平方録

なに! 放送法4条を撤廃するだと !?

アメリカで3月、193もの地方テレビ局でニュースキャスターが一斉に一言一句たがわぬ内容でフェイクニュース批判のメッセージを読み上げたそうだ。

このことを取り上げて問題視するのは、かねがね痛いところを突かれたり、厳しい批判にさらされると「あれはフェイク(ウソの)ニュースだ」と平然と言い放って説明責任を放棄したり、むしろ悪いのはメディアだと言わんばかりに開き直ってばかりいる45代大統領の姿勢に沿ったものと受け止められているうえに、ターゲットになったのが45代が目の敵にするCNNなどの主要メディアに向けられているという点である。
強大な権力を握る大統領が、何か指摘されるたびに「ありゃぁウソだ! あのメディアが勝手に偽情報を流しているんだ‼ 」と声高に言い放つ異常さというのは、日本なら小学生からだってブーイングが巻き起こるだろう。
それくらいに分かり切ったひどさなのである。

ここで指摘しておきたいのは、なぜ193もの地方テレビ局が一斉にメディア批判を展開したかだ。
まずは「シンクレア」というメディア企業が193もの局の経営権を握っていることが挙げられる。したがって、経営サイドから「こうするように」と言われると、そう簡単に抗えないという事情が存在する。
抵抗するキャスターがいれば即刻クビになるだろうし、そこで個人の良心は担保出来ても、新しい人間がそのフェイク批判メッセージを読み上げるだけなのだ。
メディアの経営権を握るところがどういう考え方を持っていて、メディアをどのように利用しようとしているのかという点に注意を払うことは重要である。
アメリカではこうした極端とも思えるメッセージを平気で発信するような土壌や社会環境が現に存在するということなのだろう。

もう一つ忘れていけないのは放送局の「公平の原則」の義務が1987年に廃止されているという点である。
日本では放送法という法律があって、その4条に➀公安及び善良な風俗を害しないこと➁政治的に公平であること➂報道は事実をまげないですること➃意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点をあきらかにすること――を求めている。
故に、今度のアメリカのようなことは現状では考えにくいというのが実際である。

とはいえ、いつまで対岸の火災視していられるか、足元で何やら火のはぜる音が聞こえてきたのだ。
まだまだ小さな火だが早く消してしまわないと、大きな火の手になってからでは消火に手間取っていると下手をすれば火傷くらいでは済まなくなりかねないのだ。
どういうことなのか。

アベなんちゃら政権が突如、放送法4条を撤廃すべしと言い出し始めたのだ。
政府内でまとめられた「放送事業の大胆な見直しに向けた改革方針」には「コンテンツ産業における新規参入・競争」を進めるため、「放送にのみ課されている規制(放送法第4条等)の撤廃」と明記しているようである。

この放送法第4条が撤廃されたらどうなるか。
現状に照らして考えてみれば、森友問題や加計学園問題で安倍内閣が窮地に立たされれば、「森友の土地取得はこんなに公正明瞭で、何ら不自然なところはない」とか、加計問題でも獣医師の必要性は今後高まるのはこういう理由で、これまで獣医学部がなかった四国に作る意義はとても大きい」とかなんとか、政権にとって都合の良い〝もっともらしい〟ウソを並べて、それを垂れ流すことが可能になるのである。
何のことはない。アメリカで3月に起きた193局に流れたフェイクニュース批判となんら変わることのない、それこそ偽情報が大手を振って電波に乗ってしまうのを可能にしようとしているのだ。

憲法が禁じている集団的自衛権行使を閣議決定のみで変更してしまうという暴挙を筆頭に、次から次へと数を頼りに好き放題を重ねてこの日本が戦後築きあげてきた民主主義のルールをことごとく踏みにじってメチャクチャにしているアベなんちゃらが、ついには自分たちの意のままになる放送局を作っちまえ、と言うのがこの4条撤廃の真の目的である。

悲しいかな人間というものは例え間違った情報でも繰り返し繰り返し聞かされればそれが真実なのだと信じ込みやすい欠点を持っている。
だから多様な意見に耳を傾けなさいネと小学校から教え込まれているんである。
それなのに朝から晩まで政権に好都合な情報しか流さず、逆に政権に不都合なニュースを流すまっとうなメディアを誹謗中傷する内容を垂れ流すような放送局の誕生を促すような道筋をつけようなんて、とんでもないことで、どこまで国民を舐めるんだ、いい加減にしろ! と言いたい。

ったく、油断も隙もないぜ! 




久しぶりに自転車でほっつきまわる。限りなく夏日に近づいて温度も上がったせいか鎌倉湾を隔てた葉山の三ケ岡が霞んでいた


稲村ケ崎から江ノ島方面に向かう国道134号を車では通るが自転車で走るのは2年半ぶりくらい。まだまだ工事個所が残っていて走りにくい


材木座の光明寺に立ち寄ると婚礼写真の撮影のカップル2組に遭遇。そう、花の命は短いけれど何時までも姥桜として輝くのだよ、お嫁さん!


こちらは後からやってきたカップル


山門が公開されていたので上がってみると阿弥陀如来を中心に四天王や十六羅漢像が並んでいる


山門の上から見る鎌倉湾。視界が良ければ富士山が見えるはずだが
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