色に関してはこれはもう透き通った琥珀色をしていてウイスキーと見紛うばかりで実に魅力的ではある。
しかし、如何せんいくら着飾っても中身は隠しようもない。
ボクが愛飲するウイスキーとは似ても似つかぬシロモノで…などと書くのが当たり前すぎて馬鹿らしいほど。
ナニ飲んでるかって ?
2015年7月の誕生日にホワイトリカーに漬け込んだボケの実の「ボケ酒」なのだよ、お立合い。
一応、4年モノってわけさ。
砂糖は控えめにしておいたから甘ったるくはなく、果実酒にしてはそこそこの味を出すのに成功したとは思っている。
しかし、所詮は果実酒。口に含んで舌の上で転がしたあと飲み込むわけだが、どうしたってボケの実の「渋味」のような雑味が舌に残る。
カチンカチンに固いボケの実の生硬な生臭さ、とっつきにくさがにじみ出ているのだ。
まっ、それが逆にボケ酒らしいと言えばその通りで、「ボケ酒なんだから」と思えば済む話ではある。
話はここからが本題。
ボクのパソコンのすぐ脇にはスペースレンジャーのバズがウイスキーの酒瓶を抱えて立っている。
ブログのテーマが決まらないときに、あれやこれや思案する時の気付け薬にしているって訳なのだが、これが一昨日、空になってしまった。
空瓶を置いておくのも未練たらしい話だが、未練があるんだからしょうがない。
今朝も瓶の栓を外して瓶に残った香りを嗅いだら、残ってるんですねぇ、これが。
あの甘いようなくすぐるような深い香りが…
でも、香りだけじゃ物足りないのは当たり前。それで思いつくまま酒屋をのぞくのだが、どこにもそのお姿は見つからない。
昨日は、あそこなら何とかなりそうだ、と一縷の望みを抱いて出かけた行きつけの酒屋でトンデモナイことを聞かされた。
「品薄でね、酒屋には出回ってませんよ。どうしても欲しいんならネットですね。プレミア付いちゃってますけど…」と言って調べてくれたら、3000円の定価が4000円超になっている !
別の会社の某銘柄も品薄で手に入らないという。
なんてこったい。
ビンテージウイスキーを探しているわけじゃないんだ。
大手メーカーの代表選手的な位置づけとは言え、単なる一銘柄だぜ。
それが店頭から消えている…
ウイスキーは売れ出したからって、増産の効く商品じゃないから仕方ないのだが、それにしたって急に人気が出始めたとしか思えない。
とんだとばっちりだ。
少し値は張るが、また元のラフロイグにしようかなぁ。
あの癖のある味とヨードチンキのような独特な香りが懐かしいし。
日本の某ウイスキーメーカーがラフロイグの蒸留所を買収したら、値段が跳ねあがったのさ。
それが気に食わないから銘柄を変えたけど、今は緊急事態のようだからその辺は目をつむるしかないか。
住みにくい世の中ってのは、こういうことも指すんだろうな。
師走に咲いた「ノリコ」
見出し写真はボケ老人にならないための気付け薬の「ボケ酒」