レ・ミゼラブル観劇 archive

こちらは2007年以前のレ・ミゼラブルの観劇記、それからフィギュアスケートとテニス関連の記事を保管してあります。

お引っ越ししました。

2010-03-11 02:23:44 | Weblog

2009年の2月にブログをお引っ越しました。
引っ越しツールが使えなかったのもあり、ライフワーク的な地道さで引っ越しをしようと思っていましたが、一応1年越しでほぼ完了しました。
今のところの予定ではこちらのgooブログは2007年(とそれ以前)の「レ・ミゼラブル」の観劇記とフィギュアスケート、テニス関連の記事の保管庫として残しておく予定です。

こちらのブログを見てくれた皆様、コメント・トラバをくれた皆様!ありがとうございました。


紹介文変えました

2009-02-06 15:44:26 | Weblog
以前は「愛するテニス、フィギュアスケート、映画を中心に、日々の出来事を書いてます。」だったんですが・・・
最近看板に偽りあり、って感じでテニスもフィギュアも全然書いてないので(^^;)
でも、もちろんテニスは愛してますよ、心から。
フランス旅行に行った最大の目的の一つに「ローランギャロス期間中ずっとパリに滞在して、通い詰めること!!」でしたしね。
ただ最近はあまりTV放映がないこと、スカパーでの番組は録画してるばっかりで、たいていはtennis365とかで情報チェックしてるだけみたいな状態なので、もちろんこれからもおもむろに感想とか書きますが、メインではない感じで。。。

フィギュアスケートはね・・・・今も大好きですよ。基本的にフィギュアスケートをスポーツとして好きだと思ったことはないんです。だから楽しいと感じる場所はテニス観てるときとかとは違って、ダンスとかライブとか舞台とかそーいうのを観てるときみたいな楽しさなんですよね。
で、私は人が踊ったり、歌ったり、演じたりしてるのを観るのがすごく好きなので、フィギュアはいつ観ても面白い。
でも昔ほど情熱を傾けられなくなったのは、年齢のせいか・・・(笑)
好きだった選手の世代交代とともにちょっと冷静な気分になったのかな。
これはあくまでも個人的な話ですが、フィギュアスケートのスポーツ化というか、アーティスティックな部分より技術面に重点がおかれるようになったのと、驚くほどのメジャー化と報道の過熱に勝手に違和感を感じてしまったのです。
でも、四大陸は真央ちゃん、キム・ヨナともに応援してます!

こんな感じで統一感のないブログですが、これからもよろしくお願いします。


レ・ミゼラブル 8/26(日) ソワレ

2007-08-28 21:19:45 | レ・ミゼラブル観劇記

キャスト:今井清隆、岡幸二郎、知念里奈、渚あき、辛島小恵、藤岡正明、徳井優、阿知波悟美、阪元健児、他

マチネが終わった後、カフェで時間を潰しながら3ヶ月間をぼんやりと振り返ってました。ひたすらレ・ミゼ一色で夏をすごしてきたので、ソワレが終わったら燃え尽きたみたくなっちゃうんじゃないかと思っていたんです。事実「LOTR」最後のDVDが出た時はかなり燃え尽き症候群だったし、マチネでは感極まってしまったので。

でも違いました。

観終わった後、なんだかとっても清清しい気持ちでした。もちろん寂しくて、エピローグに入った時、終わらないで!と思った位なんですが、自分のこの3ヶ月悔いなし、という気分になりました。

今井バルジャン
先制パンチはないですが、やはりじわじわとくる。ファンテの死の場面での抱き締めきれない手も、ベットに顔を埋めて涙するしぐさも、プリュメ街のダッシュも書き出せばきりがないですが、そういう細かい演技と今井さんのもつ温かな人柄のせいでしょう。「独白」で闇を這い出そうと歌いながら持ち上げたカバンがとても重そうでした。
その重みがバルジャンの枷そのものでもあるし、バルジャンの改心の証でもある。
「彼を帰して」もすごくよかったなぁ。「死ぬなら私を、死なせて。彼を帰して」というバルジャンの言葉。バルジャンの思い、しっかりと伝わりました。

