがきっかけである。
その時は、比較的容易な単純なスープにして食べたが、これも初めて口にする料理で、ピンク色が混じった深い紅色の美しさにびっくりさせられた。
天然素材が作り出す大自然の色合いそのものと言って良く、よくぞここまで美しい色合いが生まれるものか…と、くどいけれど感心させられたものだった。
恐るべしビーツ!なのである。
それ以来、何度かスーパーで手に入れたと言ってはビーツのスープが登場していたが、ついに本格的なビーツ料理に手を染めたという訳である。
これも、コロナ禍で外食をあきらめ、如何に自宅で美味しいものを食べるかに切り替えた山の神のお陰と言ってよい。
そういう意味ではコロ公も一面では思いもかけなかったものをもたらしてくれたものだ。
 
かくして幾つもの偶然と新たなチャンスが重ね合わさってボルシチの色合いと味は深さを増し、わが夫婦2人きりの食卓の彩を一層味わい深いものにしてくれたということが嬉しい♪
 
 
 


 
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