鍵盤と私

ヴェルサイユ宮殿で演奏された曲を中心にバロック音楽を語る場所です♪日々古楽の勉強&作曲&演奏中です!

弦楽器の調弦

2009-02-01 00:00:00 | Weblog
Violino g-d'-a'-e''

Viola c-g-d'-a'

Violoncello C-G-d-a

Contrabbasso GG-D-A

管楽器の特徴

2008-09-17 20:29:16 | Weblog
管楽器は演奏上制限だらけである、言える。
木管楽器はたった六つの指穴で音を作るのである。半音下げるためには分岐運指法を駆使するわけであるがその音程は鈍く曇っている。
ニ管のフルートを例に解説するが順次開けていくとニ・ホ・嬰ヘ・ト・イ・ロ・嬰ハとなる。
半音下げるために分岐運指を使うがするとヘ・変ト・変イ・変ロ・ハとなり♭3個以上の調では使えない事になる。なお、半音上げるためには半孔運指法による。こちらは音程が不安定である。したがって音階中の半数以上が半孔になる#6つ以上の調は使用に耐えない。
なお、ショーム・バスーンでは♭は5個以上、#は4個以上の調は使えない事になる。
次は金管楽器である。
まず、ホルンは基音高の高い順から変ロ管・イ管・ト管・ヘ管・変ホ管・ニ管・ハ管の順であった。なおハ管の実音はトランペットでは実音なのに対してホルンでは記譜の八度下である。専ら12倍音までしか用いられない。

調性音楽の時代

2008-07-02 15:42:29 | Weblog
古典派音楽とは舞踏の要素のない抽象的書法を基礎に調性を重視した作風を特徴とし、純正律やミーントーン音律を使う事によってはっきりとした調性格が出る。旋律において三度のイントネーションを最重点に置き、その次に五度・八度のイントネーションと主音・属音に向かったアクセントの付いた二度進行、主音と属音の交互連打による結尾やアルベルティ・バスや楽節での主音・属音に向けて主音・属音を連打する等の技法を分段に用いた第一楽章がソナタ形式で書かれた楽曲の事である。1730年代のサンマルティーニやガルッピを起源とし、ペルゴレージが基礎を築いた。ボッケリーニやチマローザらが典型。

イタリアの長調偏愛主義

2008-06-19 09:37:04 | Weblog
しばしば、1730年代のナポリでペルゴレージが幕間劇「奥様女中」を上映したのが長調偏愛の始まりと言われている。その他アルベルティベースの創始者ドメニコ・アルベルティ、ブッファの創始者ガルッピ、交響曲の創始者サンマルティーニ、ソナタ形式の創始者エマヌエル・バッハとモンらがいる。彼等は時代の最先端の書法で書いていた。
ヘ長調
狩猟ホルンとショームと弦楽合奏と通奏低音
ニ長調
トランペットとケトルドラムとショームと弦楽合奏と通奏低音
ハ長調
ショームと弦楽合奏と通奏低音
ト長調
リコーダーとショームと弦楽合奏と通奏低音
ダモーレとショームと弦楽合奏と通奏低音

ヘンデルの音律

2008-06-16 09:23:07 | Weblog
レオンハルト氏はヘンデルは訳あって弾かない、と言っている。私が察するにズバリ調律法ではないか、

テスト

2008-06-16 09:14:19 | Weblog
ルイ・クープランはシャンボニエールの伝統を受け継いだが、より無骨なものになったといえる。しかし、より鍵盤的語法になっている。フランスは舞踏の国よろしく同主調転調が基本なので使える調はC G D A E F c g d a e fである。

18世紀の音楽に見られる調和性

2008-01-29 16:37:22 | Weblog
18世紀のまでの管弦楽や室内楽は実に調和が取れていた。

ヴァイオリンの響きが最も良いニ長調を基準にダブルベースの調弦をA-F#-D-AA-FFと定めてトランペットの管長をニ管とし、ティンパニの調をニ&イとした。フルートにいたってもヴァイオリンに合わせてニ管となった。