岡ジャベール
もう神がかり的に素晴らしく、本日の「Stars」では完全に圧倒され、魅せられ、胸がドキドキ、心拍数上がりっぱなし。何も言うことなし。唯一言えるとしたらありがとうございました。って事だけです。

坂元アンジョ
天井なしの歌声はやぱりすごいですね。「群れとなりてー」のところは圧巻でした!うまく言えないけど少しだけ坂元アンジョのイメージが変わりました。

藤岡マリウスも言うことないね。カフェソングの「友よ、聞くな」がいつもははっきり朗々と歌う藤岡くんが今日は感情剥き出し。でも一つ一つの音はクリアーでやっぱり歌がうまい。

辛島コゼット
みた回数は他のコゼと変わらないけれど、久々でした。やっぱり歌唱力は抜群。演技も淡白さがなくなりいい感じでした。

阿知波マダムテナルディエ
マイベストマダムテナルディエに勝手に任命。歌と演技のバランスがすごくいい。

千秋楽を迎えていろいろな思いがあるんですが、今回は言葉にならない種類の感情ばかりで、胸がいっぱいで、結局ちゃんと感想も書けやしないです。
でも観終わった後は満足感と幸福感でいっぱいでした。
回数を観ることが必ずしも理解度を深めることに繋がるというわけではないけれど、やはり回を重ねるごとに「レ・ミゼラブル」という作品をいろいろな角度から観ることができたんではないかな。と思います。
同時に観れば観るほどわからなくなってるとも言えますが。
幸福な人々の幸福な物語では決してないのに、こんなに幸せな気分になれるからレ・ミゼラブルをやめられないんだと思います。

次の公演も心ときめくようなものになることを祈って!


レ・ミゼラブル 8/26(日) マチネ

2007-08-28 20:45:30 | レ・ミゼラブル観劇記

キャスト:橋本さとし、石川禅、坂本真綾、山崎直子、富田麻帆、小西遼生、三谷六九、瀬戸内美八、岸祐二、他

マチネはとても不思議な空間でした。というか私自身がなせがとても夢うつつ。
なんかね、一場面一場面印象深いところもいっぱいあるんだけど、それ以外ををあんまり覚えてないんです。なんでだろう。
エピローグでは細かい感想とかぶっ飛んじゃって、とにかくもう今年レミゼは終わりなんだって思ったら感極まっちゃってわけがわからなくなってました。

その中で凄く鮮明に覚えているのは橋本バルジャンの独白。
荷物を強いくらいに抱き抱え「また過ちをおかすつもりか」と荷物ごと床に突っ伏す。その歌声はもはや叫び。人間の弱さを吐露するようなその叫びが胸に突き刺さってくる。でもね、弱さを吐露しながら、人間って強くなれるということを体現してくれる橋本バルジャン。本当に素晴らしく、最高でした。鳥肌たちましたもん。ブラボーです。
橋本さんが“NEOバルジャン”としてバルジャンに望む、といった時はどんなバルジャンを見せてくれるのだろうかと思ったものですが、彼は確かに新しいバルジャン像と、そして多くの可能性を提示してくれました。ある意味では今年一番の収穫だったかもなぁ。

岸アンジョルラスと今日でしばしお別れなんて寂し過ぎる!!何度観ても「立つのだ、仲間よ」の時の岸アンジョの顔には心揺さぶられます。
レ・ミゼではプリンシパルの半数以上が劇中で死を迎えますが、その中でアンジョルラスには“死に行く時の曲”というのがありません。どのアンジョルラスも表情だけで、演じきる。それがとっても好きです。語られることのない、死に行くときのアンジョルラスの気持ちをその表情から感じて、特に岸アンジョの笑顔は、劇が終わってもいつまでも目に焼きついてます。

