もう咲いているころだろうと、ウグイスカグラの花に会いに行ってきた。
名前が示すとおり、ウグイスが鳴き始めるころから山の中などでひっそりと小さな花を咲かせるので、この花を見つけると「そろそろ初音が聞けそうだな♪」と嬉しくなる。
ウグイスが春が来たことを知らせる"春告鳥"なら、ウグイスカグラは春を呼び、ウグイスを誘う"春招き花"なのである。
わが家に近い池と森の公園の立ち入れる範囲ではこの灌木は見つからないので、少し離れた大きな森まで足を延すと、いつもの尾根道の木立に囲まれた藪になったような場所で裸木のままの姿でひっそりと息づいていた。
何せ花は小さいので、遠目には咲いているんだかまだなのか、判然としない。
だから株元にたどり着くまでは「ん?、まだ早かったか?」といささか焦る気持ちが芽生えもしたが、近づいてよくよく見ると、咲き終わったものも含めて、ピンク色の極小の花が細い針金のような枝先に幾つか咲いているのを確認して胸をなでおろす。
「あぁ、春はちゃんと来そうだな♪」
とにかく目立たない花なのだが、この花を見つけるとやはりうれしいのは、春がすぐそこまで来ているという印だからである。
森のウグイスたちもこの花をカレンダーと時計代わりにして出番を待っているに違いない。
去年の初音は2月22日だった。
21年は21日、22年は遅く3月2日…、ということはまだ少し間がありそうだが、今年は明らかな暖冬。
確か2005年だったと思うが、2月8日の早朝、家の玄関を出た途端、初音を聞いて「えっ!もう!」と驚かされた記憶がある。
東京・夢の島でゴルフをする予定があり、初めての"ゴミの島のゴルフ場"に興味があったことと合わせ、記憶のヒダに刻まれたのだった。
そういう前例もあるのだから、今年はその記録の更新をひそかに期待しているのである。
ところで今朝、というか未明の事だが、「ブゥ~ン」という甲高い羽音が耳元に響き、目が覚めた。
その音で思いつくのは蚊の羽音くらいしかない。
真冬のこの時期に?と思ったが、寝ぼけたわけでないことは、その後何度か耳元で同じ羽音がして、追い払うために手で虚空を掻き混ぜたりしたのだから…
そしていつものように4時に起きてベランダに出て見ると、外は霧のような雨が降っているが、裸のような格好でもちっとも寒くない。
気温は何と15.0℃!もあった。
これじゃぁ、越冬していた蚊だって血のめぐりが良くなって「久しぶりにヒトの血でもごちそうになるか」という気分になるのかもしれない。
この気温じゃぁウグイスだってのどの調子を整えるための発声練習を始めるかもしれないと思いつつ、もう一度5時過ぎにベランダに出て見ると、目を疑うとはこのことで、何とデジタル温度計の表示は「8.6℃」!
何だ、この急降下は! どうなってるんだ?
今日から2月。瞬きする間に立春だけど…
ウグイスカグラ 開きかけているところ
こちらも開きかけ
スマホでこの花にピントを合わせるのは大変なのだ
開きかけのツボミ