『身辺雑記帳 』

 
 
  - 穏やかな日々に 感謝 して-

続 「何者」

2013年04月26日 | 日記
昨日の朝日新聞、論壇時評に「シューカツ」が取り上げられていた
作家・高橋源一郎氏が書いている 『なんだか おかしいですよね』
とても興味深く読んだ、朝井リョウ「何者」にもふれられていたから

先日書いたように 私は最初、何者って「自分はいったい何者なんだろう」って、就活生が自問自答することだと思ってた
でも、本を読んで「(他者とは違う)何者かになりたい」って切望する現代の若者の心の叫びのようなものを感じたの
ところが、高橋氏は
―― シューカツの中で彼らは「仮面」をかぶることを強制される。会社(社会)にとって有益な何かをできる、積極的にしようとしている「何者」か、という仮面だ ――
―― 今日も、リクルートスーツに身を包んだ若者たちが、会社(社会)の求める「何者」に憑依して、会社訪問に出かけている――
と、このように 説明している

面白いなぁ・・・ 
同じ小説を読んでも、感想は人それぞれ! 受け取り方もいろいろなんだもん

そんな訳で、世の中のみなさんが どんな感想をお持ちなのかググッてみたのですよ

**「何者」というホラー小説を読んだ。・・・  読んでしまったとしか言いようのない この読後感
  心の中のもやもやを吐き出してしまわないと怖くて夜眠れないんじゃないだろうか

** 読み始めて最初にびっくりしたのは 「私たちの日常のリアルって、こうやって物語になるんだ」
  ということだった

** 今、現代っ子が一番他人に言われたくない言葉ナンバー1が 「痛い」なのではないでしょうか
  「痛い」とはつまりセルフイメージ (自分の思う理想の自分) と、外的評価のずれのことです
  特に就活生というのは自分の理想とする高いセルフイメージが、就活という壁によって
  縮小・断念していくという痛ましい経験を通過していかなくてはいけません

** 正直、これを読んで twitter もうやめようかと、ちょっと悩みました
  あらためて、自分がとても痛い存在であることを 再確認させられた気がして

** 就活小説という上っ面を通して描かれるのはSNSによって繋がったりちぎれたりする人間関係の
  脆さと、したたかさと、エグさ
  ネット上に自分の近況や考えを垂れ流すことへの
  耳が痛すぎる指摘 <<<これなんて、今こうしてブログ書いてる私にも当てはまります


** 20代は「何者か」になることで必死であり、それでいい
  しかし30代 40代ともなると「何でもないもの」として、どう生きるかというもっと難しい問いが待っている

** 読み終えると分かるが、本書が描くのは就活そのものではない
  就活への不安や焦り、就活の現実が丹念に描かれるのは確かだが、それはあくまでも
  本書が最も鮮やかに描ききったものを 際立たせる為の状況にすぎない
  では、本書が描いているものとは いったい何か?
  それは、このソーシャルメディアの時代における観察することと、観察されることの二面性だ


いろんな読み方に、刺激を受けたり 共感したり

昔は、読書しても 父母や妹、夫、子ども・・・ 同じ本を読んだ友人としか感想を述べ合うなんてことできなかったけれど
今は、インターネットで いろんな人の感想を読めちゃうんだものね
ありがたいです










「何者」

2013年04月23日 | 日記
「就活が終わった今だからこそ読める!」と、のの字が買ってきた
「何者」 朝井リョウ

私も読みたかったんだよね、これ
なんたって「桐島、部活やめるってよ」の作者だもん

のの字が読み終わるのを待つこと、二日
「どうだった? ネタバレしない程度で教えて」と、私
その答が、「まあ ハッピーエンドではないかな… 」

履歴書に貼る証明写真のイラストが並ぶ表紙カバー
しかも、顔にはすべて目が描かれていない
鼻と口はあるんだけれどね、でも目がないと のっぺらぼうの印象

私は、「何者」って 就職活動をしている学生が企業との面接に備えて
「いったい 自分は何者なんだろう !? 」って、自問自答する様子を思い描いていたの
面接で「自己アピールをしてください」とか「あなたの長所は何ですか?」って、聞かれるだろうから

完全に思い違いでしたねぇ、私の

「そうしてればいつか、今の自分じゃない何かになれるって思ってんでしょ?」
「自分じゃない何者かになったつもりになってるんだよ」
「いつか誰かに生まれ変われるって思ってる」
「いつか、昔あこがれたような何者かになれるって、今でも思ってる」
「いい加減 気づこうよ。私たちは、何者かになんてなれない」
「自分は自分にしかなれない。痛くてカッコ悪い今の自分を、理想の自分に近づけることしかできない」
「ダサくてカッコ悪い今の自分の姿で、これでもかってくらいに悪あがきするしかないんだよ、もう」
「誰にどれだけ笑われたって・・・・・・がむしゃらにあがく」
「笑ってないと もうまっすぐ立っていられないんだよね」
「そうやってずっと逃げてれば?」
「もう、立っていられないんだよね」