伊藤グランテールのアンジョルラスを見る目も素敵ですね。大好きなんだろうな、アンジョが(笑)そこに居るだけでグランテールという役柄がしみこんでいるってのは素晴らしいですね。

坂本エポニーヌもどんどんエポニーヌという少女に同化してっているように感じました。坂本真綾という女性が表現するエポニーヌ、私はやっぱり好きです。

富田コゼットは8月みた公演の多くで高音がきれいにでてなくて、今回もそれだけ残念だったんだけど、やはり表情豊かでいい。最後の挨拶で泣いちゃって思わずもらい泣きしてしまいました。

ソワレに続く


レ・ミゼラブル 8/4(土) ソワレ(バルジャンとジャベール)

2007-08-20 22:00:31 | レ・ミゼラブル観劇記

キャスト:山口祐一郎、今拓哉、坂本真綾、渚あき、辛島小恵、藤岡正明、徳井優、阿知波悟美、岸祐二、他

私のレ・ミゼラブルは残すところ26日の公演しかないため、それまではお盆でたまった仕事を片付ける毎日です。でもどんなに日常生活にもどっても、魂だけは戻って来れない・・・さて、ちょっと感想が前後してしまいましたが、8/4(土)のソワレで書こうと思っていたことを今更書き記します。

バルジャンが違えばまたジャベールの存在意味も二人の関係性も違ってくる。
前にも書いた様に、別所バルジャンをみているとストーリーが進むごとにどんどん自分の存在に対する疑問というような闇に入り込んでいくのを感じる。
でも今井バルジャンや山口バルジャンにはそういった闇はあまり見えない。
今井バルジャンはコゼットの存在があることで、その闇を回避しているように思う。
じゃあ山口バルジャンは、というと今年になって初めて山口バルジャンが存在の危うさを持たないのはジャベールという人物のおかげかな、と思うようになりました。

自分の名前を消し、全てを自分一人の胸に収めて生きてきたバルジャン。
ジャベールが市長の正体がバルジャンだと気づいた時から、彼だけが唯一バルジャンをバルジャンとして認識している他人になりました。これってマドレーヌ市長にとっては存在を脅かす脅威であると同時に、バルジャンにとっては唯一自分の存在を肯定する人物だったのではないかと思います。

バルジャンがいくら強くとも、自分を知っているのは自分だけ、という状況がタフでないわけないと思うんですよ。まぁ山口バルからはその手の惑いや弱さもそんなには見えませんが、ジャベールがいることで自分が誰であるかという疑問から解放されているんではないかと感じました。

まぁ・・・別所バルジャンはジャベールを必要としながらもその疑問にとららわれていくんですけどね・・・


そんなことを考えながら、漫画『MONSTER』を思い出したんですよね。
ストーリーは全然違うし、人物のキャラクターも違うから比べることに意味はないんだけれど、なんとなくね。
『MONSTER』の14巻辺りでヴォルフ将軍が死ぬ時天馬(一応主人公)に「名前を呼んでくれ。それが私の生きた証だ」と言うんです。自分を知る人間を片っ端から(ヨハンに)殺され、自分を認識する人間が一人も居なくなって死の間際に絶望の風景を見る。

この世に一人でも、それがたとえ天敵(?)のジャベールでも、自分を知っている人がいるということは絶望への道を踏みとどまらせる大きな要因かもしれないな、と思ったりしたんですよね。

『MONSTER』を読んだことない人にはわけがわからない話だよな・・・
有名なコミックですが、有名なだけはある。未読だ、という方は是非!
小学館の回し者じゃないですが、かなり秀作です。


レ・ミゼラブル 8/16(木) ソワレ

2007-08-18 14:43:01 | レ・ミゼラブル観劇記

キャスト:橋本さとし、岡幸二郎、知念里奈、シルビア・グラブ、富田麻帆、泉見洋平、三谷六九、阿知波悟美、東山義久、他

公演後のトークショー目当てで取った公演(まんまと策略にはまってます・笑)でしたが、いいソワレでした。
本日は2階席F列センターで見たんですが、舞台の奥行きや美しいライティングを久々に堪能。9000円は安い!!と言えるようないい公演で、トークショーもそれはそれは楽しかったです。

