今、音楽つながりの友人のベーシストから、「キャンディーズについて考えている」的情報を得まして、私もキャンディーズを思い返しているところです。
今キャンディーズと言えば、十中八九は南海キャンディーズになってしまうかと思いますが、おそらく南海キャンディーズも元ネタはこのキャンディーズに違いなく、『南海』という関西エリアを部分的に指し示す地味な言葉に、ぱっと明るくかわいいイメージの『キャンディーズ』をくっつければ、パラドックス的な面白さが宿り、人目を惹くのではないか、という思惑あっての事だと、私は推測するのです。
そのキャンディーズは、もともと私の兄がファンで、私はその影響を受けているため、オンタイムのファンとは言えないのですが、当時はお笑い番組全盛期で、八時だョ!全員集合とか、見ごろ!食べごろ!笑いごろ!などでキャンディーズは、井森美幸や森口博子を遡る事何十年前に、すでにバラドルとしても絶大な人気を誇っていたのです。
しかし、経済成長期のキャッチアップのスローガンのもと、世の中の新陳代謝は激しく、絶大な人気を誇ったキャンディーズも、新生アイドルピンクレディーにその座を徐々に奪われていくことになるのです。八時だョ!全員集合でその名を不動のものにしていたドリフターズが1977年、新たに立ち上げた斬新な人形劇コメディー『飛べ!孫悟空』では、キャンディーズではなくピンクレディーが起用され、キャンディーズは徐々に人気に陰りを見せるようになっていったのです。
そして、1978年4月4日、「普通の女の子に戻りたい」の名言を残し、キャンディーズは解散するのです。
しかし、本当にキャンディーズの人気は衰えていたのか? 後楽園での解散コンサートの熱狂ぶりを見ると、とてもそうは思えません。むしろしり上がり的に、人気は上がっていたのでは? ただ、アーティストとしての自覚が芽生え、それぞれの方向性に疑問を持ち始めた、多感で多才な三人の女性シンガーがそれまでの活動に、少しずつストレスを感じ始めていたのは確かでしょう。
後半のシングル曲は、アイドルというよりも完全にアーティストで、コーラスワークは、そのベーシストの友人曰く「アバのよう」というほどの高いクオリティーを持っていたのです。
youtubeで、早速キャンディーズを聞いてみました。そのメロディーと歌声は、まさに砂漠に水が染むがごとく私の最近すっかりささくれ立っていた心に染みました。
「あ、スーちゃん、もういないんだ」その時ふと思いました。うっかり私は、再結成、ありなんちゃう?と妄想していたのです。それほど、キャンディーズは、アイドルとしても、コーラスグループとしても、今にあっても全く色あせないほどの輝きを放っていたのです。
戸倉俊一、阿久悠など、錚々たる作曲家、作詞家に固められ、彗星のごとく現れて日本中に甘露の雨を降らせてアッという間に通り過ぎて行ってしまった天空の城は、今もどこかで浮かんでいるような気がして仕方がないんです。
当時、蘭ちゃんとスーちゃんが人気があったと思います。でも私は、ミキちゃんが好きでした。こないだのM-1でも思わずMIKIをおうえんしたほど、いや、これは盛り過ぎ。
そのミキちゃんのメインボーカルの曲は少ないのですが、その中に『素敵な魔法使い』という曲がりまして、その声がとても、可愛く、セクシー且つ、ハスキーで、何とも素敵なんです。一番歌が上手かったのは、実はミキちゃんだったと、私はそう確信しています。
しかしあまり昔に思いを馳せると今が色褪せてしまいますから、もうこれぐらいにしておきましょう。
そろそろ、会社に赴く時間です。
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