二章
BROTHER
2023年
何よりです兄さん
ダニヨも元気そうじゃの
ええ
どうしておった
スペインに行ってました
スペイン!
ええ
何のために
観光です
エッフェル塔か!
それはフランスです
サグラダ・ファミリアとか
おお
そうか
・
飛行機で行ったのか
いえ
船です
なんと!
日本からイギリスまで船で!
スペインです
あれか
コロンブスにでも憧れておるのか
ヴァスコの方ですね
ビスコが好きなのか!
はい
それでいいです
ほうか
ほうか
ええ
・・・
・・・
・・・
よっしゃ!
・・・
ほーかほーか
・・・
兄さん
まさか
弟よ
待ってます?
土産とか
い、いや
何を言っておるのじゃ
兄さん
もう91歳ですよね
ほうじゃ
1932/5/15じゃ
ありませんよ
それでも兄弟け!
いい齢なんですから
だからこそじゃ!
もうすぐなんじゃぞ!
ええ
お前だって、
いくつじゃ!
87
1936/2/26です
こっちは
ワシの弟の
こんにちは
いいのう
ララタは
平和な時代に生まれてのう
うん
おじいちゃん達のおかげだよ
ほほう
いくつじゃ
小学6年生だよ
ほほう
6年生か
いいのう
楽しくてしょうがないじゃろ
うん、でも
実は
僕はあまり
幸せじゃないんだ
なせじゃ
どうしてじゃ
僕は6年生
でも
みんな5年生のルチカを頼るんだ
ルチカは賢くて頼りになるから
僕みたいなピエロなんかより・・・
ふむふむ
なるほど
そんな事情が
うん
大丈夫じゃ
大丈夫
僕は
情けない
ピエロ
うらやましいのう
羨ましいのう
えっ
それでいいんじゃ
道化か
負けておれ
惨めでいいんじゃ
そんな
屈辱まみれか
惨めな男ほど
かっこいい者はいない
みじめ・・・
お主みたいに
底辺におれば良い
底辺の方が重いじゃろ
皆を支えるから
別に底辺とは言って・・・
その重みが、
人間を鍛える
お主のように底辺におるとな
お前のように
底辺にずっと
這いつくばっている人間は
いつか、な
いや、別に
底辺とは言ってないん
革命じゃ!!!
REVOじゃ!!!
うわ!
びっくりした!!
底の底で重みを背負い鍛えられた人間にだけ
その資格は与えられる
重み・・・
重みはいつしか
想みに変わる
想み?
革命の心じゃよ
底の底におればよい
そこまでは言って・・・
お主のようなピエロがのう
革命が起きたらどうなる?
えっ
道化は本物になる
底の底は、
頂点になる
・・・
その時には
突き刺してやれ
旗?
ふん
つまらんことを言うな
反抗せよ、若いの
第二章
BROTHER
完
#オスア
#ダニヨ
#ララタ
#なかゆび