本日の公演では泉見マリウスに異常事態発生してました。心配になるほど役に入り込んでましたよ。1幕の「ワン・デイ・モア」ではもう声が聞こえない程歌えていなくて、どうした!?と思っていたら、A列に座っていた方の話によると、感極まって声が出なかったらしいことがわかりました。物語が進むほど役にのめり込んでいく泉見マリウス。弾を自分が取りに出ると申し出るシーンでも、アンジョの制止を凄い勢いで振り切ろうとし、東山アンジョも思わず「マリウス!」と叫んでしまうほど。「カフェソング」では泉見マリウスの虚ろな瞳が一人生き残ってしまったものの悲しみを痛いほどに感じさせて、「あぁ友よ 許せ」というフレーズもいつもと違ったものに聞こえてきました。

東山アンジョルラスも泉見マリウスに引きずられてどんどん役にのめりこんでいく。
ガブローシュが打たれた後の悲痛な叫びは胸が苦しくなる程で、その後の「死のう僕らは」という台詞が非常に重かった。その夜、バリケード上部で銃を抱きかかえ、天を仰ぎ見る彼はやはり本日も相当美しいアンジョルラスでした。

シルビアファンテは今年本当にいいですね。「エピローグ」での表情が非常に美しい。それが外見上の美しさ以上にファンテが本来持っている内面の美しさがにじみ出ているような顔でハッとさせられました。

知念エポニーヌも6月ぶりに見ましたが、やはり悪くないけれどよくない。よくなったと思える部分もありましたが、前より微妙だなというところが出てきてしまったり。「オン・マイ・オウン」は後半歌い上げる部分がありますが(例えば「愛しても~一生夢見るだけさ」や「幸せの世界に縁などない」など)声を張ればいいってものでもないんですよね。。。。「オン・マイ・オウン」本当に難しい曲です。

橋本バルジャン
先日に引き続き、囚人バルジャン、本日もはだけっぷり絶好調。しかも舞台に倒れこむねぇ。橋本バルのカツラってもっさりしすぎてて、ちょっと下向いてると顔が全然見えないんですが、それを効果的に使えているなと思うところが何箇所か。見えない分、表情を想像して勝手に感動してました。
橋本バルジャンは「独白」がとてもいいです。この曲の間中、どのフレーズも休むことなく熱く、情感豊か。「こんな魂が救えるのか」と歌い突っ伏す姿から、えもいわれぬ人間臭さと人間の弱さを感じて、このバルジャンがとてもいとおしい気分になる。
「裁判」のシーンで「名乗れば牢獄、黙っていても地獄」と歌いながらも“黙っている”という選択肢を選んでしまいそうに聞こえるんです、実は。その葛藤の末「誰だ、この男を奴隷に」の歌いだしの前にうなだれたように頭をたらす姿がとても印象的。そこから後半名乗り出ようと決意できるのが凄いなぁと素直に思う。バルジャンという弱い人間の内に潜む強さを感じられてとても好きなんですよね。

さて、お楽しみのトークショーですが、これが本当に面白いのなんのって!!
始終笑いっぱなしでした。
何度も言いますがこれで9000円はかなりのお買い得。即買いです。
トークショーは岡さん司会のもと和やかでゆる~い雰囲気で始まりました。
開演前の円陣の話あり、阿知波さんの20年前のエピソードあり、泉見さんのカフェソングが歌えなくなったという話(2006年頃の雑誌のマリウス対談でも書いてましたね)などなど。
その後自分の役柄で気に入っているフレーズと自分以外の役で気に入っているフレーズを各々答えつつ、自分以外の役の好きな曲を披露するというなんともオイシイ企画。ちなみに岡さんの好きなフレーズは「お道具みせてやりな♪」だそうです(笑)
既に公式ブログで詳細・動画までUPされてますね!!
ムラタさんお仕事早くて素晴らしい!!


