映画中の、母(?)と少年の15年ほど過去の時代を演じてもらう。
女は、少年の母かもしれないし母ではないかもしれなかった。
撮影までには、6~7歳の少年を捜さねばならない。
この(この時は)健康的なコトウロレナが、路上の夜の女を演じる。
どんな変身を見せてくれる?
素と虚栄をさ迷いながら、女は男どもをギクリとさせる素顔も持つ。
光りを欲するのは影だ。
光りは、影の部分を宿命だと思うのだろうか?
陰の闇が深まれば深まるほど、光りはまばゆい。
幻影かもしれない光りの眩さこそ憧れの姿だ。
そしてその女を、母として見続ける少年の眼差しが物語のリアルを生み出さねばならない。
この少年の眼差しこそ、物語を導くのだと思う。
在り得たか在り得なかったか…そのように始まる物語?
この世界の虚実を分かつ、皮膜の向こう側の世界?
イヤイヤこの世の虚実は、こちら側の虚実に決まっている。
しかし、僕らは夢を見続けているのだ。