お星さまになったんだよ

保育園から帰って来た娘が言った


「おほしさまになったんだよ」


娘と同じ年の女の子が亡くなったんだそうだ

4年と10ヶ月

あの時、病気になったと話してくれたこと
泣いてしまったこと
退院後、遠足に一緒に行ったこと
パパが急激に痩せて白髪になったこと
妹だけ乗せてくる自転車のこと
いつも通りの笑顔のママのこと
床に大の字になって嘘泣きしてたこと
元気だった時の笑ってる顔


行方不明だったアノ親友は
自分を見失っていたのだそうだ

どうやら自分探しをしていたので
携帯も見なかったし連絡もできなかったそうだ
ふむふむ、なるほど、そーきましたか

そのうえ「電話には出られんわ」などど宣った

え？それを言うなら
「電話に出んわ」やろ。。
うっすら間違う駄洒落が不意で
思わず壺にはまる


私もたまに自分を捜索するので
彼女を責めずに静かに話を聞くと

仕事の量を減らしたせいで
ムダに考える時間が出来て
しなくてもいいのに
自分を見つめ直してしまったらしい


我を忘れて自分を見失ってるうちに
携帯も見る事が出来なかったのだそうだ


トイレ行く時間あったら
メールのスタンプくらい押せるやろ
と言う私に
絶望の日々で到底押せやしない
それすら出来ないほど絶望していた
と言うのだ



全く。。
落花ヒョウヒョウな感が笑えないほど
珍しく彼女は疲れた顔をしていたから
きっと何かとんでもない事があったんだろうな


まぁ、いつも通り
金か男かのどちらも関与してるには違いない
ひとまずボロボロになっても生きていた



たくさん、おほしさまがあるからね
どれが○○ちゃんのおほしさまかわからないね

と、娘はトーストを食べながら言った



そうか、人は死ぬんだ
どうして時間は平等ではないことを
すぐに忘れてしまうんだろう
じゃあ、もう答えは出てるじゃないか

親友の行方

濃密な時間を共にしてきた親友がいる



ここ数日、連絡しても返事が来ない

死んでる？
いや、まさかね？
ニュースで変死や身元不明の遺体が見つかる度
どきっとする

『なんの連絡もないのは元気の証拠』

これを信じて良いのだろうか


前にも行方を眩ましたので
すごく心配したんだと非難しても
「はいはーい、ごめーんたいっ」
と言いながら、自分の頭をぺちっと叩いて
いつも通り珈琲を飲んでいた

笑いながら平気な顔をしている親友に
一瞬、沸点越えの怒りを覚えたが
逆に、このネコ体質の気高い気まぐれさを
羨ましくも思ったりもした


私の結婚式をドタキャンするような
だいぶ常識のない女だから
きっと、絶対、何か隠しているはずだ


何やってんだ、アイツ。。


私だって、何やってんだか。。


ダメだダメだと分かっていても
『だから面白いこと』の方が遥かに多いことを
知ってしまってるからね

面白く生きて何が悪い
時間は自分のものだ
どう使ったって、本来なら良いはずだ
夜中に500ミリのカフェオレを飲み干したって
夜中にブラックサンダー２つ食べても
「変わる」と言うことと「変われない」の
両方とも知っているから
もう、何したっていいじゃない、ね！


私だって、あの女だって
この世からいなくなって
今から１世紀後には、私たちのことなんて
誰も覚えてないし、そもそも私たちには
たいして自慢するものもないんだからさ
やりたいことしてるもん勝ちってことで




節度ある無学で、いいじゃない


今もどこかで自由に生きてることでしょう