レ・ミゼラブル 8/14(火) ソワレ

2007-08-18 01:35:09 | レ・ミゼラブル観劇記

キャスト:橋本さとし、今拓哉、坂本真綾、山崎直子、菊池美香、山崎育三郎、三谷六九、瀬戸内美八、東山義久、他

さて、このままの勢いでまだまだ書きます!!
ちょうど1ヶ月ぶりの橋本バルジャン
今回はとにかく橋本バルジャンの熱さがありがたかった。
熱い男を欲していた(笑)14日の私には、それだけで価値のあるソワレでした。
細かいことは16日ソワレの方がよかったので、そちらの感想で書くとします。

今ジャベール
結局まだ書いていないんですが8月4日ソワレで感じてしまった無難にこなしているというような感じは本日の今ジャベにはなく、通常どおりの迫力ある、華麗なジャベールでした。今ジャベの警棒さばきの美しさはぴか一ではないかと思います。
今回マチソワで岡ジャベと今ジャベを見てこの二人の迫力は全然違うところに基因するなぁと改めて感じました。より精神的なものが表層に現れてくる岡ジャベに比べ、今ジャベは職務に忠実で人間的な強靭さを感じさせる。岡ジャベが冷徹なら今ジャベは冷静といったところでしょうか。バリケードの死体の中で祈りをささげている今ジャベをみると、私はジャベールという役が本当に好きだなぁと改めて思わされます。
橋本バルジャンは病院での対決のシーンで追ってきたジャベールにどんどん近づいて、全然後ろに引かないんですが、相手が今ジャベールだと本当に引かない気がします。ずっと二人の距離が10センチ未満じゃないかというような勢い。今ジャベもナントカ拳法の使い手かというほど上体を落としてバルジャンの攻撃に備えます。なんだかスゴイんですよね、この二人。

山崎マリウスもお久しぶり。若いね。爽やかだね。髪伸びたねの山崎マリウス。小西マリウスにルックスの面では劣る(ごめん)けれど、雰囲気では彼の方がマリウスとしてしっくりくる。歌声も相変わらずいいし、演技と全体的な印象は泉見マリウスの流れを汲むような優しいマリウス、いいですね。

三谷テナルディエも初めて見たキャスト。これでいつの間にかキャストの全員制覇が出来た模様。それはいいとして、三谷テナ私は好きですね~駒田テナをよりお調子者にした感じで、動きも大きくアドリブや合いの手も多い。でもそれらが個人的には鼻につかない。原作は置いておくとして、テナルディエといったら“小悪党”で基本的には悪人だけれど、彼の持つ独特のコミカルさがその悪い部分のオブラート的役割をはたし悪さを隠している、というのが私のテナのイメージなので、駒田テナと三谷テナはそのイメージに則していて個人的には好きです。にしても「下水道」のシーンで死体の上に乗っかったり、座り込んだし、転がしたり。。。。ジョリ、大丈夫かしらと心配(笑)←そうだ今年はジョリじゃなくてクールフェラックだったんですよね!申し訳!

菊地コゼット。うん。何度見ても可愛い。私ったらとても菊地コゼットが好きみたいです。娼婦のシーンもいつも私はエポニーヌ演じる娼婦を見ているんですが、菊地コゼの時はいつも菊地コゼの娼婦を見てます。なんか可憐なんですよね。「ジャベールの介入」の時もばれたら困ると顔を隠しているバルジャンの胸元で、(コゼットにとっては)自分達を救ってくれた警部であるジャベールに対して感謝の意を表すように笑顔でお辞儀する様がとっても可愛い。こういう細かい演技が好きです。

