抗がん剤、高齢患者への効果少なく 肺がん・大腸がん・乳がんの末期は治療の有無で生存率「同程度」 政府など調査
産経新聞
政府と国立がん研究センターが、高齢のがん患者に対する抗がん剤治療について
「延命効果が少ない可能性がある」とする調査結果をまとめたことが26日、
分かった。調査を踏まえ、厚生労働省は年齢や症状に応じたがん治療の
ガイドラインを作成する方針。今後は、患者の生活の質(QOL)向上も
踏まえて効果の高い治療法を推進し、高齢社会におけるがん治療のあり方を検討する。
国立がん研究センターと厚労省、経済産業省が主体となり調査を実施した。
平成19年から20年に同センター中央病院を受診したがん患者約7000人のうち
、70歳以上の高齢者約1500人が対象。がんの種類別に、抗がん剤による
治療を中心に行った場合と、痛みを和らげる「緩和ケア」に重点を置いた場合とで、
受診から死亡までの期間(生存期間)を比較した。
その結果、主に肺がん▽大腸がん▽乳がん-で末期(ステージ4)の高齢患者の
場合、抗がん剤治療の有無にかかわらず、生存率は同程度にとどまった。
抗がん剤治療が明確な効果を示さない可能性があるという。
例えば肺がんの場合、生存期間が40カ月以上のグループは抗がん剤治療を受け
なかった患者のみだった。同様に75歳以上で見た場合、10カ月以上生存した人の
割合は、抗がん剤治療を受けなかった患者の方が高く、生存期間も長かった。
このため、肺がんでは抗がん剤治療は5年生存率に効果を示さない可能性があると
指摘した。胃がんと肝がんについては高齢の患者数が少なく評価を見送った。
政府は調査結果を基に、年齢や症状ごとに適切な治療を行うための診療
プログラムの作成を図る方針。抗がん剤治療の副作用で苦しむ患者の
QOL改善に役立てる考えだ。
以上はインターネット産経新聞より引用