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ガンガル部

アニメの感想、その他

SDF-4グローバルに関する考察 その2

2008年09月10日 | マクロスFRONTIER
SDF-4グローバルに関する考察の2回目(1回目はここ)。

では早速前回の続きの、SDF-4グローバルが強攻型に変形しちゃってたことに関する考察から。

『超時空要塞マクロス』を観たことのない人のために説明しておくと、元々SDF-1マクロスには、強攻型と呼ばれる人型の形態に変形する機能は付いてはいなかった。
SDF-1マクロスの内部においてある故障が発生した結果、人型にパーツを組替えないと主砲が撃てなくなってしまったがために、やむをえずああした変形機能が付けられたのだ。

なので、当然SDF-1マクロス以降に開発された同型艦においては、その故障の原因となった個所に対する改良は行われているはずで、故に、わざわざ主砲を発射するために人型に変形する必要も、そのための機能をデフォルトで付ける必要も、なかったはずなのだ。

にもかかわらず、SDF-4グローバルは強行型に変形していた。
これはいったい何故なのか?

考えられる理由としては、強攻型に変形する機能を標準的な機能として付けることに何らかのメリットがあったから、というのが上げられる。

『超時空要塞マクロス』において、SDF-1マクロスには強攻型の時にしかできなかった攻撃が1つだけあった。
それは、ダイダロスアタックと呼ばれる攻撃で、人間で言えば右腕に当たる部分にドッキングされた強襲揚陸艦ダイダロスを、パンチを打ち込むような形で敵戦艦に突っ込ませ、その後ダイダロス内に搭載された無数のデストロイドに砲撃を行わせることによって、内側から相手を破壊する、といった攻撃だった。

劇中でこの攻撃はかなり有効な攻撃手段として扱われており、そのことから、後に新統合軍がSDF-1マクロスの同型艦を造ることを決めた際、それだけの威力のある攻撃手段を失うのはもったいないと考え、それ故、ダイダロスアタックを使うために必要な強攻型への変形機能を残したと考えたのではなかろうか、との推論が導ける。

ところがだ、SDF-4グローバルにおいては、強攻型形態時における腕に当たる部分にドッキングされていたのは、強襲揚陸艦のダイダロスではなく、宇宙空母のアームドだった。
ダイダロスアタックというのは、デストロイドをかなりの数搭載できる強襲揚陸艦であるダイダロスでやるからこそ脅威的な威力を発揮できる攻撃で、デストロイドの搭載可能数において強襲揚陸艦に遥かに劣る宇宙空母であるアームドでそれと同じことを行っても、ダイダロスアタックと同じだけの戦果を上げられるとは考えにくい。

故に、SDF-4グローバルにドッキングされていたのがダイダロスではなくアームドであった以上、ダイダロスアタック(この場合はアームドアタック)を使えることがメリットだったがために強攻型に変形できる機能を残したのではないか、と考えるのは、無理があるということになる。

では、他に考えられる理由があるかといえば、実はもう一つあって、それは、SDF-4グローバルの登場した『マクロスFRONTIER』という作品は映像作品として創られたものだから、というものだ。

これまた『マクロス』シリーズのことをよく知らない人のために説明すると、『マクロス』シリーズには、『マクロス』シリーズの作品として我々が観ている、または観てきた作品は、我々の世界においては創られた映像作品として存在しているのと同様、ミンメイやシェリル達の実在した世界においてもまた、TVドラマや映画のような創られた映像作品として存在している、という設定がある。
ただしそれは、完全なフィクションではなく、実際にあった出来事を元にした大河ドラマのような作品としてであって、例えば『マクロスFRONTIER』は、2059年において実在したシェリルやランカといった人達の生き様を、2059年以降の人々がTVドラマないしは映画として映像化した作品、ということになる。

で、何が言いたいのかというと、『マクロスFRONTIER』が創られた映像作品である以上、過去のシリーズとの間に設定の整合性が取れていないというミスがあってもおかしくはなく、よって、SDF-4グローバルが強攻型に変形していた理由がそうしたミスによるものである可能性は十分にある、ということだ。

故に、当ブログでは、SDF-4グローバルが強攻型に変形していたことを、設定の整合性を取り切れなかったことが原因によるミスだった、と結論付けることにした。
ただし、この場合の設定の整合性を取り切れなかったのは、河森総監督を始めとする我々の世界におけるこの作品の製作者ではなく、ミンメイやシェリル達が実在した世界における製作者なのだが。

とまぁ、2回に渡ってお送りしてきた、SDF-4グローバルに関する考察。
最後がこんな結論になって、腰砕けになった人もいるでしょう。

ところが、実は今回の考察を行ったのは、この結論を出すことによって、『マクロスFRONTIER』が『マクロス』シリーズの設定を完璧な形で継承した作品ではないことを示したかったからなのだ。

何故そんなことをする必要があったのかといえば、それは、次に行う考察で必要だったからだ。

その考察が何に関する考察なのかということは、また次回。


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