マチソワともに、エポニーヌ役の二人(笹本さん、坂本さん)には不安要素はなしですね。笹本エポの歌唱力にはいつも迫力と安定感があるし、坂本エポは声の質自体が透き通るように美しく切ない響きがある。今のところもう14日で二人とも見納めなんて寂しい限り。

やはりお盆中で初めて観劇の方も多いのか、横の席の方々、マチネでは年配の女性2人組が、ソワレでは年齢入り混じりの女性4人組が、公演中話しておられるのですよ。年配の方々は岡さんの「Stars」を聞き、「いい声してるね~あの人は何て人?」などと仰る。いい声してるよね、そうだよね。でもさ、あとで二人でお茶してください!ソワレの方々は「あの人は誰?」とか「誰々がどうこうなんだよね!」とか仰る。申し訳ないがそういう確認は公演前ないしは公演後にやっていただきたい。観劇中に感じた感動をすぐに誰かに伝えたい気持ちも分かるけれど、周りにも大勢いるわけなのでそのあたりはマナーとしてお願いしたいものです。


レ・ミゼラブル 8/14(火) マチネ

2007-08-18 01:30:07 | レ・ミゼラブル観劇記

キャスト:今井清隆、岡幸二郎、笹本玲奈、シルビア・グラブ、富田麻帆、小西遼生、徳井優、阿知波悟美、岸祐二、他

久々の今井バルジャン
今井バルって近くで見ると、いつも目が潤んだようになっている気がするんですが、光の加減なんでしょうか?でもなんかそれを見ただけでいつもぐっときてしまうんですよね。でも今回の今井バルには迫力というか“爆発力”のようなものがかけている気がしました。もっともっと熱いバルジャンが見たい!そんな気分になりました。10日に別所バルジャンが千秋楽を迎えてからなぜか燃え尽きたような感じになってしまって今日の公演内容以前に見る側の私が3分の1位レ・ミゼの世界に入り込めてなかったので、一概に今井バルのせいではないかも。
とはいえ、プリュメ街でのダッシュは健在で、相変わらず微笑ましい。いつもこのシーンでつい笑ってしまうのは私だけではないはず!

今井バルジャンの分の迫力も補うように、岡ジャベールは本日も絶好調!「Stars」も最高でした。声も音程も迫力も祈りを捧げるポーズの美しさも言うことなし。瞬きするのも惜しいくらいの勢いで見つめ続けました。あっでも歌詞を一箇所間違えてましたよね。「対決」のシーンで“市町様、追い詰めたぁ~ぞ」(実際は追いつづけたぞ)といってました(笑)

さて初の小西マリウス
男前ですなぁ。でもなんだかとってもマリウスではない。どの辺りがと言われるとわからないんだけれど、現代の香りがし過ぎるんですよね。衣装も浮いているというか着付けないものを着せられちゃったような感がありました。歌声はというと・・・藤岡君の声がナダルの球なら小西君のはヒューイットの球って感じ。ってわかりづらいか。
要は歌も下手ではないんだけれど、(ざっくり言うと)“軽い”んですよ。お腹に響いてこない。やっぱり「カフェソング」はズンっとくるのが好みの私には若干物足りなさが残るマリウスでした。

それに比べいつも剛速球を打ち込んでくるのはやっぱり岸アンジョルラス。彼が居てくれるだけで、舞台の温度が1度上昇する気がします。周りの空気から浮き出てしまうほどに熱いこともあるけれど、今回は特に岡ジャベと岸アンジョのおかげでレ・ミゼの世界にかえって来れたという感あり。バリケードでアンジョルラスが死に行く時、アンジョルラスとグランテールの絡みには大きく分けて2パターンあります。
「バリケードを駆け上がるアンジョとそれを止めようとするグランが接触するパターン」と「接触しないパターン」があって、どちらも切ないんですが、岸アンジョは前者が多く、東山アンジョは後者が多い。今日も岸アンジョは前者のパターンでしたが、今回グランテールはアンジョになんて言ってたんでしょう??聞き取れなかったな。「もうやめよう」でしょうか。その後のあの笑顔。この時ばかりはグランテールと同じ気持ちでアンジョルラスを見送ってる自分がいます。


