今日のキーワード：英文クロスワードとペン回し。んで続き。

さて。創作の続きです。
今日のキーワードについては後ほど。
まずは続きお読みになってぇ～

『君は僕の運命』　第４話

「もう・・・ホンはここにいないのね・・・」
揺は彼の腕の中でそうつぶやくと自分のお腹にそっと手を当てた。
「うん・・・ここにはいないけど・・ここにはいる。それからここにもいる。」
ビョンホンはそういうと揺の手を自分の胸にあて自分の手を揺の胸に当てた。
「うん・・・そうだよね。ずっとここにいるよね。
もう泣かない。私、頑張るから。
またホンに会えるように頑張るから・・・でも・・・今だけ泣いていいかな。
今日だけ泣いていい？」
揺はそういうと彼の胸に顔をうずめ肩を震わせて泣いた。
「ああ・・・泣いていいよ。気が済むまで。
それにそんなに一人で頑張らなくてもいいよ。
辛いときは暴れてわがまま言っていいから。
蹴ってもぶってもいいから。
食べたいものがあったら何でもおごってやるから言えよ。
それから・・ずっと傍にいるから安心して寝ること。
悪い夢を見たら俺が食べてやるから。」
ビョンホンは真面目な顔でそういうと彼女をぎゅっと抱きしめた。
「嫌だ・・ビョンホンssi・・バクじゃあるまいし、夢まで食べてくれるんだ。」
揺はそういうと泣きながらゲラゲラと声を上げて笑った。
「お前の笑い声・・・何だかすごく久しぶりに聞いた気がするよ。」
彼はほっとした表情を浮かべ彼女の頬の涙を唇で拭った。
「揺・・一緒に頑張ろうな。」
「うん。ホンのためにも頑張らないと。パパとママだものね。」
二人はそっと見つめあいやさしいキスをした。
時計はいつの間にか0時を回っていた。
「きっといい年になる・・今年もよろしく」と彼。
「うん、いい年にしよう・・今年もよろしく」
揺はそういうと彼にぎゅっとしがみついた。




「ごめん・・もう食べられない・・ビョンホンssi・・もったいないから食べてくれる？」
揺は箸を置くと自分の食事が乗ったお盆をビョンホンに差し出した。
ビョンホンがスプーンに乗せてあげた煮魚とスープ以外ほとんど手をつけていない食事。
以前の揺からは考えられなかった。
「うん・・じゃ、次の食事はもうちょっと頑張って食べろよ。毎日こんなに残されたら俺が太っちゃうよ。」
ビョンホンは出来るだけ明るく答えた。
「太っちゃうなんて・・・何だかここのところあなたが痩せちゃった気がして心配してるのに」
「お前に心配されたくないね。そんなに胸小さくなっちゃって。」
「・・・そうね。最近育ててもらってもいないし・・栄養も胸までは回らないみたい。ごめん・・・眠くなっちゃった。ちょっと横になっていいかな」
揺は明るげにそういうとベッドに横たわった。
年が明けて揺の体調が落ち着くとすぐ術前の抗がん剤投与が始められた。
昔に比べれば格段副作用は少なくなったものの食欲不振と倦怠感は揺を悩ませた。
彼が傍にいてもベッドに座っていることさえ辛く話しさえ満足に出来ない日が続く。
彼が心配しているのが手にとるようにわかった。
彼にこれ以上心配をかけないようにと泣かないのがやっとの揺。
辛くて目を瞑る・・・・
どのくらい眠っていたのだろう。
揺が目を開けると
ベッドサイドに腰をかけたビョンホンは手元の英文クロスワードに目を落としていた。
「う・・・ん。ここは・・at　かなぁ～」
彼の右手は器用にペンを回している。
「相変わらず・・・落ち着きないのね」
眠って少し気分の落ち着いた揺はそういうとクスクスと笑った。
「え？何？」
聞こえなかったのかビョンホンが聞き返す。
「ううん。なんでもない。指が綺麗だなと思って」
揺は笑って答えた。
「そうかな。考えてみたことないけど」
ビョンホンはそういうと自分の手をまじまじと見つめた後、自慢げに左眉を上げた。
「気分はどう？」揺の額に手を当てて彼が訊ねた。
「うん。だいぶいい。それよりどう？クロスワード解けた？」
「楽勝だよ。」
ビョンホンは自慢げにそう答えると耳の上にペンを挟み、手に持ったクロスワードを揺に差し出した。
「たまにはPCも携帯も使えないのも悪くないね。クロスワードなんて何年ぶりかな。」
ビョンホンは嬉しそうに言った。
「ん？どれどれ。ははは・・面白いわね。」
「“Here’s lookin’ at you,kid“ね・・・今度言ってくれる？」
揺はそういうと悪戯っぽく笑った。
「え？そのセリフはボギーしか臭くて言えないだろ？」
「大丈夫よ。あなたなら。相当臭いセリフも言えると思うわよ。」
「それって誉めてるの？」
「もちろん・・・あら、ちゃんと出来てるじゃない。19across」
「ん？どれどれ。」
“The movie is destined to be a hit”
揺は笑って彼にそう告げた。
「当たり前だろ。俳優としてはいつも心がけてるさ。」
ビョンホンは自慢げに答えた。
「どうだか・・・怪しいな。でも、私はそんなあなたの生き方好きよ」
揺は悪戯っぽくそういうと彼の頬にそっとキスをした。
映画のプロモーションはどうなっているんだろう。
揺が入院して以来ほとんど彼は彼女に付きっ切りだった。
パソコンも使えず携帯もなくテレビもほとんどつけない生活。
揺は今まで自分のことに精一杯で彼の仕事のことをすっかり忘れていたことにふと気がついた。

