バスに揺られて

ピンポン（１回鳴る）

ピンポン×８　（合計９回）

＊運転手＊
うるせーよ、なんだよ。

‘乗客‘
「いや、なかなか信号変わらないから。」

＊運転手＊
信号機の押しボタンじゃねーよそれ。


ピンポン

ピンポン×１０

＊運転手＊
あーうっさい、うっさい、うっさい。

なんだ！

‘乗客‘
「チェリーパイ下さい。」

＊運転手＊
それは、注文の呼び鈴じゃねーよ。

‘乗客‘
「なんだ、チェリーパイは出てこないのか・・。」（ひどく落ち込む）ヘン顔でｗ

（小声でボソッと）「やんなるなぁ。」

＊運転手＊
御前が言うな！


‘乗客‘
急に明るい顔になる、思いだしたかのように左手の平で右こぶしを叩いて。

ピンポン連打・・・。

ピンポン×１００

＊運転手＊
うっさいうっさいうっさいうっさいー

コラー（まだ鳴ってる）

なんだ？（１００回鳴らして止まる）

‘乗客‘
「チェリーパイの、おいしい店ってどこですか？」

＊運転手＊
紹介もやってねーよ。

テメーで探せ。

もう、降りろおまえ。

ここらに、チェリーパイあるだろ。

‘乗客‘
「ホントですか！」　（笑顔満開）

「おろしてください、おろしてください。」

＊運転手＊
運賃をお願いします

‘乗客‘
今朝、ちょっとがんばりすぎてもう、お腹の中に残ってないかもしれないんです。

＊運転手＊
その運賃じゃないだろ。

運賃ですよ、運賃。

‘乗客‘
チェリーパイ？

＊運転手＊
チェリーパイは運賃じゃねーよ、それは食事代だ。

金払えよ、金。

‘乗客‘
駄目だよ、チェリーパイ食べるんだから。

＊運転手＊
ちょっとコイツ、どうかしてるよ。