「旅 愁」
犬童球渓(いんどうきゅうけい)作詞・オードウェイ作曲
更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思いに ひとりなやむ
恋しやふるさと なつかし父母
夢路にたどるは 故郷の家路
更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思いに ひとりなやむ
♪
窓うつ嵐に 夢もやぶれ
遥けき彼方に こころ迷う
恋しやふるさと なつかし父母
思いに浮かぶは 杜のこずえ
窓うつ嵐に 夢もやぶれ
遥けき彼方に 心まよう
<一口メモ>
「旅愁」は、明治40年(1907)に
「中等教育唱歌集」に掲載されたことで全国に広ったようです。
原曲はジョン・P・オードウェイ(John P. Ordway)による
“Dreaming of Home and Mother”(家と母を夢見て)という作品。
日本語の歌詞を作った犬童球渓(いんどう・きゅうけい)は
熊本県人吉市出身。
東京音楽学校(現・東京芸大音楽学部)を卒業した後、
兵庫県の中学に音楽教師として赴任、そのご新潟の女学校へ転任。
この新潟赴任中に、
原曲に出会って作詞したのが「旅愁」で、
この歌詞には、
教師時代に味わった挫折感と、故郷熊本への郷愁が
色濃く反映されている、と云われています。