【問題】
第23問
賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記の登記権利者は、当該賃借権の賃借人であり、すべての先順位抵当権者が登記義務者となる。
イ 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記は、当該賃借権につき仮登記がされている場合は、することができない。
ウ 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記は、民法第378条の改正規定の施行日(平成16年4月1日)前に設定された賃借権についてはすることができない。
エ 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記の申請をする場合には、登記の目的は「○番賃借権変更」とし、登記原因は「平成○○年○月○日同意」とする。
オ 先順位抵当権に優先する同意の登記をした賃借権の賃料が減額されたため、当該賃借権の変更の登記を申請する場合、先順位抵当権者は、当該賃借権の変更の登記について登記上の利害関係を有する第三者に当たる。
(参考)
民法(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の効力)
第387条 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
2 抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。
1 アウ 2 アオ 3 イウ 4 イエ 5 エオ
【感想】
先順位抵当権に優先する同意についての問題。ついに、というか、やはり、というか。しかも、本試験では条文まで付いているので楽だったかな・・いや、解いてみると何の参考にもなっていないですね(笑)。申請書の雛形を知っていれば解ける問題です。
【考察】
肢アは、基本。先順位抵当権に優先する同意は、「年月日同意」を原因とする「共同申請である」というところで、これは順位変更と似ているようで違う部分。権利者である賃借権者と、義務者である先順位抵当権者の共同申請になります。したがって、○。
肢イは、登記研究710-205にあるそうです。まぁ、ここは順位変更と同じような意味合いで考えれば良いかと。したがって、×。
肢ウは、平成15年の先例にあるそうですが・・いや、これを認めないと賃借権者に不利益になる場合も多くなるでしょう。6ヶ月の猶予だけになってしまって、まったく対抗できなくなるなんていうことになるんではないでしょうか。抵当権者の同意もあるわけだし、常識的に考えて認めるべき。したがって、×。
肢エは、「3番賃借権の1番抵当権、2番抵当権に優先する同意」というように書くので「賃借権変更」というパターンではないです。したがって、×。
肢オは、賃借権の減額をすると、同意をした抵当権者にとって不利益になる場合もあるので、賃借権の内容が賃借人に有利に変更された場合には、登記上の利害関係人にあたる(先例平15.12.25-3817)。したがって、○。
正解は、2です。
第23問
賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記の登記権利者は、当該賃借権の賃借人であり、すべての先順位抵当権者が登記義務者となる。
イ 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記は、当該賃借権につき仮登記がされている場合は、することができない。
ウ 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記は、民法第378条の改正規定の施行日(平成16年4月1日)前に設定された賃借権についてはすることができない。
エ 賃借権の先順位抵当権に優先する同意の登記の申請をする場合には、登記の目的は「○番賃借権変更」とし、登記原因は「平成○○年○月○日同意」とする。
オ 先順位抵当権に優先する同意の登記をした賃借権の賃料が減額されたため、当該賃借権の変更の登記を申請する場合、先順位抵当権者は、当該賃借権の変更の登記について登記上の利害関係を有する第三者に当たる。
(参考)
民法(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の効力)
第387条 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
2 抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。
1 アウ 2 アオ 3 イウ 4 イエ 5 エオ
【感想】
先順位抵当権に優先する同意についての問題。ついに、というか、やはり、というか。しかも、本試験では条文まで付いているので楽だったかな・・いや、解いてみると何の参考にもなっていないですね(笑)。申請書の雛形を知っていれば解ける問題です。
【考察】
肢アは、基本。先順位抵当権に優先する同意は、「年月日同意」を原因とする「共同申請である」というところで、これは順位変更と似ているようで違う部分。権利者である賃借権者と、義務者である先順位抵当権者の共同申請になります。したがって、○。
肢イは、登記研究710-205にあるそうです。まぁ、ここは順位変更と同じような意味合いで考えれば良いかと。したがって、×。
肢ウは、平成15年の先例にあるそうですが・・いや、これを認めないと賃借権者に不利益になる場合も多くなるでしょう。6ヶ月の猶予だけになってしまって、まったく対抗できなくなるなんていうことになるんではないでしょうか。抵当権者の同意もあるわけだし、常識的に考えて認めるべき。したがって、×。
肢エは、「3番賃借権の1番抵当権、2番抵当権に優先する同意」というように書くので「賃借権変更」というパターンではないです。したがって、×。
肢オは、賃借権の減額をすると、同意をした抵当権者にとって不利益になる場合もあるので、賃借権の内容が賃借人に有利に変更された場合には、登記上の利害関係人にあたる(先例平15.12.25-3817)。したがって、○。
正解は、2です。