管楽器は演奏上制限だらけである、言える。
木管楽器はたった六つの指穴で音を作るのである。半音下げるためには分岐運指法を駆使するわけであるがその音程は鈍く曇っている。
ニ管のフルートを例に解説するが順次開けていくとニ・ホ・嬰ヘ・ト・イ・ロ・嬰ハとなる。
半音下げるために分岐運指を使うがするとヘ・変ト・変イ・変ロ・ハとなり♭3個以上の調では使えない事になる。なお、半音上げるためには半孔運指法による。こちらは音程が不安定である。したがって音階中の半数以上が半孔になる#6つ以上の調は使用に耐えない。
なお、ショーム・バスーンでは♭は5個以上、#は4個以上の調は使えない事になる。
次は金管楽器である。
まず、ホルンは基音高の高い順から変ロ管・イ管・ト管・ヘ管・変ホ管・ニ管・ハ管の順であった。なおハ管の実音はトランペットでは実音なのに対してホルンでは記譜の八度下である。専ら12倍音までしか用いられない。