音を立てて降り続いた梅雨空を眺めながら、この時期の晴れ間にあの寺に行くと苔がさぞかしきれいだろうなぁ~と腰が浮きかけていたのだ。
そして、おあつらえ向きの梅雨の晴れ間の青空が広がった昨日、あの〝鎌倉の苔寺〟と呼ばれる大町は日蓮宗の妙法寺まで出かけてきた。
梅雨明けを思わせる強い太陽がその力を存分に発揮していたが、湿度が比較的低かったせいか、汗は流れたものの不快感は感じられず、4か月ぶりの外食までして気分は上々である。
鎌倉の東の外れに位置する大町界隈は若宮大路の走る幕府の中心地とは一筋の尾根で隔てられているため、当時新興勢力だった日蓮が鎌倉進出を試みたこともあって、数多くの寺が存在している
この妙法寺もその一つで、日蓮ゆかりの寺でもあるらしい
境内は緑がとても豊かで、きれいに整えられている 奥に見える建物が本堂
まず目に留まったのは青色と白色のキキョウ 涼しげな風情で風に揺れていた
この時期はやはりアジサイが目立つ
本堂脇の大覚殿前もアジサイ
ピンクと青の花色と緑の葉のコントラストがきれい
仁王門へ通じる通路沿いにもアジサイが咲きこぼれる
仁王門を額縁にした奥の光景が今回のお目当て
梅雨の晴れ間の木漏れ日を浴びる苔むした階段
前夜来の雨で潤い十分の苔が生き生きと輝く
緑のベルベット
階段の上から仁王門を見下ろす 柔らかな風がとても心地よい
仁王門から本堂方面に戻る通路が辺りを引き締めるように一直線に伸びている
アジサイはまだ元気
ベニスジと呼ばれる赤いヤマユリが1輪だけ咲いていたが、向きが逆で後姿だけ
寺の人に聞いたら「毎年咲くんですよ。いつもは7月に入ってからですね」ということだそうだ ベニスジは珍しいのだ
本堂前のノウゼンカヅラ
水鉢のスイレン
若宮大路方面に抜けるのに、確か小さなトンネルがあったと思いだし、20年ぶりぐらいに歩いてみたら、こんな看板が…
小さなトンネルだとは思っていたが、まさか高さが1.8mしかないってことはないだろう…下手すりゃ頭がぶつかりそうじゃないのと半信半疑でトンネルに向かう
上り坂の奥に入り口が見えた
少しカーブした先に出口がのぞいた 宅配便のトラックだって通れそうなくらい高さは十分あり、なぜ1.8mの看板が出ていたのかは謎
尾根の際まで迫って建ち並ぶ住宅を抜けて坂を下ると東勝寺橋に出る
橋の下を流れるのは滑川 こちらは上流方向
下流方向
妙法寺に行くには鎌倉駅からのバスが近くで止まるが、鶴岡八幡宮に詣でた後、ぶらぶら東勝寺橋を渡ってトンネルを抜け、静かな住宅街を抜けていくのもお勧め
東勝寺橋を渡り60mほど進むと直進路が細くなる手前を右に曲がればトンネルへの1本路 直進路をそのまま進むと橋の名の由来となった東勝寺跡があり、新田義貞軍に攻め込まれた北条高時ら一族郎党がここで自刃した高時やぐらがある
いわゆる鎌倉幕府滅亡の地
東勝寺橋から見たトンネル入り口 八幡宮から妙法寺までは徒歩15分ぐらい