音信不通・・・20xx年9月
9月に5日間の大型連休があった。音信不通となる。休み明けに友人の電話番号を教えてもらった。
不穏な噂
20xx年の冬のことだったと思う。
主人が仕事上の会合出席時、当該地区の会長に呼び止められた。そこで耳打ちされた内容は意外なものだった。
「おいおいW(主人)さん、大丈夫か?お宅のお兄ちゃん(T彦)、『大学ですごいのに囲われてる』って話だよ。早く何とかしたほうがいいんじゃないの?このままじゃまずいよ。」
主人は神妙な面持ちで私にその話を持ち帰った。『囲われている』とは穏やかではない。『すごい…』って一体どういう意味なのだろう。義母の話に時折り登場する名も知らぬ『先輩』のことが、私達の脳裏にそれぞれ浮かんだ。
主人が会長から『噂話』を持ち帰ったのを皮切りに、『息子を囲っている女性』の件で複数のルートから情報が寄せられるようになった。共通していたのはその人物像が詳細には語られなかったことだ。その女性に近い筋からの情報であったことから身元を警戒してのことである。しかし、「とにかく『まずい』から、早く何とかしたほうがいい」ということだけは異口同音に繰り返し忠告された。それによりその女性の『行動』は、周囲からは嫌悪感をもって観察されているということを、私達夫婦は嫌でも感じ取ったのだった。