左利き書道家のつれづれ

展覧会案内、作品について、日常の記録を発信していきます。

書を志したきっかけ①

2023-01-21 20:45:00 | 日記

「なぜ書道なんか始めたんだろう」と長年考え続けたことを朝から考えていた。あんなに小さい頃から、文字を書くことに嫌がっていた自分が書を志すようになったのだろうか。



物心ついたころから物を掴むときに左手をよくつかっていたと母親から聞いた。


兄が通っていた保育園に入園した時に、母親が先生に相談した結果、矯正をせず左利きのままになった。


小学校の頃、左利きを差別する先生が多く、なぜ自分だけ左利きなのだろうと葛藤する日々を送っていた。


ずっと文字を書くをことに対してコンプレックスがあり、「いつか右利きで書いた綺麗な文字が書きたい」そんな憧れがずっとあった。


習い事で書道教室に通う同級生が羨ましく、何度も母親に相談したが、習字を習っていた母親には許してもらえず、諦めていた。


しかし中学校に入学したとき、部活動紹介で国語の先生が書道同好会を作り、勧誘を兼ねた書道パフォーマンスを披露した。


見たことのない大きな筆で「熟慮断行」と書いた文字に魅せられ、ワクワクした。また書道がしたいと思った。


母親には、書道同好会に入部したいとは言えず、一人で100円ショップで道具を揃え、黙々と自宅で書いていた。書いても書いても、自分の思い通りに書けず、また悩んだ。


しかし勉強の合間、目標や推しのアイドルの愛のメッセージを書いていた。


その後とある休日、部屋に貼っていた書いた作品を見て、母親に初めて褒めてくれた。とても嬉しかった。


高校に入学し、書道部に入部するか相当悩んだが、母親は許可してくれた。


先生には「全然問題ない。木簡を書け。」

そんなことを言われ、土日関係なく部活の日々を過ごした。


夏休み前まで上手く書けず、とても苦しかった。


特に先生から指導もなく、月に一度しか来ない天才な先輩から教えてもらったが、なかなか書けず悶々と過ごしていた。


夏の書道部合宿の時に来ていた先生の師匠にあたる方に手本を書いてもらった時に筆の動かし方がわかるようになり、そこでやっと渇筆が書けるようになった。


ずっと書きたかった線が書けるようになり嬉しかった。高文連など様々な展覧会に向けて作品制作をしていた。


【つづく】