6月から8月はアメリカハコガメなど温帯種を飼育している方たちは
繁殖については1年間取り組んできた成果が分かるかなり重要な時期ですね。
私も平静を保つよう心掛けていますが、一喜一憂してしまいなかなか大変です💦
今回はアメリカハコガメほか水棲カメを25年ほど繁殖させてきて、孵化時に感じたこと一部ですが記してみました。
アメハコ以外でも他種の柔らかい殻の卵にはおおよそ当てはまることのようにも思います。
リクガメや固い殻の種では当てはまらないこともありますのでご注意下さい。
これまで数千個は孵化させてきているので経験・サンプル数としてはかなりあります。
ただあくまで私見ですし他の飼育者と行い方・感じ方が違っている場合があるかも入れません。
飼育環境が違いますし、推論でしかないこともあるのであくまで私の方法の場合、私の考え方ということで
他の飼育者の考え方を否定するのもではありません。
もし、違うなとかこうじゃないか?などと感じたら御意見いただけるとありがたいです。
自分の視野や思考を広げるチャンスとらえます。
①基本一斉孵化
孵化予定日の前日位に卵の表面に💦のように水滴が滲み出てくる場合があります。
ただ、これは絶対そうなる訳ではなく、前兆なくいきなり孵化する場合もあります。
卵内の水分量によって違うのかな、と感じています。
しっかり水滴のように滲み出るのが普通です。
殻の表面が均一に濡れたように、じんわり水分がつくのは発生停止(死亡卵)の可能性もあるので勘違いのいように。
基本的に一緒に管理した場合ほぼ一斉に孵化します。
ヨークサックが吸収され出てくる準備ができたら孵るのでしょうが、なんとなくなにか合図があるの?
と感じてしまうこともあります。
同時に孵化してもヨークサックの大きさに結構な差があることがあるのがそのように感じる要因です。
ヨークサックが十分な大きさまで吸収されてなくても他の個体と一緒に割れることもあるという印象です。
残念ながら弱っている卵はこのタイミングで自分で出てこれません。
最初の卵から3日待って出てこれないのはダメな卵の場合がほとんどです。
また、少しだけ割れて息絶えているケースもあります。
卵の状態がそこまでの力しかなかったということだと思います。
②卵を割ってあげることについて
適切なタイミングで割ってあげれば生かしてあげられるのではないかと思うのが心情ですよね。
ただ私は効果はかなり限定的であると考えています。
そうと分かっていて自己責任で割ってみることは否定はしません。
私も孵化が遅れた卵を割ることがありますが、ほとんどが力なく、ヨークサックも大きく、その後吸収が進みません。
元気な卵であれば、予定日より早く割ってしまっても、より卵黄が体の大きさ小さければ次第に吸収していきます。
孵化が遅れてた卵の場合、割ったときにヨークサックが体より小さいくても吸収していかないんですよね。
割ってみたい場合は、最初の卵が孵.った翌日及び翌々日に割ってあげるのがよいかと。
当日でも大丈夫ですが、自分で出てこれるかどうか確かめたほうが今後の飼育の参考になるかなと。
ちなみに早く割ってしまった場合、予定日より5日以内だったら生き抜けることが多いかな。
つまり孵化日前は5日、後3日がホットポイント。それから外れるとかなり厳しいと感じます。
孵化時に窒息防止のために顔の周りの羊水をとってあげる行為をされる方もいますよね。
私は特に必要性を感じていないので行っていませんがやってあげて個体にマイナスになるものではないのではないので
気になる方は行ってあげればよいのではないでしょうか。
あくまで推論ですが、孵化後に「羊水におぼれてしまう」要因としては
・かなり弱っている
・卵内の水分が多すぎる
この2つの要因が重なった場合なのかもしれません。
または、かなり弱っていて生きていく力の無い子かもしれません。
卵内の水分量については語られていませんが孵化前の卵は思いのほか水分を必要としません。
「少し凹むくらいが丁度いい」などという方もいます。
水分多めで管理している場合は羊水の量が多くなり弱っている個体の場合は溺れやすくなるということもあるのかな、と感じます。
割ってあげて助かった。とほんとに言えるのかは実際は誰にもわかりません。
割らなくても自分で割って出てこれる卵だったかもしれませんし…。
あとブリーダーとしてはできるだけ自然な状態で孵化した個体を販売したいなとも思っています。
野生下では様々な苦難を乗り越えた屈強な個体が生き抜き、子孫を残していきます。
人間の手を加えて誕生した個体は将来的に繁殖などに影響が出ることもあると思っています。
あと、生き物の誕生については非常に神秘的で解明されていない部分も多く人の力でどうこうなる部分は少ないという思いもあります。
ただ、私が全く手を出さないわけではありません。
主に状況の確認のために手を加えることもあることは御承知ください。
【まとめ】
長年飼育してきて感じることは生き物の素晴らしさです。
当たり前だと思ってしまうとそこまでですが、生き抜くための体の作り、習性などよく観察し、じっくり考えると凄い!
と感じることがほんとに沢山あります。その中でも生命誕生はほんとに神秘的だと感じます。
生き物飼育・繁殖を通してその素晴らしさをじっくりと感じ楽しむことができるのは素晴らしいことですね。
私たち人間のことを見つめ直す良い機会にもなるのではないでしょうか?