左利き書道家のつれづれ

展覧会案内、作品について、日常の記録を発信していきます。

ART SHODO SELECTION in Tokyo #2

2023-01-28 08:29:00 | 日記
東京の三鷹市芸術文化センターにてART SHODO SELECTION in Tokyo #2 が開催されました。
今回は出品作品について解説したいと思います。


【出品作品】

shape of happiness

和紙にボンド墨

2023


【ステートメント

紙面全体に「幸」という漢字を草書にした形を参考に規則性のある造形にアレンジさせて、繰り返し書いている。


紙面に用具用材を変えながら色んな時間軸で書いており、様々な幸せの形を表現している。

また、抽象的な動きは言葉に表せない形を表している。

雪舟の山水画のような味わいを意識しながら、墨の濃淡を巧みに表現している。


成人してから自分は果たして結婚できるのか?と考えながら生活を送っていた。


周りは結婚、出産をして幸せな家庭を築いている。しかし、これはあくまで幸せの形の一つに過ぎないの気づいた。


幼少の頃から両親は、毎日のように殴り合いの喧嘩をよくしていたが、改めて2人は結婚しない方が幸せだったのではないかと思った。


この体験を通して、自分自身自由に生きたいという気持ち、そして両親ができなかった独身でいるという決心がついたのである。


現代は人間関係や、子育て、病気、格差社会など生きづらい世の中になってしまった。


その中で自分の境遇をどう捉えるか、真の意味で自由という形が問われていると考える。


この作品を書きながら改めて自分の人生について考え直すきっかけとなった。



とき・2022127日(金)〜29日(日)

場所・三鷹市芸術文化センター


〜開催日程〜

1/27(金)13-20

1/28(土)11-18

1/29(日)11-17


個別審査会

今回は個別に審査を行います。司会は各回とも山本尚志が担当。ご多用中のギャラリストの方は、後日映像による審査を行います。


・田口良成さん(田口美術)

1/27(金)15時から


・田中千秋さん(秋華洞)

1/28(土)11:30から


・山本豊津さん(東京画廊+BTAP

1/29(日)14時から


優秀賞

各ギャラリーからのデビュー


次点

ギャラリストが期待するアーティストを指名


司会

山本尚志(書家・現代アーティスト) 


