蝋燭

突然思い出した。

私の生家は練馬区の外れ
沢庵工場がまだあちこちにあって
「練馬大根」がせっせと漬けられてた

家は木造平屋の２k
風呂は外のトタンで5方を囲っただけの
雨が降ると「ザバザバーー」と
凄まじいお祭り騒ぎだった。

台風が来るたびに停電になって
その時はいつもの場所に蝋燭が
停電時用に備えてあるので
ちゃっちゃか出して火を灯す。

普通のことの様に家族で蝋燭を囲み
普通のことの様に会話をしていると
チリチリパパパって音を立てて
家中の蛍光灯が通電と共に一斉に点いて
拍子抜けをしたような蝋燭の炎が
ゆらゆらと取り残される



いつの間にか停電って珍しくなりましたよね。
現に私の家には蝋燭がない。
アフリカ、特にギニア帰りの仲間からギニアの通電事情を聴くだに
「えーーーー」
って思ってたけど
日本もほんの数十年前はしょっちゅう停電してたんだ。

その時は蝋燭を媒介としいた家族の絆があった。

闇と火は人を温かくするんじゃないかって思いました。

今夜から明日にかけて

台風上陸です。