レ・ミゼラブル 8/5(日) マチネ (2)

2007-08-08 21:17:46 | レ・ミゼラブル観劇記

別所バルジャンについて書き終えたら、燃え尽きた感じ。。。
でももう少しだけ。

今回の席は1FL列下手セブセンター
サブセンターの中でもセンター寄りだったので、バランスも悪くない。
それにL列だとまだ表情も肉眼で見える。

いつもレポが男性中心になってしまうので、今日はコゼットについて。今年のコゼット、個人的にはどの子もいい。実はキャストが発表された時、ちょっと不安だったのですよ。富田コゼにしても菊池コゼにしても見た感じ可愛すぎるような気もしましたし。でもメキメキよくなっている感じがします。辛島コゼは綺麗なソプラノで聞き応えがあるし、富田コゼはとても表情豊か。
そして菊池コゼットは演技が細やかでいい。
コゼットはあまり出番の多い役ではないけれど、歌以外のところでもしっかり演技してます。菊池コゼがいいな、と思ったのは「ワン・デイ・モア」の表情。初めて知った恋に浮かれる間もなく、街を去ろうという父親の言葉。マリウスと一緒に居たいけど、父親とも一緒に居たい。行きたくないんだけれど、それを言って父を悲しませたくない。童顔で可愛い印象の菊池コゼだけれど、表情の作り方とかそこから滲み出るものは意外にも大人びた少女。
秘密を教えて欲しいとバルジャンに訴えながら、バルジャンの手を握るんだけれども
別所バルジャンはその手をスッと離す。握り返されなかった自分の手を見つめる菊池コゼ。でも「ワン・デイ・モア」の時はバルジャンの肩に手をかけるけれど、それをバルジャンが握り返す間もなくマリウスの元へと駆けていく。その時のバルジャンの表情とその前のコゼットの表情がリンクしてかなり切ない気分になりました。しかも別所バルジャンは落ち込むコゼットに出会ったときにプレゼントしたお人形を(子供をあやすように軽く振りながら)コゼットに渡すんですが、その時の菊池コゼの泣き笑いのような顔も印象的。ここのシーンいつもキュンとするんだけど、今回はなんだか泣けてきたのは別所バルと菊池コゼの演技が融合したからだと思う。

ちょいとここでプリンシパルを離れて、宿屋のシーンのアンサンブルについて。
宿屋ではレーグル役者の座る上手側の席ばかり最近みてます。ごめんよ、テナ。
でもここに座ってるレーグル×ジベロットのカップルかなり楽しい。今回の港さんと深野さん(多分)カップルもいい味だしてました。彼女は不衛生な宿屋にかなり辟易した様子で入ってくる。彼女といってもこのカップルまだ付き合うまで行っていないか、付き合いたてという感じで、港さん演じる彼氏は彼女の顔色をうかがっているんです。緊張を解したいのもあってか、テナの持ってきたかなり怪しげなお酒を二人で勢いに任せて喉に流し込む。すると急に彼女が陽気に踊りだしちゃったりして、彼氏は慌てちゃったりしてかなり楽しい。宿屋のシーンだけじゃなくても、レ・ミゼってどんな場面でも登場人物がみんな演技してるからどこみていいやら悩まれますよね。

なんにつけても5日は本当に別所バルジャンが素晴らしかった。
カーテンコールでも号泣しながら盛大な拍手を送っておきました。
隣の人を怖がらせたかもな(笑)
10日が別所バルジャンの楽だなんて寂しすぎる・・・
次は久々の今井バル。それを楽しみに頑張ろう。


レ・ミゼラブル 8/5(日) マチネ (1)

