東京都立三鷹高校の元校長、土肥信雄さんは気骨のある先生です。
東京都教育委員会が出した「職員会議での挙手・裁決による教職員
の意向確認の禁止」通達(2006年)に対して、当時の都立高校の校長
でただひとり批判し、その撤回を求めました。
土肥先生の主張はこうです。
「職員会議で、はじめから結論が決まっているのならば、職員は
自分の意見を言わなくなる。まして上司である校長の意に染まぬ
発言をして、不利益をこうむるとすると、先生方は萎縮してしまう。
職員会議で自由にものが言えなければ、先生方が協力して、
学校教育や運営に心を合わせて取り組むことができなくなり、
学校教育そのものが破綻する。言論の自由こそが教育の場には
何より大切だ。言論の自由は、そこで教育を受ける子どもたちの
ために必要なのです」(『提訴に当たって』2009年6月4日で詳述)。
この主張をして以来、都教委は指導という名目で、何度も土肥校長を
呼びつけて威嚇し、口をつぐませようとしてきました。
土肥校長は屈しませんでした。
自分が間違っているのならば意見を撤回するからと、都教育委員会
に公開討論も申し入れました。都教委は先生のこのささやかで切実な
願いにも、一度も答えませんでした。 かわりにやったことは、密室で
1人の先生を大勢で取り囲んで、無理無体に発言を封じようとする
「指導」だったのです。
少し、想像してみてください。
都教委のようなやり方が、みなさんの職場では通用しますか。民間
の会社でも、働く場がこのような雰囲気に覆われたら、すぐに業績が
悪化するでしょう。
まして学校は、どこよりも自由にものが言え、先生や生徒、保護者
が心を合わせて進まなければ、うまくいくはずがないのです。
私たちは心配しています。
「都教委は学校教育を破壊するつもりなのか!」と。