ベランダに出て見ると既に夜のとばりは消え去っていて、音もなく小糠雨が落ちてきている。
「落ちてくる」というとそれなりの重さを感じさせるが、今朝の雨はキリのように空気中を「漂っている」と表現した方が正確かもしれない。
その湿った空気を胸いっぱいに吸い込みながら、しばらく佇んでいると体中にまとわりついてくる感じがして、油断しているとすっかり濡れてしまう。
いつもはくっきり見えている周囲の丘が今朝はボォ~ッと霞んでしまっている。
こういう雨で「雨の6月」は始まった。
3月3日に予定していたわが句会の例会を「君子危うきに近寄らず」「石橋をたたいても渡らない」の精神で回避したのは、得体の知れないコロナの影を大きく見たからだったが、それは間違ってはいなかった。
敵を十分に知りもしないで突撃なんて、かつてのどこかのアホ軍隊のような真似は真っ平御免だ。
しかし、全国で最も遅くまで患者数が減らず、それによって緊急事態宣言の解除が遅れた神奈川県だが、いったん解除されたからにはおっかなびっくりであっても例会を再開しようという気になってメンバーに声を掛けたら、反対意見はまったく出なかった。
変にグダグダ注文を付けたりしないで「ほいきた ! 」とばかりに応じてくる辺りが、わが句友たちの融通無碍なところで好きである。
しかし、これまではアルコールが入り、食事をしながら3時間超になる集まりなのだが、今回はそうもいくまい。
飲食店の3階を借り切ってやるのだから当然飲食の注文が必要で、しゃべり、かつ食べるという行為を同時にすることのムズカシさを念頭に入れながらの開催となる。
とにかく、感染予防のためにはマスクをして「密」を避けることが必須である。
部屋は広々しているので「密」の心配はないが、しゃべりながら食べる、あるいは食べながらしゃべる、となるとマスクをしたままでは絶対不可能だ。
その辺りをどう工夫するかだ。
句会くらい伸び伸びした気分で開きたいが、なかなかそうもいかないご時世になってしまったのだから受け入れるしかない。
こういう時こそ、柳の枝のようにどんな風が吹いたってさらりと受け流すさまを見習いつつ、反骨とユーモアの俳諧精神を発揮すべきなのだ。
俳句をもてあそぶヤカラとしては、こういうときこそ、こういう事態こそ洒落のめしてやらねば。
むふふふふ。
「空蝉」の2番花(見出し写真も)
こちらは「セント・オブ・ヨコハマ」の2番花
まだ1番花が盛りの「バーガンディー・アイスバーグ」
「ノリコ」と「ニュー・ドーン」
バラと相性のいいサルビア・ネモローサ・カラドンナ