「ビョンホンssi・・・舞台挨拶いつだったっけ？」
「ん？17日」
「いやだ・・あと三日しかないじゃない。こんなところでのんびりしてちゃダメよ。ほら韓国に帰って準備とかしないと」
「大丈夫だよ。いざとなったらここから行けば」
悪びれず答える彼。
「何、ばかな事言ってるの。そんなことしたら成田に出迎えに来るファンに申し訳が立たないでしょ。」
「そっかぁ・・」
「そっかぁ・・ってあなた」あまりの彼の暢気さに揺は苦笑いをした。
「これ以上映画俳優イ・ビョンホンを独り占めするわけいかないから。お願いだから帰って。」
揺は彼に言い聞かせるように言った。
「揺は僕に帰って欲しいの？」
彼は揺の顔を覗き込む。
「あ・・また眠くなっちゃった・・」
揺はそういうとベッドにもぐりこみ掛け布団を頭からかぶった。
「揺・・」
彼の呼びかけに答えたのは彼女の手。
布団からそっと出てきてバイバイの仕草をした。
「全く・・・」
ビョンホンはため息をつきながら病室を後にした。
きっと揺は布団の中でべそをかいている。間違いない。
ホンと別れた夜以来、揺は彼の前で泣かなくなった。
抗がん剤の副作用は辛いに違いなかったが弱音を吐くことはなかった。
ほとんど食事も喉を通らず起きて座っているのだって辛いくせに。
おそらくいつもビョンホンの仕事のことを一番に心配する揺が今まで仕事のことを口に出さなかったのはそれほど治療が辛く余裕がなかったという証拠だろう。
彼はそう思うと彼女のことが心配で仕方がなかった。
数日後には日本でのプロモーションが始まる。
彼女と一緒にいられる時間はあとわずかだった。
韓国の事務所からは何度もメールや電話が入っていた。
今回のプロモーション以外にも抱えている問題はいろいろあった。
次回作のこと。
事務所移籍のこと。
そして揺のこと。
考え出すと実際のところ夜もあまり眠れなかった。
仕事のことはともかく揺は俺がついていなくて大丈夫なんだろうか。
病院の中庭に出て携帯の電源を入れメールを受信すると驚くほどのメールが受信された。
「・・・・」
春のように暖かい日差しの中ビョンホンは大きなため息をひとつついた。




さて。いかがだったでしょうか。

まだちょっと辛いもののだいぶいつもの二人に戻ってきた感じでしょうか。

えっと。この回
いくつかこだわってネタ仕込んでみました。

まずはペン回し。
フィルムツアーのエンディング。
編集に立ち会うメガネ君の彼がペンをクルクル回している姿が・・・
忘れられない・・・・
それぐらい好き
うちの息子も回すのに情熱を傾けていて。
今度テレビチャンピオンで「ペン回し王選手権」とかやるの？
録画してくれっ！とか騒いでた。
何で息子が回すと鬱陶しくて。
彼が回すと素敵なのか・・・・それはヒミツ。
とにかくいずれどこかに盛り込みたいペン回し。
そして実現しました。
うんうん。美しい。

じゃ、ペン回して何を書かせるか・・・。
彼らしくちょっと知的で・・・・楽しいものって・・・

英文クロスワードパズル
いいんじゃない、いいんじゃない。
揺ちゃんと会話も弾みそうだわ。
んで何気に調べていたらこんな美味しいクロスワードを発見。

はい。コチラジャパンタイムズ英語クロスワード　映画編

これなかなか面白いので是非。
創作の中これを解いていた・・という設定にしてあります。
先日記事にした
映画「カサブランカ」のボギーことハンフリーボガートの名セリフもありぃ～の。
新作映画への思い入れありぃ～の。
揺ちゃんの何故か微妙な発言ありぃ～の。（堪忍して。呪縛・笑）
まあ、ほんちゃんストーリー以外でも楽しんでいただけると嬉しいと。


そうそう。写真はボムス君のいたずら書き。
何故かキャプってあった。（爆）
絵・・・・・・微妙？

話シリアスなのに・・・お笑いモードで。ミヤネヨ

それから業務連絡です。
コタツにみかん最終回レス付け忘れていたことに気づきまして。
本日お返事書かせていただいております。
大変失礼をいたしました。
このブログ　レススルーはありませんので
コメ頂いていてお返事がついていないものは気がついていないゆえ。
お心当たりのある方は是非お申し出くださいませ。
これからお返事させていただきます。