ベランダのプランターで栽培しているナスに、固有の花とは一風変わった花が咲いているのに気付いた。
ナスの花はボクの知る限り薄紫色で芯の部分が黄色く、なかなかシックないでたちで、実が"ナス紺"と呼ばれる深い色合いの魅力的な紺色に輝くところも美しい植物だと思う。
その花に混じって、どう見たってナス紺などとは縁のなさそうな小さな白っぽい花が咲いているのを見つけたのは2、3日前の事である。
実はこのナスの苗は、たまたまホームセンターで見かけて1苗だけ買ってきた「生で食べられるお刺身ナス」と言う品種で、ひと苗何と400円もした高級品。
もともとが接ぎ木ナスだから良く実るはずだし、そもそも「お刺身ナス」ってどんなんだろうという好奇心がムクムクと沸いてきて、騙されたと思ってひと苗だけ買ってみたのだった。
そんな高級品の苗に2種類の花が咲く…
そこまで楽しませてくれるので、ナスの苗にしては破格の400円もの値が付いたのか…
そして2種類の花が咲いた株をしげしげ眺めまわして見ると、接ぎ木した部分の丁度真下の台木部分から件の白っぽい花を咲かせている枝が伸びており、元々の台木のDNAを受け継いだ親子関係のはっきりした子どもが生まれ出てきたようなものである。
…と言うことは接ぎ木に間借りして薄紫色の花を咲かせている主幹と思っていたものは、いわば"居候"か"ままこ"のようなもので、いずれは母屋の"実子"に蹴散らされるか叩き出される運命ではないかと心配になった。
しかも台木から生えている枝に咲いている白っぽい花は見れば見るほど悪名高き雑草で、しかも有毒の「ワルナスビ」にそっくりなのである。
まさか、苗の生産者がワルナスビを育てて台木に使っているとも思えないし、何かの間違いでこうなったんだろうが…
ワルナスビはプチトマトのような実をつけるという。
畑のことはろくに知らないボクなんぞはナスの株にトマトまで実った♪ これぞ一石二鳥ならぬ"一木二果"とかなんとか大喜びしそうである。
挙句の果てに、得意顔してプチトマトのような紅い実を一口食べて、その毒に当たってひどい目に遭う…
おぉ、クワバラクワバラ。
そんなわけで「ワルナスビの悪だくみ」を見破ってホッとしている所なのであります♪
どう見たってこりゃワルナスビの花にしか見えない
花びらを後ろにそらしたところなど、如何にも一癖ありそう
これが台木から伸びている主幹に咲いている花
これぞまさしくナスの花♪
ところが、同じ株に薄紫の花と白っぽい花がまじりあって咲いている
ここが台木と接ぎ木の接合部分
下側の薄い緑色をした枝がぐんぐん伸びてきてワルナスビにそっくりの花を咲かせている
初めて見かけたナスの苗を興味半分買ってみたのだ