結果ニ長調は良い響きの祝典の調となったわけだが、変化を付けるためにトランペットはニ管に管長が近いハ管や変ホ管もかなり作られた。オーボエとバスーンは弦の響きの良い調に合わせてハ管になった。これによりニ長調に次いでハ長調でも響きが良いことから多く書かれた。

さらに、ヴァイオリンでのヘ長調は最も柔らかで良い響きのする調である。牧歌的なイメージと結びついて狩猟ホルンはヘ管となった。後に替え管が発明されたが、あくまでヴァイオリンの響きの良い調に合わせて作られ、ヘ管・変ホ管・ニ管・ハ管・変ロ管・イ管・ト管の七種になった。

低弦の響きの良い調としてはト長調と変ロ長調があり、変ロ長調は低弦が最も柔らかで良い響きのする調でクラリネットを変ロ管とした。

また、変イ長調やロ長調はオケの核たるヴァイオリンの開放弦が殆ど使えないため響きが悪いし弾き辛い。嬰ヘ長調や嬰ト短調なんてのを冒頭楽章の主調に持ってきたらブーイングの嵐。ダブルシャープのオンパやんか!!ニ長調とかハ長調で書け!って言われた。

管楽器ではさらにヤバくて、古典派まではキーやタンポが殆どない木管がメジャーやったさかいに調号が多い調では音程が不安定になりがちなサミングや音がこもりやすいクロスフィンガリングを多用せざるをえなかった。それに金管は軍隊ラッパみたいにバルブがなかったさかいにトランペットではドミソ以外の音を出すこと自体、相当な訓練を積まなければ困難。ホルンはストップ奏法でなんとか音のこもりが弱い長二度程度の音程の上下が限界であった。

こうして管弦の作曲家は、長調はニ、ハ、ト、ヘ、変ロ、変ホ、イ、短調はニ、ハ、ト、イで書き出す事が暗黙の了解であった。

鍵盤楽器ではオケの楽器群とは事情が異なり、12の鍵に音を割り付ける必要があったから音程の微調節が出来ず、何らかの音律で調律した。古くからミーントーン音律が用いられ、鍵の割付はハ長調から調号で嬰種3つ、変種で2つの調の音階の音が正しくなるよう異名異音を考慮して、幹音鍵をハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロとし、派生音鍵を嬰ハ・変ホ・嬰ヘ・嬰ト・変ロとした。すなわち、和声的解決感から響きの良い三和音を主和音とした調選択がなされた。そして、短三和音の場合は転調後の主和音の 響きが良ければその調は使えるとみなされた。つまり、短三和音はもともと綺麗に響く間柄ではなかったので、大きく狂った短三度の場合、短三和音の陰鬱な特徴を強調する事となる。なお、極端に狂った五度を含むものは使用に耐えない。

具体的に、長調のハ・ニ・変ホ・ホ・ヘ・ト・イ・変ロと、短調のハ・(嬰ハ)・ニ・ホ・(ヘ)・嬰ヘ・ト・イ・ロである。

時代が下がって、クラシック時代になるとソナタ形式の第二主題との関連性で第一主題で使える調の幅が狭まったんや。そしてソナタ形式ではオルガンポイントが極めて重要な役割を果たすため、主和音のみならず属和音の響きの悪い調も機能和声上の難点として使用を控える傾向にあった(展開部では書かれている)。ロココ時代の趣味に合わないという、美的価値観の変化のためと考えられる。

これがバッハやヘンデル、モーツァルトの時代の音のテクスチュアであり宇宙であった。

歌劇について

2008-01-27 23:17:20 | Weblog
歌劇は音楽及び脚本家、舞台装置家、音楽家の三者の連携により形作られ、指揮者、管弦楽団、合唱団、歌手によって劇を進行させてゆく総合芸術である。一作中多くて三幕が普通で楽曲構成は管弦のみの序曲で始まり、指揮者奏する和音楽器による伴奏のみの叙唱によって物語を進めてゆき、通し番号を割り振った管弦の伴奏を伴う詠唱・重唱・合唱によって物語の一幕を劇的に表現する。これらは叙唱で繋げていき、管弦のみの間奏曲を挿入することもある。

