2005年4月の句 2007年05月21日 | 俳句 おっとせい消えしところへ花吹雪 傘といふ無言がよぎる花の下 変らざるものの一つに花吹雪 盲導鈴さわに桜の咲きし径 葉桜の家出するには今が良し 日本国中どこでも似合う鯉幟
2005年3月の句 2007年05月20日 | 俳句 鑑真忌かすかなれども黄砂降る 梅満開逆さの富士も恙無し 遠足が素通りしたる茂吉の碑 方十歩芽吹きの中の文学碑 着水も飛翔も対の残り鴨 仇討ちをわするる春の沼歩き 一枚の板3月の空と沼
2004年11月の句 2007年05月16日 | 俳句 水仙を見つめすぎ我れ寸となる ピアノ叩いて冬の洗濯満艦飾 のこり柿となりの柚子をあかるくす 容美きあけびの天の突き抜ける 綿虫の引っぱってくる荷船かな 晩餐つるべ落としの日を支ふ 裸電球ともし教会堂秋さぶる ぼろ切れを丸めただけの案山子かな
2004年10月の句 2007年05月15日 | 俳句 熟れ通草羽ばたき止めし形なり 勾玉のあけびを包む天の青 サルビヤに落ちたる虫のほむらなす 枯あけびふっくらとして歪むなり 銀杏と漢字で書けば匂ひ出す サルビアが焦げたての虫吐き出せり
2004年9月の句 2007年05月14日 | 俳句 栃の実はくすぐったくてすぐはねる かなかなが風呂を沸かして仕舞ひけり 星渡る音か草の実降る音か 対岸の葦の枯色ねずみ罠 こと切れしちちろの脚の宙に浮く 長糸瓜叩けば話しかけてくる 立食の女たくまし夜の秋 みちのくのせつなき釣瓶落しかな
2004年8月の句 2007年05月13日 | 俳句 欠き氷手に掻きこぼす燻し銀 白桃の勾玉色のうぶ毛かな 白百合を吸はんと蝶の生れけり アルミ缶蹴れば炎暑がわめき声 みんみんのみんと声はね川よどむ 逆光のとんぼの眼玉瑠璃光り