2007-08-07 20:47:58 | レ・ミゼラブル観劇記

キャスト:別所哲也、石川禅、新妻聖子、山崎直子、菊地美香、藤岡正明、徳井優、瀬戸内美八、坂元健児、他

7/29の続きも、8/4の感想もすっ飛ばして8/5のマチネの感想。
というより別所バルジャンの感想。

この日の別所バルジャン
私をどうしたいんだ、と聞きたいほどでした。(どうにもしたくないだろうが・・)
最初から最後までこっちも平常心で見ていられない程心動かされ、「エピローグ」はもうただただ号泣。

司教に招き入れられるシーンでは去年と同様の椅子に座らず、床でパンをむさぼる演技。蜀台を奪った後捕らえられ、見物人を威嚇。両方とも今年初めて見ました。今年は山口バル以外威嚇してるバルジャンをみていないなかったな、そういえば。その時点でなんというか熱いよ熱いよ~と釘付けだったわけですが、その後のシーンはもう本当にすばらしかった。

港司教は日に日に説得力が増して、この日も愛と慈悲と筋の通った厳しさに満ち溢れてました。そんな司教に別所バルは目を合わせるどころか顔を見ることとすら出来ない。司教は何度も何度もそんなバルジャンを覗き込み、問いかける。「あなたの魂 私が買った」という言葉を聞いて別所バルは放心したように身体から力が抜けてしまって、力なくだらりと落とされたその手からこの司教の言葉にどれほど衝撃を受けたかよく分かる。まるで雷にに打たれた人のようでした。その放心状態からの「独白」は絶品。

「なんということをしたのだ」というフレーズにこんなにも重みと意味を与えるなんて。
「どうして許せよう」というフレーズにこんなにも切なさを感じさせるなんて。
「またあの地獄へ送り返さずに、自由をくれたのだ」というフレーズでどれほどの19年を過ごしたか想像させるとは。

別所バルジャンの演技にはいつもその行動を裏付ける動機が見えるんですが、今回はいつも以上に衝撃的だったなぁ。

衝撃的といえば、裁判所で名乗り出るシーンで、自分と間違えて捕らえられた男を抱きしめたんですよ。決別したはずの自分の過去にまたで会ったような思いだったのか。はたまた自分の身代わりになりそうになったという事実と一度彼を見捨てようと葛藤したことへの贖罪なのか。24653の高音もすばらしかった。

実は山崎ファンティーヌにはファンテらしさをあまり感じられないんですが、別所バルとからむシーンになると山崎ファンテがファンテに見える。変な言い方ですが、そうとしか言えない・・・・ファンテの冷たくなる手を温めるしぐさも、抱き返せない腕も切なくて、ファンテが死んだ後の慟哭も全てが演技を越えてました。

別所バルは演技が細かいのは今更書く必要もないことなんですが、手まで演技してるんですよね。彼の“手の演技”がこれまたいいのですよ。というか以前書いたように手を非常に印象的に使って、その動きだけで気持ちを表現する。菊地コゼットもその辺りの演技がとても細かくていいんですよね。コゼット絡みは後々語るとして、バリケードからマリウスを助け出し、ジャベールと対峙する場面。
ジャベールに「待つぞさあ、24653」と言われ今年は別所バルずっと首を横にふるようにしていたんですが、今回は去年と同様頷いたんです。私はこの「頷き」がジャベールの自殺を決定付けたと言っても過言ではないと思っていたので「これよこれよ!」という感じでしたね。

さて、エピローグ
今思い出しても泣けてきます。終わったあとも席を立てないくらい。
お腹のそこから搾り出すように「自分は父ではない」と告げる別バルのその言葉には言いようのない多くの想いが込められていて、コゼットをいかに愛しているか、どれほど重い秘密を抱えていたか、たったのその10文字で全て伝わってきましたよ。
ファンテが「行きましょう、自由な処へ」と肩に手をかけるまでコゼットのおでこにキスする別所バルジャンの頬には演技じゃない涙があふれている。ファンテに手を取られ、支えあうマリウスとコゼットを見ながら優しく頷くその姿。その全てが目に焼きついてます。本当に、本当に素晴らしかった。