ひとりNumber(アジア、サッカー)

在タイライター長沢正博のブログ。テーマはアジア、サッカー、ものづくり。ご連絡はn.masa7111※gmail.comへ

あの島のサッカーコートを訪れて<パンジー島訪問>

2013-08-17 10:06:03 | スポーツについて


なぜ人は、そこまでして蹴りたいのだろうか? 

波に揺られて細かく上下を繰り返す、浮島のサッカーコートを見た時、そんな問いが頭に浮かんだ。

タイの南、パンガー県パンガー湾に浮かぶこのパンジー島にはおよそ1700人のムスリムが暮らしている。彼らは海の上に建てられて村で生活している。そんな村になぜサッカー(フットサル)コートがあるのか。私がこの島を知ったのは、インターネットの動画がきっかけだった。タイの銀行が今年、プロモーション用に作った映像の舞台がこの島だった。日本のテレビ「奇跡体験アンビリーバボー」でも取り上げられたので、日本でも知っている人は多いかもしれない。

簡単にストーリーを紹介すると、その昔、島の住民はテレビでサッカーを見るのは大好きだったが、実際にプレーした人はいなかった。水上に浮かぶ村にはそんなスペースがなかったのだ。しかし、1986年のメキシコW杯の折、子どもたちは、コートがないなら自分たちで作ってしまえばいい、と考えた。そして廃材や古いいけす用のいかだを集めて、海に浮かぶ小さなコートを本当に作り上げてしまったのだ。

板材を組み合わせたためコートは平らではなく、海の上にあるため常に揺れている。もちろん周囲にネットなんてなく、ボールが海に落ちれば、拾うために一緒に子どもたちも海に飛び込んだ。そんな環境でサッカーをやっていた子どもたちは、やがて県の大会に出場し、思わぬ快進撃が始まる。。。


動画はこちら↓



今ではチームは地域の強豪となり、島の小学校にコンクリートのコートが2面ある(コートの下はやはり海なのだが…)。とはいってもネットがないため、ボールが外へ飛んで行ったら、今でも飛び込んでいるのだろうか。そして、撮影用に再現されたという浮島のコート(冒頭の写真)は今も島の港に浮かんでいる。私が訪れた時はちょうど祝日で、プレーしている子どもに会えなかった。ツアーの一環で行ったため、わずか30分ほどの滞在だったのも残念だ。

それにしても、このサッカーというスポーツは、なぜ人々をそこまでして蹴らせようとするのか。

その日の夜にはプーケットで、ディビジョン1のプーケットFC対ナコンパトムの試合を観戦。プーケットFCが37番の強烈な直接FKなどで2点を奪って勝利。残念ながら、日本人の佐藤祐介選手は前の週に負った怪我で欠場した。試合後、「お疲れさまでした」と声を掛けたら、日本人の方ですか?ではなく「日本語が話せるんですか」と返ってきたから、私もタイ生活が板についてきたのかもしれない(笑)

ともあれ、パンジー(Panyee)島はプーケットからパンガー湾に向かうツアーなら、たいてい寄港することになっているので、興味がある方はぜひ訪れてほしい。












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