物語の終盤に突然ドスンと、怒涛の詰問、なじり、追及の嵐
こういう責め方って、やっぱり女子から男子へされるものかなって思う
男子は、そこまで残酷にはなれないんじゃないかなぁ

責める方も責められる方も 同じ穴のムジナだねって、私も傍観してはいられない
就活という特殊な状況に置かれていなくても、こういう思い (嫉妬やら自省の念やら自己嫌悪) って、人間なら誰だってあると思う

ツイッターとかフェイスブックなんて現代のメディアツールが無い時代だって、人の気持ちは同じだ
これを青春ものというには、痛々しすぎる
実際に就職活動中だったら、身につまされて辛いだろう

結末は、確かに なんとも言えない凄みがあるけれど
のの字いわく「ハッピーエンドではないかな… 」には、私は反対
これは、ハッピーエンドを予感させる終わり方なのだと思いたい……

―― 不思議と、そう思えた。―― と、小説は終わる。   私も、そう思いたい 


 P.S. ところで、登場する若者はみな下宿生
    その一点だけでも、我が家の のの字より立派に自立している
    「就職活動は団体戦」って言葉が、小説内に出てくるけれど
    うちは親(私)も協力したもんねぇ
    ワイシャツにアイロンかけたり、靴磨いたり
    どんなに疲れて帰宅しても ご飯が待ってるって状況は、かなりアドバンテージあるんじゃない


内定

2013年04月11日 | 日記
のの字の就職活動、めでたくフィナーレを迎えました

八日月曜日に内定の電話が かかってきました
ありがたいことに、そこが第一志望だったので
継続中の他企業には 辞退の連絡を入れ、のの字の就活が終わりました

本人とても嬉しかったでしょう、 私もホッとしました

「大学では福沢諭吉の伝記を読むよう言われたけれど、今度は岩崎弥太郎の本を読まなきゃならないかな

「開発途上国の支援となるような仕事がしたい」
「ワールドワイドなプロジェクトに関わりたい」 と、言ってたね
その夢に一歩近づけたのかな・・・

何しろ、まだまだ これからだよね
まずは、学生生活最後の一年を充実させて  しっかり

「愛と誠」

2013年04月04日 | 日記
公開していた頃から気になっていた映画、本日 DVDで見ることができました
その昔、原作コミックを夢中になって読んだものです
本気で、太賀誠に 胸キュンキュンさせてた、あの頃の私って・・・
可愛かったのか、おバカだったのか

原作のヒットを受けて、当時も映画化されましたが
太賀誠役が西城秀樹というので、私のイメージぶち壊しとガッカリしたものです(今となっては、なかなかカッコよかったんじゃないかなって思ったりもしますが)

時代設定は昭和のままで作られた、平成版「愛と誠」
ミュージカル仕立て?(歌謡ショー)で 妻夫木聡・武井咲をはじめ出演者が皆 歌い踊るというので楽しみにしてました

なんかもう、ばかばかしいのか 真面目なのか コメディなのか ふざけているのか 本気なのか
これって、劇場で 他の観客と一緒にクスッと笑ったり、「なんなんだ、これは~」って突っ込み入れたりしながら観れたら、すっごく楽しいだろうなぁ

スケバン女子高生ガムコ役の 安藤サクラさん、怪演 いいわぁ~ 思いがけずソプラノ美声で、歌も上手い

「早乙女愛、君のためなら僕は死ねる」の岩清水役が、斎藤工さん、二枚目俳優のはずが・・・
メガネ・七三分けの微妙な長髪で、原作の一途さよりも 変態ストーカーっぷりが強調されてて、座王権太をさしおいて、この映画の中で一番のボケ役だったのでは

先日まで見ていたテレビドラマ「カラマーゾフの兄弟」で、安藤サクラと斎藤工が 母と息子役だったなんて・・・

もちろん 主演の妻夫木くん・咲ちゃん、良かったです
早乙女愛の純粋さを、世間知らずな勘違い女として ぎこちなく鈍くさく演じているのが 可愛い
妻夫木くんは、歌・踊り・アクションすべて微妙なんだけど、それでもカッコイイ

そして 太賀誠の子ども時代の加藤清史郎くん、演技こんなに巧かったっけ!?

子ども時代の誠(清史郎くん)が良かったので、自分を捨てた母との再会シーンが活きましたね
コメディタッチのノリで進行しつつ、最後はウルッとさせる
私、まんまと はまりました

もう一回 原作も読んでみたいなぁ
今だったら、どんな感想を持つんだろう