ハナウマ・ブログ

'00年代「ハワイ、ガイドブックに載らない情報」で一世を風靡した?花馬米(はなうま・べい)のブログです。

それでも公的年金制度に金を払いつづけますか?

2015年06月24日 | 沈思黙考

銀行口座への入金額を人生設計の発想のスタートにさせてしまいがちなサラリーマンは、今後もこの国の年金制度に自分のお金を「流出」させていかざるを得ないのでしょうか。
日本年金機構の約125万件の個人情報流出。まだ記憶に新しいベネッセの事案も吹き飛ぶような性質の、公的機関からの個人情報流出になりました。旧社会保険庁時代のずさんな管理と言い、もはや公的年金制度の信頼は崩れかけているといっても過言ではないでしょう。


日本年金機構は6月1日、基礎年金番号、氏名、生年月日、住所を含む個人情報約125万件が外部へ流出していたことを発表しました。詳細は各報道に譲りますが、なにより私が驚いたのは、税金制度などとならんで国家を支える重要な制度のひとつである公的年金の情報管理が、これほどずさんで、事後の対応も不可解で、しかも加入者の情報管理に関する重大な不祥事が続いているということです。
さらにいえば、日本年金機構という特殊法人に、公的年金制度の業務を委託・委任している日本国政府(厚生労働大臣)の正統性(legitimacy)にも、かかわってくるのではないかと思ってしまいます。


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「これでも国家のしくみを支える公的な組織と言えるのだろうか」
大手民間企業で(わずか10年ほどではありますが)、情報セキュリティ分野にも携わりながら働いていた筆者としては、日本年金機構という組織の、情報セキュリティに関するあまりに稚拙な現状に驚きました。

私は、ウィルスに感染したきっかけとなった職員を、それほど厳しく罰する必要はないと考えています。ニュース等で見る限り、職員が行った、または行わなかった事柄は人間集団である限り起こりうることなのであり、そういった点も含めて、組織としての対策や体制をとっていなかったことにこそ大きな問題があります。

情報セキュリティというものに対して組織としてどう向き合っていたのかを検証し、上層部の責任を明らかにすることが大切だと思っています。そして、まだまだ日本国内にたくさん存在する「人任せな組織管理者」に対する警鐘となるような処置を期待しています。
さらには、個人情報を取り扱う組織の管理者に対する、禁固や罰金といった処罰規定の整備も検討されるべきだとも考えています。あまりにも牧歌的な組織管理者が多すぎることは、情報セキュリティのテクノロジ論以前に、大切なことなのではないでしょうか。

立ち止まってよく考えてみると、日本国民の、この時代のこの国の仕組みに対する問題意識や、政治参加意識の低さをなんとかしない限り、日本という国が今後発展することは決してないでしょう。代議制民主主義のしくみ、サラリーマンの源泉徴収制度、複数の制度に分かれている年金制度...。
マレー半島の突端に、わずか東京23区ほどの面積しかないシンガポールという国の、国民一人あたりのGDPは約56,000ドル。日本は約36,000ドルといいます(2014年の一人あたり名目GDP)。
「置いて行かれる日本」という言葉も浮かんできます。

そういえばお恥ずかしい話ですが、サラリーマンから個人事業主に身を転じたことによって、国民年金の支払いにも苦しんでいる筆者のもとには、支払催促の連絡がこれまで頻繁に来ていました。
ところがこの一件以来、それがパタリとなくなりました。

さて、もうすでに始まっている少子高齢化。華々しい東京オリンピックあたりから急激に減少していく人口。決して貯金のような仕組みではない年金制度。
惰性に流されたまま、これからも支払い続けますか?
老後にせめて支払った金額だけでも受給できるのだという確信や信頼はお持ちですか?
この時代のこの国の仕組みに、なにか問題意識を持っていますか?


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