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水の恋 / 池永 陽

2024年09月03日 | 読んだ小説
                    

☆☆
主人公の男性の親友は、渓流釣りで濁流に呑まれての事故死なのか自殺なのか失踪なのか。
そして、男性は妻と親友との間に過去に何かあったのかと疑心暗鬼になりながら、消えた(死んだ?)
親友の謎を解明するために奥飛騨の神馳淵に生息するという伝説の仙人イワナ(人面魚)に挑む。
何で仙人イワナを釣り上げると死んだ?親友の謎が解明できるのかイマイチ意味不明なのだが・・・。
でも、人面魚の面相には最初の方から察しがついていたし、多くの読者もそうだっただろう。

この物語、一言で言ってしまえば嫉妬深く女々しい優柔不断な男の話で、大学時代に主人公と親友と現在
は主人公の妻になった女性の3人は友人同士で、主人公と親友は、女性に対して抜け駆けはしないと誓い
合ったが、ある一夜に親友と女性との間に関係があったのではないかと疑っている。
それが事実なら2人に裏切られたと当時ショックを受けたのも分からないではないが、何の確かな証拠も
ないし、そうだとしても、その後に親友は死んでしまい?、そのすぐ後に女性は、主人公と結婚してくれ
たのだから全然OKで、それでいいと思うのだが。 別に結婚後に妻が親友と不倫したわけでもないんだ
し、何で主人公は、こんなにいつまでもウジウジと女の腐ったのみたいに過去の事に拘り嫉妬し怒ってい
るのか私には理解できない。

他には主人公夫婦と失語症の少年との関り、いかにもなキャラの親友の妹、神馳淵で知り合った怪しい
夫婦の地獄と悲しみ、山の民(サンカ)を捜す変わり者の教師なども織り交ぜて話に膨らみを持たせては
いるが、結局は女々しい男の話が主なので、やっと最後に手紙で妻に、あの夜の事に疑いを持ち続けて悶
々と苦しんでいた事を告白するが、そんなんならすんなり最初から自分の嫁に訊けや鬱陶しい奴め。 
そして、ずっと根に持ってウジウジと悩んで妻を遠ざけていた夫に対して妻が、手紙を読んで夫の器の
小ささに逆に愛想を尽かさないのが不思議だった。 ちょっとこんな粘着質な鬱陶しい男は無理やわ。 
親友じゃなくてこいつが死んだら良かったのに。


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