主催

ART SHODO FESTA


書を志したきっかけ②

2023-01-22 19:26:00 | 日記

高文連に出品し、初めて部活動で大会に参加し新鮮な気持ち。自分の作品はどう評価されるのか不安と期待が入り混じっていた。

無事高文連賞を取ったが、先生にはお前の作品は全国候補に選ばれてると言われた。

まさか。

こんなにうまく行くはずがないと思っていたが、自分の作品よりも会場で一際目立つ作品が。

それはライバルの作品。この話はまた今度。

高校時代、部活は毎日休みもなく、朝から晩まで書き続けた。

1日半紙150枚と勝手にノルマを課していた。

色んな展覧会で入賞して、子供の時に考えていた文字を書く事へのコンプレックスはいつの間にかなくなっていた。

高校3年の時に、これから進路をどうするか、考えている時に全国高校総合文化祭に参加して、自分も書道を続けることを決意した。

それと同時に自分より上手い人が沢山いて内心萎えた気持ちもあった。

書を続けようと思ったきっかけは全国大会で知り合った、今は亡き友達との出会いがある。

彼の作品のような作品が書きたいと思ったのもあるし、全てを見通しているような眼差しで、不思議な魅力があった。

手紙のやり取りは何度かしていたが、そのあとは音信不通。

高校を卒業し、四国大学の書道文化学科に入学。

全国大会で訪れた徳島という土地をもう一度くることになるとは。不思議で感慨深かった。

大学の講義では、会派も違う教授陣で、今まで書いていたものとは全く違っていて勉強の毎日。

そんな中大学に作品制作室のいう部屋があり、友達にそこで書こうと誘われ、展覧会で作品を書いていた。

自分はいつもの調子で、音楽をヘッドホンで聴きながらエアギターをしてウォーミングアップ。これは今も変わらない。

後で先輩から聞いたがみんな驚いていたらしい。

そこから変な奴が来たと噂になり、自分が書いた作品を見てみたいと話しかけてもらえるようになった。

会派が違えど、書に志している身としてみんな仲良かったのがとても印象に残っている。

展覧会が近づくと基本土日は作品制作室で徹夜をする日々。

深夜3時まで書いて近くのローソンの駐車場でカップ麺を食べ帰るそんな毎日。

つづく



書を志したきっかけ①

2023-01-21 20:45:00 | 日記

「なぜ書道なんか始めたんだろう」と長年考え続けたことを朝から考えていた。あんなに小さい頃から、文字を書くことに嫌がっていた自分が書を志すようになったのだろうか。



物心ついたころから物を掴むときに左手をよくつかっていたと母親から聞いた。


兄が通っていた保育園に入園した時に、母親が先生に相談した結果、矯正をせず左利きのままになった。


小学校の頃、左利きを差別する先生が多く、なぜ自分だけ左利きなのだろうと葛藤する日々を送っていた。


ずっと文字を書くをことに対してコンプレックスがあり、「いつか右利きで書いた綺麗な文字が書きたい」そんな憧れがずっとあった。


習い事で書道教室に通う同級生が羨ましく、何度も母親に相談したが、習字を習っていた母親には許してもらえず、諦めていた。


しかし中学校に入学したとき、部活動紹介で国語の先生が書道同好会を作り、勧誘を兼ねた書道パフォーマンスを披露した。


見たことのない大きな筆で「熟慮断行」と書いた文字に魅せられ、ワクワクした。また書道がしたいと思った。


母親には、書道同好会に入部したいとは言えず、一人で100円ショップで道具を揃え、黙々と自宅で書いていた。書いても書いても、自分の思い通りに書けず、また悩んだ。


しかし勉強の合間、目標や推しのアイドルの愛のメッセージを書いていた。


その後とある休日、部屋に貼っていた書いた作品を見て、母親に初めて褒めてくれた。とても嬉しかった。


高校に入学し、書道部に入部するか相当悩んだが、母親は許可してくれた。


先生には「全然問題ない。木簡を書け。」

そんなことを言われ、土日関係なく部活の日々を過ごした。


夏休み前まで上手く書けず、とても苦しかった。


特に先生から指導もなく、月に一度しか来ない天才な先輩から教えてもらったが、なかなか書けず悶々と過ごしていた。


夏の書道部合宿の時に来ていた先生の師匠にあたる方に手本を書いてもらった時に筆の動かし方がわかるようになり、そこでやっと渇筆が書けるようになった。


ずっと書きたかった線が書けるようになり嬉しかった。高文連など様々な展覧会に向けて作品制作をしていた。


【つづく】


【展覧会案内】ART SHODO SELECTION in Tokyo #2

2023-01-15 19:44:00 | 日記
2023年を迎え展覧会の予定が続々と決まっています。新作を書く日々ですが、一枚一枚魂を込めて製作しています。

ART SHODO SELECTION in Tokyoでは大作を発表予定です。こちらも楽しみにしていただけると幸いです。

詳しい情報は下記にて。

【展覧会のお知らせ】
ART SHODO SELECTION in Tokyo #2

とき・2022年1月27日(金)〜29日(日)
場所・三鷹市芸術文化センター

〜開催日程〜
1/27(金)13-20時
1/28(土)11-18時
1/29(日)11-17時

個別審査会
今回は個別に審査を行います。司会は各回とも山本尚志が担当。ご多用中のギャラリストの方は、後日映像による審査を行います。

・田口良成さん(田口美術)
1/27(金)15時から

・田中千秋さん(秋華洞)
1/28(土)11:30から

・山本豊津さん(東京画廊+BTAP)
1/29(日)14時から

優秀賞
各ギャラリーからのデビュー

次点
ギャラリストが期待するアーティストを指名

司会
山本尚志(書家・現代アーティスト)

【展覧会案内】書と非書の際

2023-01-15 12:24:00 | 日記
2023年一発目の展示は京都で開催される
「書と非書の際」です。
会期中、臨時休館のため不規則なのでご注意ください。よろしくお願いします

今回はメインも小作品も「水」をモチーフにした作品を出品しております。作品のステートメントについては展示が始まったら記載したいと思います。
お近くの皆様是非ご覧ください。よろしくお願い致します。

【小作品展示】
JARFO 京・文博
2023年1月25日(水)~2月5日
(文博臨時休館 2月7日~2月14日)
2月15日(水)~2月26日(日)
11:00-18:00(最終日 16:00)
【休廊】 月曜・火曜 2/7〜2/14

【メイン作品展示】
JARFO ART SQUARE
2023年1月25日(水)~2月19日(日)11:00-18:00(最終日 16:00)
【休廊】 月曜・火曜のみ

企画/主催:特定法人京都藝際交流協会JARFO