マララさん受賞演説 (1/全5)
国王、皇后陛下、ノーベル委員会の皆さん、親愛なる姉妹兄弟の皆さん。今日は私にとって、とても幸せな日です。
ノーベル委員会がこの貴い賞に私を選んでくださり、恐縮しています。
皆さんの継続的な支援と愛情に感謝します。今も世界中から届く手紙やカードをうれしく思います。親切で、激励してくれる一言一言が私を強くし、鼓舞してくれます。
両親の無条件の愛に感謝します。私の翼を切り取らず、羽ばたかせてくれていることを父に感謝します。私が忍耐強く、常に真実を話すよう奮起させてくれていることを母に感謝します。これこそ、イスラム教の真のメッセージであると、私たちは強く信じています。
この賞を受ける最初のパシュトゥン人であり、最初のパキスタン人であり、最初の若者であることをとても誇りに思います。そしてまた、まだ弟たちとけんかするようなノーベル平和賞受賞者は初めてだと確信しています。私は世界中が平和になってほしいと思っていますが、弟たちと私はまだその途上です。
長い間、子供の権利の擁護者であり続けてきたカイラシュ・サティアルティさんと受賞できることも光栄です。私が生きてきたよりも実に2倍の長さです。また、私たちが並んで立つことで、インド人とパキスタン人が平和的に力を合わせ、子供の権利のために共に活動できると世界に示すことができて、うれしく思います。
兄弟、姉妹の皆さん、私は、感銘を与える、パシュトゥン人のジャンヌ・ダルク「マイワンドのマラライ」にちなんで名付けられました。「マララ」という言葉は「悲しみにうちひしがれた」「悲しい」という意味ですが、それに幸福の意味を与えるため、祖父はいつも、私をマララ、世界で最も幸せな少女と呼んだのでした。私は今日、私たちが重要な目標のために共に立っていることをとても幸せに思います。
この賞は私だけのものではありません。教育を受けることを望む、忘れられた子供たちのものです。平和を希求する、おびえた子供たちのものです。変革を望む、声なき子供たちのものです。
私は彼らの権利のために立ち上がり、彼らの声を発信するため、ここにいます。彼らを気の毒に思うのではなく、教育の機会を奪われた子供たちを見るのはこれで最後になるよう行動すべき時なのです。
(次につづく)