恵風和暢のすゝめ

田舎者の他愛ないブログです、ふふっと笑ってくれると幸いです。

山嘆く

2020-08-10 17:31:40 | 日記
 起床して一番に目についたのがうちの猫、四季くん。
 廊下でお腹を出して伸びをして寝てる四季を起こす。
 少しあと、朝食の準備をしてる所にノシノシ起きてきて「飯はまだか」と催促の一声。
 この動きを見てると、うちの子は猫ではないのではと思ってしまう。

 今日は暇をいただいたので出かけることにする。
 家を出てすぐのフェンスに咲く朝顔に見送られ、4月ぶり久々に近くの山へ向かう。
 通りかかったお寺では紫陽花が枯れ始めていて、梅雨の終わりを残念がっているように見えた。

 しばらく歩き山へ入った。
 地には藪蘭が、池には菱が花を咲かせ譲葉は古葉を落とし始めていて、変わらない山に安心を覚えた。
 一見山は変わらないように思えてよく見ると日々違う顔を見せてくれる。
 金木犀が蕾をつけ、ヤマグリは徐々に茶色掛かり秋が迫っている様が伺える。
 ところが別の場所では石榴の花がまだ落ちていない。
 もう7月だというのに少し違和感を感じた。

 しばらく獣道を歩き登山道に合流し、五合目休憩所のベンチに腰掛けようとしたところで目につくものがある。
 周囲を見渡せばベンチ周辺や木の根本に多くはないが缶やタバコの吸い殻が見られる。
 苛立ちを覚えつつ、常備しているエコバッグを取り出しゴミを詰め込む、今日はもう帰ろう。
 エコバッグが汚れてしまったと落ち込みながら、大人しく登山道を降りて行くと二合目休憩所についた。
 そこは五合目とは比べ物にならないほどゴミが散乱していた。
 距離も短く登りやすく眺めも良く、そんな場所だから若者なら15分もあれば登ってこれる。
 私も夜にそこを通りカップルに遭遇して気まずい空気になったことがある。

 とはいえこの光景はあんまりに思えた、幸いにもレジ袋が数枚木に引っかかったりしてあったので、回収して山を降りる事ができた。

 モヤモヤした気持ちで山を降りた頃には日が傾き始めていた。
 帰路を歩いていると行きに通りがかったお寺の住職が庭の掃除中、目があったので挨拶をすると呼び止められる。
 何だろうと思いながらも話をする。
 呼び止めた訳を聞くと、持っていたゴミは山で拾ってくれたのだろう、ありがとう と礼を言われた。
 久々に見た山の草木のこと、山に落ちるゴミのことを話した。
 するとなんとゴミを引き取ってくれただけではなく、枯れかかった紫陽花を五朶もくれた。
 お陰でいい気分で帰路に着く事ができた。
 住職さん、ありがとうございます。

 家に帰ると、紫陽花を見た妹から「また変なもん持って帰ってきて」と言われるが気にしない。
 今の私はご機嫌なのだ!

 というのも、紫陽花の花を乾燥させると発熱の際に薬になる。
日持ちもいいし使う際にも少量で済むので五朶もあればかなりの収穫なのだ。

 住職さんのお陰で、なんだかんだいい日になった気がする。

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