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日々一句

俳句と川柳
    浅見 まさし

2005年11月の句

2007年05月27日 | 俳句
自転して地球も乾く干大根

一本の杭打つ力十二月

柚子一つ勾玉となり暮れなづむ

2005年5月の句

2007年05月22日 | 俳句
てんと虫になりきつた子の深まなざし
赤福の赤の暖簾に初つばめ

すき透るまで葉桜のゆれ通し

葉桜も筋金入りとなりにけり

2005年4月の句

2007年05月21日 | 俳句
おっとせい消えしところへ花吹雪
傘といふ無言がよぎる花の下

変らざるものの一つに花吹雪
盲導鈴さわに桜の咲きし径

葉桜の家出するには今が良し
日本国中どこでも似合う鯉幟

2005年3月の句

2007年05月20日 | 俳句
鑑真忌かすかなれども黄砂降る

梅満開逆さの富士も恙無し
遠足が素通りしたる茂吉の碑

方十歩芽吹きの中の文学碑
着水も飛翔も対の残り鴨
仇討ちをわするる春の沼歩き
一枚の板3月の空と沼

2004年12月の句

2007年05月17日 | 俳句
少年の髭うっすらと年つまる
びようびようと暮れかねてゐる冬桜
理髪屋の鏡が散らす冬のばら
案山子翁とは品恵まれし老案山子

2004年11月の句

2007年05月16日 | 俳句
水仙を見つめすぎ我れ寸となる
ピアノ叩いて冬の洗濯満艦飾

のこり柿となりの柚子をあかるくす

容美きあけびの天の突き抜ける

綿虫の引っぱってくる荷船かな

晩餐つるべ落としの日を支ふ
裸電球ともし教会堂秋さぶる
ぼろ切れを丸めただけの案山子かな

2004年10月の句

2007年05月15日 | 俳句
熟れ通草羽ばたき止めし形なり
勾玉のあけびを包む天の青

サルビヤに落ちたる虫のほむらなす
枯あけびふっくらとして歪むなり

銀杏と漢字で書けば匂ひ出す
サルビアが焦げたての虫吐き出せり

2004年9月の句

2007年05月14日 | 俳句
栃の実はくすぐったくてすぐはねる

かなかなが風呂を沸かして仕舞ひけり
星渡る音か草の実降る音か
対岸の葦の枯色ねずみ罠
こと切れしちちろの脚の宙に浮く

長糸瓜叩けば話しかけてくる
立食の女たくまし夜の秋
みちのくのせつなき釣瓶落しかな

2004年8月の句

2007年05月13日 | 俳句
欠き氷手に掻きこぼす燻し銀

白桃の勾玉色のうぶ毛かな
白百合を吸はんと蝶の生れけり

アルミ缶蹴れば炎暑がわめき声
みんみんのみんと声はね川よどむ
逆光のとんぼの眼玉瑠璃光り