【要旨】国債の時価下落に対して、どの国債を「損切り」して売るかを検討しています。
【開催日時】令和5年11月8日(水曜日) 14:00~15:30
【開催場所】本館2階 副市長室
【 出 席 者 】本夛副市長、経営企画部長、財政調整課長、財政調整課財政係長、経営戦略課長
経営戦略課企画係長、会計課長、会計課審査係長
【審議内容】
1.基金の保管状況等について
会計課長:現在の基金保管状況(令和5年10月31日現在)にて説明。
30年国債で、前回8月時点での債券価格が78.36円だったものが、70.97円まで下がってい
ます。国債金利の推移ですが、多少下がることはありますが、福津市が売却した場合に、損
をしないというところまでにはなりません。福津市が保有している債券の利率は0.4%や
0.5%です。現在売り出しの30年国債の利率が,1.8%という状況のため、福津市保有の債券
を売ったとしても値は下がる一方です。年明けに利率が下がったとしたら、債券価格は
上がりますが、福津市保有の債券より利率が高いため、福津市保有の債券価格は上がら
ないと思います。
2.国債の現金化について
会計課長:債券の現金化が必要ということで、資料のとおり考えてみました。アンダーパーで
買ったものと、オーバーパーで買ったものについて、入れ替えを行い、利息で損を埋めら
れないか考えました。
財政調整課長:現在持っている国債は、償却していますが、そのやり方は今までのルール的に
問題ないのでしょうか。
経営戦略課企画係長:1億円で買ったものは、1億円でしか簿価に上がらないので、受け取り
額は満期を迎えたときにしか発生しないことになります。利益分を売り上げに上げられる
のは満期を迎えた時になります。簿価はあくまで買取価格です。このため、1億円で買う
と、1億円の現金が減ることになります。
経営戦略課長:実施計画上では、2億4千万円の現金がなければ事業が出来ません。
財政調整課財政係長:長期的にみると国債の入れ替えも可能かもしれませんが、短期的な現金
不足には耐えられないと思います。
財政調整課長:債券を売っても入れ替えしても利息がマイナスになるため、結局売るしかない
ことになります。年間の利息が6千万円あり、損益を埋めるために、その範囲内で、売るし
かないことになります。ただし、6千万円をすべて使うことは出来ないため、3千万円分使
って、利息を3千万円を確保できるような、やり方になりそうです。
経営企画部長:年度末に、3億円現金化するとしたら、どの債券を売るのがいいですか。
会計課長:アンダーパーで買った30年国債がいいと思います。
財政調整課長:これから、ますます金利が上がるということであれば、さらに売りづらくなり
そうです。現時点で売ることを考えなければなりません。
経営企画部長:現金化を先にのばしたら、もっと悪くなるかもしれないのであれば、今売却し
ておかなければならないということですね。
財政調整課長:令和8年・令和9年くらいには、必ず現金不足が生じます。その時までに少しで
も現金化が必要だと思います。
経営戦略課長:国債を売った場合に、令和4年度の利子収入が6千万円だったのが、3千万円に
なるということですね。
財政調整課長:計画的に現金化していくことが、必要だと説明していかなければなりません。利
息もトータルで考え、損が生じないようにしていかなければなりません。あとは、売るタイ
ミングを決めなければなりません。利子収入を3千万円は確保するとして、すぐにでも売却
するのか、年明けの状況を見て売却していくのか方針を決めなければなりません。
経営戦略部長:現時点で1億円が必要なのでしょうか。
財政調整課長:今必要なわけではありませんが、今後の現金不足を見越して現金化が必要です
経営企画部長:どのタイミングで売るのかを考えなければなりません。
財政調整課長:売却した場合、どれくらいの利子収入の範囲でいくかを考えなければなりませ
ん。債券の単価がずっと下がっていくのであれば、早く売らなければなりませんが、損額の
範囲をどのくらいにするかを、決めなければなりません。
経営企画部長:先が見えないので、いつ売却するかというと、今になるのかもしれません。
財政調整課長:今の時点での年間の基金の利息見込みは分かりますか。
会計課長 :分かります。
経営企画部長:額を決めなければなりません。
経営企画課企画係長:売却の一括償却は問題ないと監査委員に確認しているが、月例監査資料
にどのように載せるかというのは確認していません。3月に合えばいいというものでもな
いので、毎月月末の基金残高が減ってはいけないため、赤字分の現金をあてなければなり
ません。タイミング的には、12月の利子が入ってきた時がいいのでは、ないでしょうか。
会計課長:5千万円は現時点で入ってきています。
財政調整課長:3億円売る予定で、実施計画は作成していますが、必ずしも3億円売る必要は
ありません。ただし、1億円分は売っていかなければならないと思います。
本夛副市長:条例に反することがないよう考慮しながら、12月に売却したらどうか。
経営企画部長:では、売却し利子収入のうち3千万円まで償却に使いましょう。売却の時期につ
いてですが、例えばN証券に相談し、売る時期について分かれば、その時期に売ることがい
いと思いますが、おそらく分からないと思われます。それであれば、今売るしかないでしょ
うか。
財政調整課長:では、売却の決裁を執って、3千万円の範囲内で売却しましょう。
会計課長:アンダーパーの30年ものを売るということで、いいですか。M証券しかないので、M
証券分を売るということでいいですか。3千万円以内であれば、オーバーパーの国債を売り
たいと相談してみます。無理ならアンダーパーを売ります。
経営企画部長:債券を売却する、利子収入の3千万円の範囲内で売却をするということで行きま
しょう。この資金管理運営会議では、今年度現金化するということを決めたといことにし
ます。
3.その他について (特になし)
【コメント】
基金の現金が不足してきて、右往左往している様子が手に取るように分かります。利金 6千万円の半分の3千万円までを国債売却の損金処理に使用するなど、「含み損」の事態を議会や市民に気付かれないようにするため、工作されたことも、よく分かります。
国債等を一括損切りをすれば、もっと損金の額は小さくなったものを。債券運用の関係者の自己保身のため、ずるずると売却処理を先伸ばしたことが、さらに損害額を大きくしています。