giotto34/Whale song  ―白い鯨のうた―

*詩はオリジナルです。
たずねてくれて、読んでくれて、
ありがとうございます。

詩203:てのひら

2010年09月06日 | 
/てのひら



青い空に
ひしめく てのひら、
羽音をつかまれた鳶
静かに
海へ出る


羽音を手にして
鳥を真似る てのひら
ホシガル
黄色い嘴の砂、



紛れ込む
ワタシの足跡、


切り裂かれた
ワタシの足跡、


崩砂に立つ姿
亡き
ワタシの足跡、


砂に染みる水滴の粒子、
濡れる、
桃色の宝石、
貝殻が転がる、海は
ワタシの戦場、
うつ波の、


涙を
青い魚が舐めに集まり、
魚は海をつくる


魚の尾びれ、をまねる
ひしめく てのひら


空へ出る、
音のないただの空、

ただの青

ワタシのてのひら


「whale song」