18世紀の音楽的語法

2008-01-24 18:50:05 | Weblog
18世紀の音楽は自己の芸術性の誇示が目的ではなくコミュニケーションの一つであり、国境を越えた共通言語であった。
つまり演奏する各自が共通の考えと旋律や和声パターンを持っていたので合奏はいわゆる井戸端会議のようなものであった。より多くの旋律や和声定型を持ち、曲を盛り上げることが出来ればヴィルトゥオーゾと呼ばれもてはやされた。
井戸端会議で暗い話題や奇異難解な主張をすると反感を買うのと同じで暗黙の了解があって、曲の始めから開放弦のほとんど使えない調や響きの悪い三和音、弾きづらいパッセージは避けられた。しかし展開部のような中間ではよいのである。
このように考えていくとショスタコヴィッチの嬰ハ短調やウォルトンの変ロ短調は明らかに異様であるといえる。むしろ、こんな扱いづらい変わった調を上手く料理した彼等は天才であると思う。
ある音か和音が掻き鳴らされたら次に弾くべき音の方向性は大体決まっていたのである。悪い意味では独自性に欠ける音楽となるがこれも一つの芸術と私は思っている。
ウィーン楽派のクラウスは数多くの風変わりな曲を書いたが、決まりきった表現が普通の時代においてなぜ短調でばかり書けたのか?ヴァンハルもコジェルフも同様である。

弦と鍵盤の調性格

2008-01-23 20:16:58 | Weblog
今日は音楽の根底をなす弦と鍵盤の調性格について考えてみる。
まず、弦から。
弦の開放弦はト・ニ・イ・ホ。開放弦が使える主和音で書き出す事が常識である。
ニ長調のニ・嬰ヘ・イ、ハ長調のハ・ホ・ト、ト長調のト・ロ・ニ、ヘ長調のヘ・イ・ハ、変ロ長調の変ロ・ニ・ヘ、変ホ長調の変ホ・ト・変ロ、イ長調のイ・嬰ハ・ホ、ホ長調のホ・嬰ト・ロである。
短調はニ短調のニ・ヘ・イ、ハ短調のハ・変ホ・ト、ト短調のト・変ロ・ニ、イ短調のイ・ハ・ホ、ホ短調のホ・ト・ロ、ロ短調のロ・ニ・嬰ヘ、ヘ短調のヘ・変イ・ハ、嬰ヘ短調の嬰ヘ・イ・嬰ハである。
次ぎに鍵盤。殆ど弦と内容が重複する。
鍵盤の音階は幹音がハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ、派生音が嬰ハ・変ホ・嬰ヘ・嬰ト・変ロ。調律音が使える主和音で書き出す事が常識である。ニ長調のニ・嬰ヘ・イ、ハ長調のハ・ホ・ト、ト長調のト・ロ・ニ、ヘ長調のヘ・イ・ハ、変ロ長調の変ロ・ニ・ヘ、変ホ長調の変ホ・ト・変ロ、イ長調のイ・嬰ハ・ホ、ホ長調のホ・嬰ト・ロである。短調はニ短調のニ・ヘ・イ、ハ短調のハ・変ホ・ト、ト短調のト・変ロ・ニ、イ短調のイ・ハ・ホ、ホ短調のホ・ト・ロ、ロ短調のロ・ニ・嬰ヘ、ヘ短調のヘ・嬰ト・ハ、嬰ヘ短調の嬰ヘ・イ・嬰ハである。

弦も鍵盤も共にヘ短調は属短調への転調が可能なので使用出来、主和音の響きは悪いが短三和音の特徴である陰鬱さを強調することになるので良しとする。しかし嬰ハ短調は弦及び鍵盤ともに嬰ハ・ホ・嬰トが主和音で使えそうであるが、属短調の響きが極めて悪く、転調や書法に十分留意した上で使用できるとされている。